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悪路に苦戦しながらも何とか響の後を追って辿り着いた先は、外縁を深い緑に包まれた、ゴツゴツとした岩場の中にぽっかりと空いた池のような場所だった。
背には崖を背負っており、その壁面がキラキラと日の光を照り返しているのが分かる。
「湧き水が沁み出してるのか」
匠の呟きに、なるほど透き通った微かな水が壁面を伝い落ちているのが見える。
「なんか、随分静かな場所っスね。心なしか涼しいような」
先程まで汗だくになりながら歩いたせいもあってか、心地よい風が吹いているように感じる。
すっかり火照ってしまった体が冷やされる。
ただ、周囲にここまで草木が密生しているのに風が通るのは不思議だった。
「さてさて。おーい! 水神様ー! おいでますかー!」
響が大声を張り上げ呼びかける。
だが特に反応は無く、水面が微かに揺れているだけである。
「水神様は基本的にここに居るものなのか?」
「うん、水神様の棲み処。神域だからね」
妙な静けさや張り詰めた空気は、そういう理由だからだろうか。
「結構気さくな神様なんだけどなあ……っても、最後にあったのは二十年ちょっとは前かな?」
妖怪の時間間隔はかなりアバウト。百年単位で生きているせいもあって、数年も数十年も大した数ではないように話すので困る。
俺達の感覚からすると二十年も会っていなかったら、友人も他人になってしまうレベルで縁が遠くなってしまうだろう。
「水神様ったらー! 苔でも生えて耳が腐ったかなー!」
尚も大声で話す響の発言に、そんな事言って大丈夫なのかと不安になる。
すると今まで静寂に包まれていた空気が揺れ始め、水面が波打ち始めてきた。
「この莫迦者がああああああ! 我を何と心得ておるか!!!」
頭の天辺から爪先まで突き抜けるような怒号が響き渡り、晴天の空が急激に陰り始める。
見上げれば真っ黒な低い雨雲が現れ、蓋をするように俺達の頭上に垂れこめていた。
「どうなってんだこれ!?」
「やっぱり悪口が一番さね。やたらプライドが高いから」
「で、でも響さん!? これからお願い事するのにこれはマズいのでは!?」
「あ」
天狗ちゃんの指摘に響が間抜けな声を漏らす。
あ、じゃねーよ! と内心突っ込みたいがそれ所ではない。
この本能に訴えかける恐怖心は先日味わったものに酷似していた。
……たまもちゃんが扮していた偽九尾。その姿を現した時に覚えたものとほぼ同質のものだ。
大気の震えは大地にも伝わり、ポツポツと雨が降り始めたと思うと瞬く間に勢いが増す。
水飛沫に煙る池の真ん中が泡立ち始め、膨張していき、池全体が巨大なうねりに見舞われる。
ごぼごぼと音を立てて湧き立ち、膨れ上がった水の塊が盛大に水煙を撒き散らして爆発し、一筋の黒褐色の柱が反り立つ。
噴き上がった水をもろに浴び、ずぶ濡れになりながらも目の前のそれから視線を外せない。
……龍だ。
水のカーテンで霞む視界の中、それはこちらを見下ろすようにしなやかに体を折り曲げ、淀んだ黄色の双眸がギョロリと向く。
胴回りはどの位だろうか。俺が腕を広げたよりも幅がある気がする。
やや赤みのある黒い鱗は、魚というよりは蛇に近いだろうか。背と腹では鱗の色が違い、背に向かう程黒が濃くなっている。
絵巻に描かれる龍のようなゴツゴツとした頭部をしており、雄山羊のように真っ直ぐで微かに反りのある角を二本生やしている。
口元は人の髪の毛のような黒々とした髭に覆われており、開いた口から牛の角にも見間違えるような太く鋭い牙がズラリと並び、毒々しい赤色の舌が際立って見える。
「我を愚弄するとは畜生共。死ぬ覚悟があっての事であろうな」
まるで耳元で怒鳴られているかのような重苦しくしわがれた声が響き、鳥肌が立つ。
……これはヤバい。本気で怒っている。
「まあまあ、水神様。アタイを覚えてるかい? 山彦の片割れだよ」
「その声、先の戯言を吐いたのはお前かあああ!!」
龍の一喝に大気が震える。
畏れ慄く俺達を余所に、響は飄々とした態度で相対する。
「ボケちまったのかい? アンタに育ててもらった子供みたいなもんだってのに」
「我の子であるならば無礼を働く意味が分かっておろうが!」
「どうせ居留守使うの分かってんだよこちとら。アンタとの付き合いも長いもんでね」
天狗ちゃんですら口をパクパクとさせてビビっているのに、響の物怖じしない態度は止まらない。
「ほら、あんたが見える人間を連れてきたよ。久しぶりだろ」
「何だと? ……ほう、確かに見えておるようだな」
豪雨が降り続き雨音が激しいのにも関わらず、龍の声ははっきりと聞こえる。
「贄を持ってきたか」
「何のだよ。……その話はやめな」
憮然とした態度を崩さない響に、ようやく龍の怒りが少し落ち着いたように見えた。
「して、何用だ山彦。そこの子烏は”僧正坊(そうじょうぼう)”の弟子だな」
「はい、お久し振りでございます。水神様」
「人間なぞ連れて何しに来た。贄も持たずに我を呼び出すとは」
「て、天狗ちゃん。お酒とかって喜ぶ?」
「いえ、水神様は生きた肉を好むと聞いてますから……」
そうか、ここまで持ってきてはみたが意味は無いか。
神様は勝手に清酒が好きと決めつけているのは人間のエゴなのかもしれない。
「アンタに願いがあるのさ。あんたの存在をちゃんと信じている久し振りの人間だ。聞いちゃくれないかね?」
「ふん、何ぞ人間共の願いなど……」
「いいから聞いとくれ」
響の言い様に漸く口を噤む龍。かなりご立腹そうだが大丈夫だろうか。
どう切り出したものか口籠る俺達を気遣ってか、天狗ちゃんが一歩前に出る。
「私は師匠より、山の主を仰せつかっております! 一つ、水神様にお願いが御座います。私達の山へ、水を呼び戻していただけないでしょうか。且つて水神様の水脈が通っていた場所です。今は枯れ、一滴の水も出ない土地となりました」
「して、見返りは? 神に願うと言うならばそれなりのものを差し出すのが倣いよ」
「それは……」
天狗ちゃんが口を噤んでしまう。
「俺達が、ここら一帯の山に人が来るようにするってのはどうでしょうか!」
見ていられず思わず口を挟む。
「俺達は元々妖怪達を助けたくて、人間が多く訪れるような場所にする為に今準備をしています。その場所に、水神様のお力で水を恵んでいただけないかと思い、ここまで参上しました」
「俺達に力を貸してくださいッス! 水神様!」
「……お願いします」
俺に続き、康平と匠が言葉を続け頭を下げる。
「ふん……」
龍は鼻を鳴らすと、ぐるりと身を回す。
「人間風情が何を言う。いつもいつも我の力を宛てにするだけの下賤な猿共が……お前達如きが我と話すなぞ身の程を痴れえい!! 贄として喰ろうてやるわ!!!」
一度大きく伸びあがり、勢いをつけた龍の頭が迫る。
「くう……ごめんなさい! ”鳴雷(なるいかづち)”!」
天狗ちゃんが俺達の前に立ちはだかり、手を翳すと雨雲を突き抜け雷の一閃が地に落ちる。
「逃げてください!」
必死な声に弾かれたように動き出し、背を向けて一直線に逃げ出す。
「小妖に人間風情が厚かましい!! 二度とこの山に来るな!!」
天狗ちゃんに背を守られつつ、ずぶ濡れのドブネズミのようになった俺達は一目散に走り去った。
ーーーーーーーー
「響……話が違う……」
「今度もマジで命の危険感じたわ……」
「やべーッスね。次行ったら絶対喰われるッスよ……」
息も絶え絶え悪路を走り逃げた俺達は、広い岩場にて座り込み乱れた呼吸をを整えている。
「いやあ、悪かったねえ。あんなに話の分からない神様じゃ無かった筈なんだけど」
「お前、全然悪いと思ってないだろ……」
間延びした口調で謝る響だが、その口調と態度から謝る気などサラサラ無いのが見て取れる。
「私もそれなりに久しぶりに会いましたが、あんなに荒れた姿になっているとは思いませんでした。何かあったのでしょうか……」
「昔は違ったのか?」
「ええ、白く美しい鱗に包まれた御姿だったのをよく覚えています」
「言っちゃ悪いが汚い色合いだったよな。例えるなら……沼地の魚みたいな黒い鱗っていうか」
匠の呟きに頷く。確かに、その表現が似つかわしい。
「アタイもびっくりしてんだ。まあ悪かったな、涼介、匠、康平。怖い目に遭わせちまってさ」
「全然気にしないとまでは言わないけどよ、まあ響に悪気が無いのは分かってるから」
「そう言ってくれるならありがたいよ。少し休んだら下山するかい?」
「ああ……そうしてくれッス。今は体に力入らねースわ……」
康平は大きな岩に大の字で寝転がり、大きく深呼吸する。
この場所は日当たりも良く、ずぶ濡れになった服を乾かすのにも丁度いい。
通気性と速乾性に優れたウェアを着込んでいた事にここまで感謝する事になるとは、思ってもいなかった。
背には崖を背負っており、その壁面がキラキラと日の光を照り返しているのが分かる。
「湧き水が沁み出してるのか」
匠の呟きに、なるほど透き通った微かな水が壁面を伝い落ちているのが見える。
「なんか、随分静かな場所っスね。心なしか涼しいような」
先程まで汗だくになりながら歩いたせいもあってか、心地よい風が吹いているように感じる。
すっかり火照ってしまった体が冷やされる。
ただ、周囲にここまで草木が密生しているのに風が通るのは不思議だった。
「さてさて。おーい! 水神様ー! おいでますかー!」
響が大声を張り上げ呼びかける。
だが特に反応は無く、水面が微かに揺れているだけである。
「水神様は基本的にここに居るものなのか?」
「うん、水神様の棲み処。神域だからね」
妙な静けさや張り詰めた空気は、そういう理由だからだろうか。
「結構気さくな神様なんだけどなあ……っても、最後にあったのは二十年ちょっとは前かな?」
妖怪の時間間隔はかなりアバウト。百年単位で生きているせいもあって、数年も数十年も大した数ではないように話すので困る。
俺達の感覚からすると二十年も会っていなかったら、友人も他人になってしまうレベルで縁が遠くなってしまうだろう。
「水神様ったらー! 苔でも生えて耳が腐ったかなー!」
尚も大声で話す響の発言に、そんな事言って大丈夫なのかと不安になる。
すると今まで静寂に包まれていた空気が揺れ始め、水面が波打ち始めてきた。
「この莫迦者がああああああ! 我を何と心得ておるか!!!」
頭の天辺から爪先まで突き抜けるような怒号が響き渡り、晴天の空が急激に陰り始める。
見上げれば真っ黒な低い雨雲が現れ、蓋をするように俺達の頭上に垂れこめていた。
「どうなってんだこれ!?」
「やっぱり悪口が一番さね。やたらプライドが高いから」
「で、でも響さん!? これからお願い事するのにこれはマズいのでは!?」
「あ」
天狗ちゃんの指摘に響が間抜けな声を漏らす。
あ、じゃねーよ! と内心突っ込みたいがそれ所ではない。
この本能に訴えかける恐怖心は先日味わったものに酷似していた。
……たまもちゃんが扮していた偽九尾。その姿を現した時に覚えたものとほぼ同質のものだ。
大気の震えは大地にも伝わり、ポツポツと雨が降り始めたと思うと瞬く間に勢いが増す。
水飛沫に煙る池の真ん中が泡立ち始め、膨張していき、池全体が巨大なうねりに見舞われる。
ごぼごぼと音を立てて湧き立ち、膨れ上がった水の塊が盛大に水煙を撒き散らして爆発し、一筋の黒褐色の柱が反り立つ。
噴き上がった水をもろに浴び、ずぶ濡れになりながらも目の前のそれから視線を外せない。
……龍だ。
水のカーテンで霞む視界の中、それはこちらを見下ろすようにしなやかに体を折り曲げ、淀んだ黄色の双眸がギョロリと向く。
胴回りはどの位だろうか。俺が腕を広げたよりも幅がある気がする。
やや赤みのある黒い鱗は、魚というよりは蛇に近いだろうか。背と腹では鱗の色が違い、背に向かう程黒が濃くなっている。
絵巻に描かれる龍のようなゴツゴツとした頭部をしており、雄山羊のように真っ直ぐで微かに反りのある角を二本生やしている。
口元は人の髪の毛のような黒々とした髭に覆われており、開いた口から牛の角にも見間違えるような太く鋭い牙がズラリと並び、毒々しい赤色の舌が際立って見える。
「我を愚弄するとは畜生共。死ぬ覚悟があっての事であろうな」
まるで耳元で怒鳴られているかのような重苦しくしわがれた声が響き、鳥肌が立つ。
……これはヤバい。本気で怒っている。
「まあまあ、水神様。アタイを覚えてるかい? 山彦の片割れだよ」
「その声、先の戯言を吐いたのはお前かあああ!!」
龍の一喝に大気が震える。
畏れ慄く俺達を余所に、響は飄々とした態度で相対する。
「ボケちまったのかい? アンタに育ててもらった子供みたいなもんだってのに」
「我の子であるならば無礼を働く意味が分かっておろうが!」
「どうせ居留守使うの分かってんだよこちとら。アンタとの付き合いも長いもんでね」
天狗ちゃんですら口をパクパクとさせてビビっているのに、響の物怖じしない態度は止まらない。
「ほら、あんたが見える人間を連れてきたよ。久しぶりだろ」
「何だと? ……ほう、確かに見えておるようだな」
豪雨が降り続き雨音が激しいのにも関わらず、龍の声ははっきりと聞こえる。
「贄を持ってきたか」
「何のだよ。……その話はやめな」
憮然とした態度を崩さない響に、ようやく龍の怒りが少し落ち着いたように見えた。
「して、何用だ山彦。そこの子烏は”僧正坊(そうじょうぼう)”の弟子だな」
「はい、お久し振りでございます。水神様」
「人間なぞ連れて何しに来た。贄も持たずに我を呼び出すとは」
「て、天狗ちゃん。お酒とかって喜ぶ?」
「いえ、水神様は生きた肉を好むと聞いてますから……」
そうか、ここまで持ってきてはみたが意味は無いか。
神様は勝手に清酒が好きと決めつけているのは人間のエゴなのかもしれない。
「アンタに願いがあるのさ。あんたの存在をちゃんと信じている久し振りの人間だ。聞いちゃくれないかね?」
「ふん、何ぞ人間共の願いなど……」
「いいから聞いとくれ」
響の言い様に漸く口を噤む龍。かなりご立腹そうだが大丈夫だろうか。
どう切り出したものか口籠る俺達を気遣ってか、天狗ちゃんが一歩前に出る。
「私は師匠より、山の主を仰せつかっております! 一つ、水神様にお願いが御座います。私達の山へ、水を呼び戻していただけないでしょうか。且つて水神様の水脈が通っていた場所です。今は枯れ、一滴の水も出ない土地となりました」
「して、見返りは? 神に願うと言うならばそれなりのものを差し出すのが倣いよ」
「それは……」
天狗ちゃんが口を噤んでしまう。
「俺達が、ここら一帯の山に人が来るようにするってのはどうでしょうか!」
見ていられず思わず口を挟む。
「俺達は元々妖怪達を助けたくて、人間が多く訪れるような場所にする為に今準備をしています。その場所に、水神様のお力で水を恵んでいただけないかと思い、ここまで参上しました」
「俺達に力を貸してくださいッス! 水神様!」
「……お願いします」
俺に続き、康平と匠が言葉を続け頭を下げる。
「ふん……」
龍は鼻を鳴らすと、ぐるりと身を回す。
「人間風情が何を言う。いつもいつも我の力を宛てにするだけの下賤な猿共が……お前達如きが我と話すなぞ身の程を痴れえい!! 贄として喰ろうてやるわ!!!」
一度大きく伸びあがり、勢いをつけた龍の頭が迫る。
「くう……ごめんなさい! ”鳴雷(なるいかづち)”!」
天狗ちゃんが俺達の前に立ちはだかり、手を翳すと雨雲を突き抜け雷の一閃が地に落ちる。
「逃げてください!」
必死な声に弾かれたように動き出し、背を向けて一直線に逃げ出す。
「小妖に人間風情が厚かましい!! 二度とこの山に来るな!!」
天狗ちゃんに背を守られつつ、ずぶ濡れのドブネズミのようになった俺達は一目散に走り去った。
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「響……話が違う……」
「今度もマジで命の危険感じたわ……」
「やべーッスね。次行ったら絶対喰われるッスよ……」
息も絶え絶え悪路を走り逃げた俺達は、広い岩場にて座り込み乱れた呼吸をを整えている。
「いやあ、悪かったねえ。あんなに話の分からない神様じゃ無かった筈なんだけど」
「お前、全然悪いと思ってないだろ……」
間延びした口調で謝る響だが、その口調と態度から謝る気などサラサラ無いのが見て取れる。
「私もそれなりに久しぶりに会いましたが、あんなに荒れた姿になっているとは思いませんでした。何かあったのでしょうか……」
「昔は違ったのか?」
「ええ、白く美しい鱗に包まれた御姿だったのをよく覚えています」
「言っちゃ悪いが汚い色合いだったよな。例えるなら……沼地の魚みたいな黒い鱗っていうか」
匠の呟きに頷く。確かに、その表現が似つかわしい。
「アタイもびっくりしてんだ。まあ悪かったな、涼介、匠、康平。怖い目に遭わせちまってさ」
「全然気にしないとまでは言わないけどよ、まあ響に悪気が無いのは分かってるから」
「そう言ってくれるならありがたいよ。少し休んだら下山するかい?」
「ああ……そうしてくれッス。今は体に力入らねースわ……」
康平は大きな岩に大の字で寝転がり、大きく深呼吸する。
この場所は日当たりも良く、ずぶ濡れになった服を乾かすのにも丁度いい。
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