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23 勝敗
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――私も、貴方だけが好きだと言えたなら。
レイが目を閉じ、部屋の中央にある滑車から長い鎖を垂らし、真下に膝立ちになる。鎖を持った手を祈るように組み、頭を下げて音を待つ。
「私を、犯してください」
呟くように告げた言葉に、神崎の目がぎらりと光る。
――幾らでも、犯してやる。
薄衣を纏うレイのペニスは反り立ち、雫が薄衣を貼り付ける。
レイが、は、と短く息を漏らしたとき。部屋の片隅に置いてあったスピーカーから、ドラムの音が響いた。
音に合わせて腰を揺らす。そこに幾つか音が重なり、トランス系の音楽になった。
「っあぁ」
シンバルの音と同時に喘いだレイが、鞭打たれたように身体を反らせる。
鎖に掴まり上体を倒し、スネアドラムに合わせて腰を揺らす。まるで後ろから犯されているような動きに、神崎の手の動きが重なる。
レイは薄く開いた目でそれを見、後孔をひくつかせながら口を開く。ついさっき口淫で受け入れた時のように、喉の奥まで開いて神崎に晒す。舌を蠢かせ、鎖を咥えた。
――ここに、欲しい。
後孔を荒々しく突かれながら、呼吸も奪うほど深くに来て欲しい、とレイが懇願の眼差しで見る。しゃがむように体勢を変え、ペニスを揺らしながら上下に動くと、神崎がごくりと喉を鳴らした。
――犯し尽くしたい。
神崎もまた、レイが快楽で失神するほど犯したい、とペニスを扱く。
レイのペニスは薄衣に擦られ、上下に動くたびに胸の鎖が揺れる。それが乳首を刺激して、レイの後孔から精液が垂れた。
音に犯され喘ぐレイが、鎖を辿って立ち上がる。
音楽が、踊りが変わった。
神崎から流れてくる視線は熱い。レイが身体をなぞる手つきが妖艶になる。誘うように指を咥え、身体をくねらせて臀部を撫でる。仰け反り、喘いだかと思えば、鎖を操り軽やかに踊って見せる。
不意に張形を手にしたレイが、それに舌を這わせて飲み込む。神崎を見ながら何度も奥を突き、ぬるりと唾液を絡ませる。
「っ、く……」
思わず呻いた神崎に微笑み、引き抜いたそれを後孔に突き刺した。
――これを貴方だと思って踊るよ。
いつも舞台で踊る振り付けとはまったく違う。
――これはもう、踊りとは言えないな……。
神崎に抱かれる動きをなぞる。椅子を跨ぎ、座面にディルドを貼り付けて。両手を高く上げ、胸の鎖を引きながら滑車に繋がる鎖に掴まる。そのまま上下に揺れてディルドを抜き差しする。快楽に歪む顔を神崎に晒し、ペニスの先に雫を湛えながら、ペニスを扱く神崎を見つめる。
――ああ、気持ちいいよ、レイ。
神崎の手の動きが、レイの腰使いに重なる。身体に貼り付いた衣装が、レイの裸体を淫らに飾る。立ち上がるレイからディルドが抜ける。そのまま精液に濡れる後孔を見せつけ、気まぐれに軽やかに舞いながら、腰を揺らして高く喘ぐレイに、神崎の劣情が煽られる。
音楽が再び、トランス系のものに切り替わる。
「っあ、っ、ふ……」
レイの身体が、ドラムとシンバルに犯される。神崎の手が、揺れるレイの動きに合わせて動く。
「俺を見ろ。お前を犯しているのは誰だ?」
神崎が決定的な刺激を求めてレイに訊ねる。
――早く、早く……お前の全てを寄越せ。
手も腰も激しく動かしながら、乱れるレイを見つめる。鎖がまとわりつくレイを。
――あぁ、ケン……貴方が欲しい。
レイは腰の布を引き下げ、ペニスを露出して撫で下ろす。
「ケン……、ケンだ、もっと私を、犯して」
音に揺さぶられて腰を突き出す。ペニスを手に擦り付けて、神崎を見つめる。
「貴方が、欲しい……」
レイの懇願に、神崎が息を詰める。達する寸前のレイの表情に、神崎はペニスを強く握りながらふっと笑うと、レイを愛しげに見つめた。
「お前の勝ちだ。レイ」
神崎が緩めた手の隙間から、精液が飛び散る。それを見たレイのペニスからも噴き出し、床を白く染めた。
「ケン、ケン……」
四つん這いになり、レイが神崎に向かう。神崎が精液に濡れた手を差し出すと、レイが愛しげにそれを舐める。指の一本一本を丁寧になぞられ、神崎が甘い息を吐く。
「気持ち、いい?」
たらたらと白濁が零れる神崎のペニスに触れながらレイが問うと、神崎は吐息で答える。それに微笑むレイが、神崎のペニスを包み込んだ。
ちゅぱ、ずりゅ、と愛撫を繰り返せば、レイの口内はすぐ一杯になる。そのまま深く差し込み、喉奥に精液をねだる。
「レイ……、好きだ。お前の望みを教えてくれ」
レイの口からペニスを引き抜いた神崎は、優しく髪を撫でながら祈るように呟く。レイは手を引かれるままに動けば膝に抱かれ、額に口付けが贈られる。その穏やかさにレイの目から涙が零れる。
見上げた神崎の真摯な眼差しに、レイが覚悟を決めた。
――もう、この想いだけで生きていけるから。
叶わないことは祈らない。そうして全てを諦めて生きてきたレイが、一つだけ見つけた諦めきれないこと。
視線を和らげたレイが、柔らかな笑みを浮かべた。
――ずっと側にいて、貴方だけ見ていたい。なんて、言えはしないけど。
「時々でいい、私に会いに来て」
本当に望むことは言えないレイの、精一杯を告げた。
レイが目を閉じ、部屋の中央にある滑車から長い鎖を垂らし、真下に膝立ちになる。鎖を持った手を祈るように組み、頭を下げて音を待つ。
「私を、犯してください」
呟くように告げた言葉に、神崎の目がぎらりと光る。
――幾らでも、犯してやる。
薄衣を纏うレイのペニスは反り立ち、雫が薄衣を貼り付ける。
レイが、は、と短く息を漏らしたとき。部屋の片隅に置いてあったスピーカーから、ドラムの音が響いた。
音に合わせて腰を揺らす。そこに幾つか音が重なり、トランス系の音楽になった。
「っあぁ」
シンバルの音と同時に喘いだレイが、鞭打たれたように身体を反らせる。
鎖に掴まり上体を倒し、スネアドラムに合わせて腰を揺らす。まるで後ろから犯されているような動きに、神崎の手の動きが重なる。
レイは薄く開いた目でそれを見、後孔をひくつかせながら口を開く。ついさっき口淫で受け入れた時のように、喉の奥まで開いて神崎に晒す。舌を蠢かせ、鎖を咥えた。
――ここに、欲しい。
後孔を荒々しく突かれながら、呼吸も奪うほど深くに来て欲しい、とレイが懇願の眼差しで見る。しゃがむように体勢を変え、ペニスを揺らしながら上下に動くと、神崎がごくりと喉を鳴らした。
――犯し尽くしたい。
神崎もまた、レイが快楽で失神するほど犯したい、とペニスを扱く。
レイのペニスは薄衣に擦られ、上下に動くたびに胸の鎖が揺れる。それが乳首を刺激して、レイの後孔から精液が垂れた。
音に犯され喘ぐレイが、鎖を辿って立ち上がる。
音楽が、踊りが変わった。
神崎から流れてくる視線は熱い。レイが身体をなぞる手つきが妖艶になる。誘うように指を咥え、身体をくねらせて臀部を撫でる。仰け反り、喘いだかと思えば、鎖を操り軽やかに踊って見せる。
不意に張形を手にしたレイが、それに舌を這わせて飲み込む。神崎を見ながら何度も奥を突き、ぬるりと唾液を絡ませる。
「っ、く……」
思わず呻いた神崎に微笑み、引き抜いたそれを後孔に突き刺した。
――これを貴方だと思って踊るよ。
いつも舞台で踊る振り付けとはまったく違う。
――これはもう、踊りとは言えないな……。
神崎に抱かれる動きをなぞる。椅子を跨ぎ、座面にディルドを貼り付けて。両手を高く上げ、胸の鎖を引きながら滑車に繋がる鎖に掴まる。そのまま上下に揺れてディルドを抜き差しする。快楽に歪む顔を神崎に晒し、ペニスの先に雫を湛えながら、ペニスを扱く神崎を見つめる。
――ああ、気持ちいいよ、レイ。
神崎の手の動きが、レイの腰使いに重なる。身体に貼り付いた衣装が、レイの裸体を淫らに飾る。立ち上がるレイからディルドが抜ける。そのまま精液に濡れる後孔を見せつけ、気まぐれに軽やかに舞いながら、腰を揺らして高く喘ぐレイに、神崎の劣情が煽られる。
音楽が再び、トランス系のものに切り替わる。
「っあ、っ、ふ……」
レイの身体が、ドラムとシンバルに犯される。神崎の手が、揺れるレイの動きに合わせて動く。
「俺を見ろ。お前を犯しているのは誰だ?」
神崎が決定的な刺激を求めてレイに訊ねる。
――早く、早く……お前の全てを寄越せ。
手も腰も激しく動かしながら、乱れるレイを見つめる。鎖がまとわりつくレイを。
――あぁ、ケン……貴方が欲しい。
レイは腰の布を引き下げ、ペニスを露出して撫で下ろす。
「ケン……、ケンだ、もっと私を、犯して」
音に揺さぶられて腰を突き出す。ペニスを手に擦り付けて、神崎を見つめる。
「貴方が、欲しい……」
レイの懇願に、神崎が息を詰める。達する寸前のレイの表情に、神崎はペニスを強く握りながらふっと笑うと、レイを愛しげに見つめた。
「お前の勝ちだ。レイ」
神崎が緩めた手の隙間から、精液が飛び散る。それを見たレイのペニスからも噴き出し、床を白く染めた。
「ケン、ケン……」
四つん這いになり、レイが神崎に向かう。神崎が精液に濡れた手を差し出すと、レイが愛しげにそれを舐める。指の一本一本を丁寧になぞられ、神崎が甘い息を吐く。
「気持ち、いい?」
たらたらと白濁が零れる神崎のペニスに触れながらレイが問うと、神崎は吐息で答える。それに微笑むレイが、神崎のペニスを包み込んだ。
ちゅぱ、ずりゅ、と愛撫を繰り返せば、レイの口内はすぐ一杯になる。そのまま深く差し込み、喉奥に精液をねだる。
「レイ……、好きだ。お前の望みを教えてくれ」
レイの口からペニスを引き抜いた神崎は、優しく髪を撫でながら祈るように呟く。レイは手を引かれるままに動けば膝に抱かれ、額に口付けが贈られる。その穏やかさにレイの目から涙が零れる。
見上げた神崎の真摯な眼差しに、レイが覚悟を決めた。
――もう、この想いだけで生きていけるから。
叶わないことは祈らない。そうして全てを諦めて生きてきたレイが、一つだけ見つけた諦めきれないこと。
視線を和らげたレイが、柔らかな笑みを浮かべた。
――ずっと側にいて、貴方だけ見ていたい。なんて、言えはしないけど。
「時々でいい、私に会いに来て」
本当に望むことは言えないレイの、精一杯を告げた。
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