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第2部 同棲編

4 女も男も 1

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福田 結は、特に目をひく美人ではない。
けれどなぜか男受けする女だった。

色気があるというのか、男が吸い寄せられるフェロモンがでてるのだ。

ボンキュッボンのスタイルの持ち主といえばいいだろうか。結が狙って落ちなかった男はいなかった。
1回寝ると大抵あきてしまうのだが、やらないと気がすまない。

それはフリーでなくても、既婚者だろうが、彼女がいようが、関係なかった。

狙った獲物は逃がさない。

こんな性感覚を持つようになったのは、おそらく奔放な親の責任であった。

両親は離婚しないものの、お互いにセフレに愛人もいてそれを隠そうとしなかった。

そんな姿を見て育った結にはセックスはそんなに、重要なものじゃなかった。ただ、本能の赴くままにする行為。

だから、好きじゃなくても愛されてなくてもやれる。

初めての人は中学校1年のとき家庭教師にきていた大学生とだった。

ただ、その家庭教師、あろうことか母親ともやっていて、さすがに頭にきて父親に言って変えてもらった。父親も妻が大学生にいれあげていようが興味はなかったが、娘の頼みだったので仕方なくだったのかすぐ対応してくれた。初めての人だったのに何の悲しみもなく終わった。

結にとってセックスなんて所詮その程度のものだった。

勉強はできたので、何の苦労もなく大学も入り企業に入社しそういう点では恵まれていたのだが、本当に愛することに関してはみたされていなかったのだ。

ホテルでセックスするためだけの男とやることをやったらすっきりした。

「はあ。すっきり」

結がいうと、セフレの男、山上久がおかしそうに言う。

「それって普通男が言うセリフだよね。」

「そう。女だってあるよ。やりたいときが。そんでやったからすっきりした。これって変?」

「いや、男も女も性欲あるから当たり前だな。」

「でしょ?至って正論よ。」

「俺もそんな結だからこうやって続いているわけよ。」

「だよね。久との関係も高校のときからだから超長い。かれこれ12年だね。」

「だよねー。俺も結がいなかったら高校んとき腐ってたかも。」

「感謝してよ。」

「はい。ありがとう。」

セフレの男とは長く体の関係にある情はあるがそれ以上ではなかった。

「そういえばさー、見つけたんだよね。」

「なに?」

「運命の人。」

「へえ。よかったね。」

「うん。また落としちゃったら飽きるかもしれないけど、頑張るわ。」

「また教えてね。」

「うん。もう一人のセフレにも言っとこ。」

「好きな人できたって?」

「そうそう。」

「寂しがるかもよ。」

「大丈夫。その人もね、別に本命いるの。しかも男のね。」

「どういうこと?」

「女なんだ、もう一人の。」


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