囚われの踊り手は闇に舞う

徒然

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 神崎はくすりと笑い、レイの頬に口付けた。そして顎をとり、真っ直ぐ視線を絡ませる。
「出せばいい。どんな淫らな道具で責められながら踊っていたのか、見たいんだ」
 神崎に低く命じられて、レイが甘く息を吐く。
「レイ。抜いてって、言ってみろ」
 悪戯っぽく言われ、レイが一瞬固まる。かぁっと音が聞こえそうなほど顔を赤らめ、口をぱくぱくさせて。
「あぁ……真っ赤になって、本当に可愛いな。ほら、言って?」
 神崎の手が器具にかかる。そしてレイの反応を見るように、小さく動かした。
「あ、っ、だ、め、だめ、ケン……っ!」
 レイが暴れるのを力づくで押さえ込み、ペニスの先からそれを少し引き抜く。甘く息を乱すレイのそこから、とろりとした精液が垂れた。
「だめ、ケン……、出てしまう……」
 涙目になって訴えるレイに、神崎は優しく口付けて微笑む。耳元に唇を寄せると、吐息を吹き込むように低く囁く。
「言え、レイ」
「ひぁ、あ、っあぁあ……」
 レイは突き込まれるたびに前立腺を直接弄られ、僅かに引き抜かれるたびに精液を滲ませる。壮絶な快感に涙を流しながら、神崎の目を見つめた。
「お願い、ケン。抜いて……」
 神崎はレイに口付ける。
「良くできました」
 子供を褒めるような甘い声。それに緩く解けたレイの笑みが、一瞬にして歪む。
「っあ、ひ、っあぁあああ……!!」
 涙を流して喘ぎ叫ぶレイを見つめる神崎の右手には、引き抜かれた極細の棒。そこに付いた精液を辿ると、神崎の左手が、とろとろと吐精し続けるレイのペニスを支えていた。
「……こんなものを入れてたのか。よく頑張ったな」
 神崎は器具を横に置き、腰に当てていたクッションを退けると、レイを正面から抱きしめる。優しく髪を梳き背中を撫でる神崎を、レイが濡れた目で見つめた。
「手、汚してしまってごめん。……怒って、ない?」
 レイの頼りなく揺れる瞳に、神崎は怒るわけがないと笑う。額に頬に、瞼に。甘やかすように何度も口付けると、レイはやっと笑った。
「これ、痛くないのか?なんて言うか、かなり……キツそうだが」
 その棒は、思ったよりは柔らかい。それでも、細いから大丈夫だ、神崎のペニスに入れろと言われたら……そう考えた神崎が、恐怖でふるりと身体を震わせた。
「正直に言うと、変に揺れる方が痛いんだ。だから、貞操帯で固定されてしまえば……きもち、いいくらいで」
 最後は聞こえるかどうかの声量で答えたレイが、神崎の胸元に擦り寄って隠れた。そんなレイをあやしながら、そうか、と頷く。
「そこも性感帯だと言ってたな、……まあ、痛くないのなら良かった」
 微かに苦笑じみた声で囁くと、神崎はレイの頭頂部に口付けを落とした。

「レイ。後ろを向いて、ここに四つん這いになれるか?」
 手に付いたレイの精液を拭きながら告げられ、レイの頬に赤が走る。神崎に背中を向けながら手を付いて振り返ると、神崎が臀部を覆う腰布を捲った。
「もっと脚を開いて。舞台で俺に見せた時みたいに、ここに何を入れているのか見せて」
 するりと臀部を撫でられ、レイが甘い息を吐く。腰を高く上げ、上半身はベッドに付けて肩で支える。震える両手をそこに添え、ぐいっと左右に開けば、ディルドが埋まる後孔が神崎の目の前に晒された。
 淫らに反らされた腰のライン、誘うようにひくつく後孔。神崎はそこに押し入ってしまいたい気持ちをぐっと抑えた。
「っ、へぇ。宝石みたいで綺麗だな」
 神崎がそれをつつくと、レイが面白いほど跳ねる。股越しに見えるペニスは、重力など関係ないほど反り立っていた。
 ――間違いなく男、なのに。
 これまで抱いてきた女性の誰よりも強く、欲を煽られる。羞恥に染まる顔も、滑らかな白い肌も、早く触れろと誘う後孔も。
 試しにディルドを軽く引っ張った瞬間、触れてもいないレイのペニスから、精液が僅かに零れ落ちる。
「こんなに感じるのか。敏感なんだな」
 神崎の動きに釣られて喘ぐレイが、緩みそうになる手に力を込める。ますます開かれた後孔から、神崎はゆっくりディルドを引き抜いていく。
「っあ、は、ケン、きつい……っあぁ、早く……っ」
 腰をゆらめかせてねだるレイに、神崎の悪戯心がふつふつと湧いてきた。
 引き抜く寸前で根元まで差し込むと、レイが海老反りになって喘ぐ。ペニスから精液が吹き出し、シーツを濡らしていく。
「っや、あ、ケン、ケン……っ!」
 緩く抜き差ししてやると、面白いほど身体が跳ねる。気まぐれに角度を変えたとき、それが前立腺を抉った。
「ひぁ、あ、ぁあああ……っ」
 涙を散らし、腰を震わせる。強ばる指先は従順に神崎に後孔を晒し、ペニスからは透明な潮が出る。
「潮まで吹いて……可愛いな」
 思わず零れた呟きに、レイが小さく跳ねる。神崎は、今度は素直にディルドを引き抜いていく。やがて、こぽりと音を立てて抜けたディルドは、抜けないように根元が括れているものの、小ぶりながらペニスの形をしていた。

「っは、ぁ、……っ」
 快楽に息を乱すレイはまだ、今は空っぽになった後孔を開いて晒したまま。神崎は臀部から手を離させ、ゆっくり身体を横たえてやる。
「ケ、ン……酷い、よ」
 神崎に頬を撫でられて、レイは軽く睨みながら神崎を罵る。軽く謝りながら額に口付けられて、真っ赤になったレイはそれ以上何も言えなくなった。
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