囚われの踊り手は闇に舞う

徒然

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18 飾り

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 神崎の目の前で、レイの指先が薄紅に色付く乳首を摘む。ぷくりと膨らむそこは慎ましく小ぶりで、手にした飾りにはまだ足りなそうだ。
「は……あっ……」
 乳首を弄りながら腰を揺らし、快楽に細めた目で神崎を見ながら喘ぐレイ。自慰を見せつけているようや仕草に、神崎の欲が膨れる。
 たまらなくなった神崎が、無言のままレイを抱き寄せ、そこに舌を這わせて強く吸う。そのまま舌で優しく先端を擽り、甘噛みして扱いてやると、乳首がむくりと勃ち上がった。
「ありがとう、ケン」
 蕩けた顔ではにかみながら告げるレイの指先が、小さな輪と、それを付けるための道具を乳首に当てる。
「っふ、ん……」
 きゅぽ、と軽い音が鳴り、乳首が道具に吸い出される。胸に道具を押し当ててから外すと、根元に残された輪が食い込み、先端がぷくりと膨らんだまま固定される。神崎はそれを間近に見て、にやりと笑った。
「へぇ。いやらしく勃起して……虐めやすそうでいいな」
 それを爪先で軽く弾くと、レイが高く喘ぐ。膝立ちを崩さないまま仰け反るレイの中心で、ペニスがぴくぴく震えた。
 神崎はそれを扱きながら、逆の乳首に舌を這わせた。鬼頭を撫で、竿を擦る。乳首を強く吸い、舌で舐め転がす。
「っあ、っ、ま……って、ダメ……っ」
 達する直前で愛撫を止め、少し落ち着いたら舐め転がす。そうして何度も寸止めしながら、ペニスと乳首への愛撫は続いた。
 神崎が、肩に縋り付くレイの手から器具を優しく奪う。レイは神崎の肩に手を乗せ、そこに額を預けて、甘く息を吐いていた。
 神崎がふっと笑ってレイが見せた手順をなぞる。
「っは、ん、はぁ……」
 軽い音ととに乳首に輪が付けられる。ペニスから先走りを垂らして淫らに喘ぐレイに、神崎が口付けを落とした。

「次は、これか?」
 神崎が問いかけながらレイの膝の近くに置いてあるクリップを手にする。それは丸い金具でできていて、外から中へと螺子が貫いていた。輪の外側に半円のでっぱりがあるので、ここに錘や鎖を付けられそうだ。
 はい、とレイに渡すと、レイが螺子を緩める。くびりだされ、大きさを増した乳首の先端を輪の中に入れ、四方から螺子を締めていく。きりきりと締め付けられ、敏感な乳首に痛みが走る。眉を寄せ、息を吐いて。さらに締め付けようとするレイの手を、神崎が押さえた。
「まだ、締められるよ?」
 もっと痛く。もっときつく。レイの乳首は既に螺子に押され、歪な形をしている。それでも、悲鳴をあげるほどの痛みを与えられ慣れているレイは、まだ足りない気がして神崎を見つめた。
「無理はするな。……痛みが快楽に変わるのは分かるが、それ以上締める必要はない」
 レイがびくりと肩を跳ねさせる。何故、と神崎の顔を見る。
 ――痛みに涙を流しながら、喘ぐ姿を見たい訳じゃない?
 止められたことに対する疑問を、神崎は別の疑問にすり替えてくくっと笑った。
「痛みが嫌なら、ここは萎えているはずなのにな?」
 するりと撫でたレイのペニスは、硬く勃ち上がり、先端に雫まで湛えている。ぬち、と粘着質な音を立てて塗り広げられ、レイが甘く息を吐く。頬に赤が差すレイの耳を食みながら、肩に置かれた手に力がこもるのを、神崎は心地よく感じる。それと共に熱が生じ、身体を巡る。
 神崎は低く甘く掠れた声で、レイ、と呼びかけた。
「俺といる間は、始めに付けた乳首の輪っかを外すなよ」
 耳に直接吹き込まれ、レイが小さく喘ぐ。神崎が愉しげに耳殻を舐め、穴に舌をさしこむ。
 ぐちゅ、と、唾液の音がレイの頭に響き、レイが甘く息を吐く。
「弄り倒して、根元を縛らなくてもいやらしく勃ったままになったら……」
 細い鎖をしゃらりと鳴らし、レイの顔を覗き込む。欲と期待が混じるレイの表情に、神崎がふっと笑う。
「乳首を戒める鎖まで、衣装に入るかも知れないな?」
 は、と息を吐くレイを引き寄せ、乳首を戒めるクリップをしげしげと眺めた。
「螺子の先、ちゃんと丸めてあるのな。まあ、尖っているとレイの可愛いココが串刺しになるか」
 尖るそこを指で弾き、クリップを軽く引っ張る。
「レイの好きな強さか?」
 荒い息を吐きながら、レイが自ら、責め立てる道具を身につける。神崎は命じ、手伝うだけという状況に、レイの身体が熱く火照る。もう少し、と両胸の螺子を締める。きゅ、と先端に棘が食い込むのが気持ちいい。
「ん、いい子。さて次は?」
 頬を撫でてレイを褒めると、ふわりと微笑んだレイが、太めの黒い輪と卵のようなものを見せた。
「これ。えっと、………ここのボタンを押すと、こっちの輪が震えたりする、から。ケンが持っていて」
 レイが実際に押して見せると、輪の内部が震える。ボタンを押すたびに長さや強さが変わるそれに、神崎の口角が上がった。
「分かった。レイで試したいから、付けてみて」
 ん、と頷き、レイが輪の金具を開く。ぱち、とペニスの根元に付けて手を離し、ケンを見つめた。
 ――ヴヴヴ……
「っ、や、あぁ……、っ、あ……ん」
 神崎の手元が動くたび、根元が揺らされる。手を身体の横に添わせて耐えるレイに、神崎が口付ける。
「これもなかなか楽しいな。じゃあ、……仕上げ、だな」
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