年下王子と口うるさい花嫁

いとう壱

文字の大きさ
上 下
5 / 58

第3話 第三王子と母の思い出

しおりを挟む
新規開校までの1ヶ月間はひたすらポスティングをした。

日中は朝から晩まで私がポスティングをしてその後、私が帰宅した夜から朝まで大山がポスティングをした。

歩いてポスティングをするのはたくさん配れず効率も悪いので自転車に乗ってひたすらポスティングをした。

ポスティングをする際、大山からの指示でルールを決めていた。新規開校する学習塾を拠点としてエリアマップを作成した。

配布したエリアに日付、時間帯を記入してどのエリアにいつどのくらい配布したのか正確にわかるようにした。

こうすることによって同じエリアに何度も配布することはなくなり、実際に電話がかかってきた際にいつどこで誰が配ったチラシなのかを正確に把握することができた。

始めの数日間はチラシを配っても反応は1件もなかった。大山からはチラシの内容が悪いのではといった指摘を受けることもあったが、最低10日はこのチラシを配ってみようということになった。

ちょうどポスティングをしてから1週間程経過した後、2件の反応があった。

私が配布したエリアと大山が配布したエリアから共に1件ずつ反応があったので二人で喜んだ。

なかなか反応がなかったので、大山も深刻な表情をしていることが多かったが、久しぶりに大山から笑みがみられた。

さらにその後もポスティングをする度に数件反応があって、新規開校の前日までに7、8件の問い合わせがあった。

私は主に新規開校に合わせて教室内外にはる簡単なチラシ作りをしたり、新聞広告にだす本格的なチラシを作成するために広告会社にも足を運んだ。

さらに新聞広告にだすエリアや部数設定なども大山と一緒に話し合いながら予算などをみて決めた。

いよいよ新規開校の当日を迎えた。10時と13時からの2回入塾説明会を行った。

10時の時の入塾説明会には5人程参加した。九州本部から来た人が入塾説明会の全体説明はすべてやってくれたので、大山と私は個々の説明があれば対応する感じだった。10時からの部はその場で3名入塾してくれて2人は保留だった。

13時からの入塾説明会も同様の流れで開催した。3人程説明会に参加してくれたが、残念なことに一人も入塾者はいなかった。

無事に説明会が終わると九州本部から来た人は帰宅し、大山と二人だけになった。

大山からたったの3人だけど入ってきてくれたから良かったよといわれた。ちなみに小学生2人、中学生1人だった(続)



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

【完結】守護霊さん、それは余計なお世話です。

N2O
BL
番のことが好きすぎる第二王子(熊の獣人/実は割と可愛い) × 期間限定で心の声が聞こえるようになった黒髪青年(人間/番/実は割と逞しい) Special thanks illustration by 白鯨堂こち ※ご都合主義です。 ※素人作品です。温かな目で見ていただけると助かります。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

【書籍化・取り下げ予定】あなたたちのことなんて知らない

gacchi
恋愛
母親と旅をしていたニナは精霊の愛し子だということが知られ、精霊教会に捕まってしまった。母親を人質にされ、この国にとどまることを国王に強要される。仕方なく侯爵家の養女ニネットとなったが、精霊の愛し子だとは知らない義母と義妹、そして婚約者の第三王子カミーユには愛人の子だと思われて嫌われていた。だが、ニネットに虐げられたと嘘をついた義妹のおかげで婚約は解消される。それでも精霊の愛し子を利用したい国王はニネットに新しい婚約者候補を用意した。そこで出会ったのは、ニネットの本当の姿が見える公爵令息ルシアンだった。書籍化予定です。取り下げになります。詳しい情報は決まり次第お知らせいたします。

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

処理中です...