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12 裸
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レイはゆっくり、衣装に手をかける。鎖を解き、留め金を外すと、音も立てず滑り落ちた。簡単な衣装は、それだけで全て脱げてしまった。
――こんな薄っぺらな衣装でも、無いと、緊張する……。
靱やかな身体に残るのは、重い枷だけ。
「ケン、鍵を開けてくれる?」
裸体に見蕩れていた神崎が、はっと我に返る。レイのペニスは硬く勃ち、先端に雫を溜めている。それを隠すこともなく、ただ少し恥ずかしげに微笑みながら神崎に歩み寄る。
「ごめん、あまりに綺麗だから見蕩れてた。外すよ」
レイの手を取り、ベッドに座らせる。神崎が指で顎を上げさせると、レイは微笑んだまま目を伏せ、首を差し出した。首輪の鍵を開き、留め具を外す。まとわりついていた感触がなくなり、軽くなった首元を、レイは心許なく感じた。
手枷を外し、鎖ごとサイドテーブルに乗せる。おもむろにレイの前に膝を付き、太腿の上にレイの足を乗せた神崎が、ちらとレイを窺う。
「そ、れは……、流石に、恥ずかしいんだけど」
まるで主にするような、傅かれ、大切にされているような仕草。全裸でいることが、脚の間でペニスが主張していることが、今更恥ずかしくなる。
神崎はふっと笑い、右脚のふくらはぎに手を添える。するりと片手を滑らせ、足首に残る枷を支えて持ち上げる。その間も、神崎の視線は、恥じ入るレイに向けられたまま。
膝に、脛に唇を這わせ、口付けを落としていく。
「好きだよ」
甘く囁き、足の甲に唇が触れる。
「ちょ、っ、待って……!」
予想外の行動に慌てるレイに視線が絡ませたまま、神崎の目が愉しげに細められる。触れた唇の隙間から舌が触れ、指先まで舐めながら口付けられていく。
「だ、め、っ、ケン、待って……ってば」
慌てるレイのペニスがぴくぴく震える。神崎が親指を口に含み、指の股に舌を這わせたとき。
「イく、からぁぁ……っ」
シーツを握りしめるレイのペニスから、精液が吐き出された。
神崎はレイを宥めるように脚を撫で、枷を外した足首にも口付けを落とした。入れ替えた左脚はすんなりと外して、足首に口付けた。
「可愛い。好きだよ」
神崎の言葉が、外された枷の分だけレイの心を縛る。外した枷を一纏めにサイドテーブルに乗せると、鎖がとぐろを巻くように山を作る。それらの上に衣装を乗せ、神崎はレイの前に立った。
男娼として脱ぐことがなかった衣装が取り払われ、客に初めて晒した裸体。そうとは知らない神崎は、舐めるように見つめてふっと微笑む。
「あぁ……。綺麗だな」
均整のとれた身体は彫刻のように滑らかだ。ぷくりと主張する乳首が、欲を示すペニスが、隠されることなく目の前にある。
「ケン。貴方も、」
脱いで、という言葉は、真上から降りてきた口付けに飲まれる。舌を絡ませたまま、自由になった腕を神崎の服へと導かれる。
脱がせて、と吐息がレイの唇に落とされ、レイはボタンに手をかけた。
口付けはあっという間に深くなる。神崎は舌に唾液を絡ませて、レイの口内へ差し込んだ。レイは重力に従い流し込まれる唾液を飲み込み、舌を絡ませながら神崎の逞しい身体を撫で、服を滑り落とす。神崎は口角を上げて微笑むと、指をレイの胸に、雫を垂らすペニスに遊ばせる。
「ま、って、ケン、できな……っ」
束の間解放された口で告げ、思わず前のめりに傾いだ先。
「早く、これでレイを愛させて」
スラックス越しの神崎のペニスはもう、熱く逞しく生地を押し返している。ぐい、と腰を押し付けられて唇に触れた膨らみに、レイはうっとりと息を吸い込む。音を立ててベルトを外し、スラックスのボタンを外す。そのままジッパーを下げ、ケンを上目遣いに窺う。
ケンはふっと微笑んで頷き、躊躇いが残るレイの手を、下着の履き口に誘導する。
「レイ」
名を呼ばれたレイは微笑んで、ちらりと見える神崎の臍に口付けを落とし、一気に下着ごとスラックスをずり下げた。
「あぁ……凄い……」
弾けるように飛び出てきたペニスが頬を打つ。それに擦り寄り裏筋に舌を這わせると、神崎が苦笑とともに髪を撫でながら制止した。
「先に、風呂に入ろう。……準備は要るか?」
レイは頬を染めながら、もう一度ペニスに口付ける。
「準備はもう……。何時でもできるよ」
直に吸い込む雄々しい匂いに、くらくらと目眩がするほどの熱が、媚薬の熱と共にレイの身体を支配する。そんなレイの荒い息を感じながら、神崎は髪を撫でる。
「可愛いレイ。抱いて、犯して、溺れるほど愛してあげる。おいで」
神崎の言葉に驚き、顔を上げたレイの手が引かれる。立ち上がらされたレイに、触れるだけの口付けが落とされる。枷が擦れて赤くなった手首を労わるように撫でられ、そのまま引っ張られて抱きしめられた。神崎の筋肉質な身体は引き締まっていて、熱く、威圧感を与えない程度に厚みがある。
――なんか、雄、だ。
レイが呆然としていると、神崎が可笑しそうに笑う。ほら、と促され、腰を抱かれる。
「風呂場まで、案内してくれないか?」
甘く、誘惑するように妖しく、神崎が笑う。
――この人に、溺れては駄目だ……。私は、ただの男娼でしかないのだから。
今にも堕ちてしまいそうな心を必死で抑え、レイは風呂場へ向かった。
――こんな薄っぺらな衣装でも、無いと、緊張する……。
靱やかな身体に残るのは、重い枷だけ。
「ケン、鍵を開けてくれる?」
裸体に見蕩れていた神崎が、はっと我に返る。レイのペニスは硬く勃ち、先端に雫を溜めている。それを隠すこともなく、ただ少し恥ずかしげに微笑みながら神崎に歩み寄る。
「ごめん、あまりに綺麗だから見蕩れてた。外すよ」
レイの手を取り、ベッドに座らせる。神崎が指で顎を上げさせると、レイは微笑んだまま目を伏せ、首を差し出した。首輪の鍵を開き、留め具を外す。まとわりついていた感触がなくなり、軽くなった首元を、レイは心許なく感じた。
手枷を外し、鎖ごとサイドテーブルに乗せる。おもむろにレイの前に膝を付き、太腿の上にレイの足を乗せた神崎が、ちらとレイを窺う。
「そ、れは……、流石に、恥ずかしいんだけど」
まるで主にするような、傅かれ、大切にされているような仕草。全裸でいることが、脚の間でペニスが主張していることが、今更恥ずかしくなる。
神崎はふっと笑い、右脚のふくらはぎに手を添える。するりと片手を滑らせ、足首に残る枷を支えて持ち上げる。その間も、神崎の視線は、恥じ入るレイに向けられたまま。
膝に、脛に唇を這わせ、口付けを落としていく。
「好きだよ」
甘く囁き、足の甲に唇が触れる。
「ちょ、っ、待って……!」
予想外の行動に慌てるレイに視線が絡ませたまま、神崎の目が愉しげに細められる。触れた唇の隙間から舌が触れ、指先まで舐めながら口付けられていく。
「だ、め、っ、ケン、待って……ってば」
慌てるレイのペニスがぴくぴく震える。神崎が親指を口に含み、指の股に舌を這わせたとき。
「イく、からぁぁ……っ」
シーツを握りしめるレイのペニスから、精液が吐き出された。
神崎はレイを宥めるように脚を撫で、枷を外した足首にも口付けを落とした。入れ替えた左脚はすんなりと外して、足首に口付けた。
「可愛い。好きだよ」
神崎の言葉が、外された枷の分だけレイの心を縛る。外した枷を一纏めにサイドテーブルに乗せると、鎖がとぐろを巻くように山を作る。それらの上に衣装を乗せ、神崎はレイの前に立った。
男娼として脱ぐことがなかった衣装が取り払われ、客に初めて晒した裸体。そうとは知らない神崎は、舐めるように見つめてふっと微笑む。
「あぁ……。綺麗だな」
均整のとれた身体は彫刻のように滑らかだ。ぷくりと主張する乳首が、欲を示すペニスが、隠されることなく目の前にある。
「ケン。貴方も、」
脱いで、という言葉は、真上から降りてきた口付けに飲まれる。舌を絡ませたまま、自由になった腕を神崎の服へと導かれる。
脱がせて、と吐息がレイの唇に落とされ、レイはボタンに手をかけた。
口付けはあっという間に深くなる。神崎は舌に唾液を絡ませて、レイの口内へ差し込んだ。レイは重力に従い流し込まれる唾液を飲み込み、舌を絡ませながら神崎の逞しい身体を撫で、服を滑り落とす。神崎は口角を上げて微笑むと、指をレイの胸に、雫を垂らすペニスに遊ばせる。
「ま、って、ケン、できな……っ」
束の間解放された口で告げ、思わず前のめりに傾いだ先。
「早く、これでレイを愛させて」
スラックス越しの神崎のペニスはもう、熱く逞しく生地を押し返している。ぐい、と腰を押し付けられて唇に触れた膨らみに、レイはうっとりと息を吸い込む。音を立ててベルトを外し、スラックスのボタンを外す。そのままジッパーを下げ、ケンを上目遣いに窺う。
ケンはふっと微笑んで頷き、躊躇いが残るレイの手を、下着の履き口に誘導する。
「レイ」
名を呼ばれたレイは微笑んで、ちらりと見える神崎の臍に口付けを落とし、一気に下着ごとスラックスをずり下げた。
「あぁ……凄い……」
弾けるように飛び出てきたペニスが頬を打つ。それに擦り寄り裏筋に舌を這わせると、神崎が苦笑とともに髪を撫でながら制止した。
「先に、風呂に入ろう。……準備は要るか?」
レイは頬を染めながら、もう一度ペニスに口付ける。
「準備はもう……。何時でもできるよ」
直に吸い込む雄々しい匂いに、くらくらと目眩がするほどの熱が、媚薬の熱と共にレイの身体を支配する。そんなレイの荒い息を感じながら、神崎は髪を撫でる。
「可愛いレイ。抱いて、犯して、溺れるほど愛してあげる。おいで」
神崎の言葉に驚き、顔を上げたレイの手が引かれる。立ち上がらされたレイに、触れるだけの口付けが落とされる。枷が擦れて赤くなった手首を労わるように撫でられ、そのまま引っ張られて抱きしめられた。神崎の筋肉質な身体は引き締まっていて、熱く、威圧感を与えない程度に厚みがある。
――なんか、雄、だ。
レイが呆然としていると、神崎が可笑しそうに笑う。ほら、と促され、腰を抱かれる。
「風呂場まで、案内してくれないか?」
甘く、誘惑するように妖しく、神崎が笑う。
――この人に、溺れては駄目だ……。私は、ただの男娼でしかないのだから。
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