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第五節 The Towards Shining Take
第162話 Decisive Endanger Ⅲ
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「全くどうなっているのよッ!もうッ!」
「……斬られてもあの不気味な笑顔でこっちを見てるだけなんて、どんだけドMなの?」
ぷるるる
「マム何の用?今アタシは凄っごく忙しいのッ!だから闘ってる最中に通話してこないで貰えるかしら?」
「戦闘中だって?!アンタ、一体どこで何と闘ってるんだいッ!?」
「だーかーらー今、アタシは「ソレ」と闘り合ってて大変なのッ!話してる余裕すら無いんだから、とっとと要件だけ言ってッ!!」
「じゃないと、アタシ死んじゃうわよ?」
「あたしゃアンタがどこで闘ってるか知らないが、こっちもそれどころじゃないんだよッ!地上は今、大変な事になっているんだッ。アンタが今、「ソレ」と闘り合ってるって言うんなら、そっちで地上を何とか出来ないのかい?」
「えっ?今何て?それって、どういうコト?」
「——あっ!?しまっ!ガードをっ!えっなにこれ、デブリじゃない……。フェ……イク?」
ぎゅん
「やああああああ、がががががががあぁぁぁあぁぁ」
「あ、マズったねぇ、こりゃ」
「ま、まぁ、そしたらそっちはそっちで頑張っておくれよ」
つーつーつー
「ソレ」はデブリだけで攻撃していれば、いずれ慣れると考えていた。
だから、デブリに紛れてデブリに似せた精神汚染も混ぜていた。それはアストラル体の天敵とも言えるモノだから、ガードされようとも触れてさえしまえば勝機しかない。
拠って少女は「ソレ」からの攻撃をまともに受けてしまったのである。結果、少女は声にならない声を上げ、その精神は捕食者に冒されていく。
「ここはどこかしら?アタシはまた死んだってワケじゃなさそうだけど……」
「だってだって、以前と状況が全然違うもの。身体は動くし……ッ!?そうかッ!?」
少女は暗闇の世界に閉じ込められていた。「ソレ」からの攻撃に因って、少女の精神は冒され捕食者が創った監獄に囚われていた。
そしてそれが、アストラル体になってしまった少女の弱点だった。
「いい線いってたと思ったんだけどな。結局、どうすれば倒せるのかしら?ってかその前に、どうやってここから抜け出せばいいんだろう?」
「ヒヒヒ。やっと、堕ちたな。これから先は俺がキサマを喰うターンだッ!ぐふふ」
「なっ?!くぅ、離せ!後ろからなんて卑怯よッ!」
しゅるしゅる
ぬちゃぬちゃ
ぐちょぐちょ
「えっ!?う、嘘でしょ?イヤ、やめて!アタシの内に入ってこないでッ!だ、だめッ、ダメっ。イヤッいやあぁぁぁぁぁぁッ」
ぐちゃぐちゃ
ねちょねちょ
くちゃくちゃ
「ぐふふははははッ、これは美味ッ!これは美味いッ!これ程の美味であったとわッ。ぐふふふ。ワイにかつて「敗北」を与えた、このワイを押し留めた力がこれ程までに美味だったとはな。にひひひひ」
「ぬふふふふ。どれどれ、他の部位はどうかな?一片も残さず喰ろうてやるから、ほらほら曝け出せ。ぐふふふふ」
「や、やめれぇ。アタシを犯さないれぇ。食べらいれぇ。頭があたまが、おかしくなるぅ。らめぇらめなのぉ」
少女は後ろから近付いてきた「ソレ」の気配を察知出来なかった。「ソレ」は少女を後ろから羽交い締めにすると、蛭のように顎の触手で少女に吸い付いていく。
そしてその触手は、少女に吸い付くばかりか身体の穴という穴から体内へと侵入っていった。触手は耳に鼻に口に、股にお尻にと吸い付き犯していく。
少女は抵抗も出来ず、為すが儘に「ソレ」から嬲られ凌辱され蹂躙されていった。そして「ソレ」は絶世の美味とも言える、少女の全てに酔いしれていたのだった。
「ぬふふふふ。美味い美味い美味い!美味美味美味!ほら、もっと喰わせろ!もっとだもっとだ!腕も脚も胸も頭も脳髄も全て喰ろうてやる。ほら、もっと喘げ嫌がれ、もっと恐怖しろ。ワイにもっと美味を寄越せぇぇぇぇぇッ!」
「ホントにゲスね。見てて吐き気がするわ……。アタシはアタシの初めてをアンタにあげる気なんて、さらさら無いのよ」
ずっぷぷぷ……ぷしゅ……ばッ
「ぬあんだとッ……何故?何故?何故?ワイのエサがそこにいる?ワイは今まで何を食していたのだ?」
「残念ね。それはアタシを象ったマナの塊よ。ちょっとだけアタシのエッセンスを足しておいてあげたけどねッ。じゃあ、あとはそのまま死んでもらえるかしら?」
少女を貪り喰う「ソレ」の背後にいたのは少女だった。そして少女は冷ややかな目をしたまま、「ソレ」に対して大剣を突き刺していく。
ゆっくりとゆっくりと時間を掛けて貫いていく。魂すらも凍らせそうな程に、冷たい視線を向けたまま穿いていく。
自分を美味しそうに食べている「ソレ」が、少しでも長く苦しめるように……。
「はッ!な、なんとか、帰って来られた……わね。イチかバチかだったけど、あれで正真正銘ダメージは与えられたハズよ」
「そ、それにしても、写し身ってばあんなに乱れるなんて思ってなかったから、ソワソワしちゃったじゃない!金輪際あんな姿見るのはご免だわッ!アタシはあんなにはしたなくなんかないんだからッ!!ふんすっ」
「とは言っても、さっきのマムからの通話でだいぶカラクリが見えてきたからこれ以上時間は掛けられないわね」
少女はマムが「地上が大変なコトになっている」と言っていた事が、解答を見付けるきっかけになっていた。
それの問いはモチロンのコト、「いくら斬っても即時回復するのは何故なのか?」だ。
拠ってちまちまと時間をかけて、様子見していた自分に対して腹を立てながら次の一手の準備をしていった。
「回復する暇も作らせてやらない。だからッ!この一撃で完全に塵も残さずに消滅させてあげるッ!」
一方で「ソレ」は苦しんでいた。少女から穿かれた身体が本体だったからだ。
拠って惑星の直上に存在している「ソレ」は、分身体と言える。
地上にある膨大なエサから、エネルギーを吸い上げる為だけの装置として存在する分身体。吸い上げたエネルギーを自分の元へ運ぶだけの分身体。
拠って分身体が使える機能は少ない。
自らを守る機構とそこら辺のモノを投げるか、本体にエサを渡す為の精神汚染回路を繋げるかだけだ。
だから自分の思考も合わせてプログラムしてある。
何かが起こったら必ずそうなるようにだ。拠って全ては分身体任せなので本体はちゃんと隠してある。
誰にも見付からない場所に。
だが、どうにもおかしい。エサからは今も尚、エネルギーを分身体が吸い上げているハズなのに、刺し貫かれた傷が癒えないからだ。
「ぐぬぬ。一体、ワイの分身体に何が起きている?ぬぬぬぬ、これならば視覚共有もプログラムしておくべきだったか」
少女の力は臨界に達しようとしていた。少女は「ソレ」からの攻撃を躱しながら、内にある力を集めていた。
集められた力は、愛剣の中に全て注ぎ込まれていく。
「魔」と「神」の2つの相反する力は1つに混ざり合い、愛剣の造形すらをも変えていった。
愛剣は禍々しくも神々しい、それはそれは美しい白金色に輝く大剣として、変化を遂げる事になる。
少女は完成した大剣を自分の眼前に構えると、そのまま不敵に笑い続けている「ソレ」に向かって突撃していった。
「こおぉぉぉぉぉのおおぉぉぉぉぉッ!」
「くぅぅぅぅらぁぁぁぁぁえぇぇぇぇぇぇぇッ!」
ぎぃぃッぱぁんッ
ざんッ
「燼滅破竜ッ!」
じゅばばばばばばばばばばばばばッ
会心の一撃とも言える渾身の一撃は障壁をいとも容易く撃ち破り、「ソレ」の身体を真っ二つに斬り裂いていった。
そして更に半神半魔の力を吸い上げた「破竜の型」は、26本もの不可避の刃を放つに至る。
拠って縦横無尽に不可避の刃は斬り刻んでいく。
結果としてニタニタ笑っている「ソレ」の身体は、認識するのが困難になる程に粉微塵になっていった。
「獄焔魔境ッ!」
じゅッ
「ふぅ。これで終わったわね……。「ソレ」も完全に燃え尽きたし、復活もしてないわッ!虚無の禍殃と言ってもアタシの手に掛かればこんなモンよッ!!どうだッ、ぶいッV」
斬り刻まれ粉微塵になった「ソレ」の身体は、少女の魔術に因って完全に焼滅させられていった。
そして晴れて無事に終焉を迎えたと感じた少女は、ピースサインを眼下にある地球に向けていた。
だがこの時の少女は、未だ眼下の地球を覆い尽くしている「膜」が消えていない事に気が付いてはいなかった。
「……斬られてもあの不気味な笑顔でこっちを見てるだけなんて、どんだけドMなの?」
ぷるるる
「マム何の用?今アタシは凄っごく忙しいのッ!だから闘ってる最中に通話してこないで貰えるかしら?」
「戦闘中だって?!アンタ、一体どこで何と闘ってるんだいッ!?」
「だーかーらー今、アタシは「ソレ」と闘り合ってて大変なのッ!話してる余裕すら無いんだから、とっとと要件だけ言ってッ!!」
「じゃないと、アタシ死んじゃうわよ?」
「あたしゃアンタがどこで闘ってるか知らないが、こっちもそれどころじゃないんだよッ!地上は今、大変な事になっているんだッ。アンタが今、「ソレ」と闘り合ってるって言うんなら、そっちで地上を何とか出来ないのかい?」
「えっ?今何て?それって、どういうコト?」
「——あっ!?しまっ!ガードをっ!えっなにこれ、デブリじゃない……。フェ……イク?」
ぎゅん
「やああああああ、がががががががあぁぁぁあぁぁ」
「あ、マズったねぇ、こりゃ」
「ま、まぁ、そしたらそっちはそっちで頑張っておくれよ」
つーつーつー
「ソレ」はデブリだけで攻撃していれば、いずれ慣れると考えていた。
だから、デブリに紛れてデブリに似せた精神汚染も混ぜていた。それはアストラル体の天敵とも言えるモノだから、ガードされようとも触れてさえしまえば勝機しかない。
拠って少女は「ソレ」からの攻撃をまともに受けてしまったのである。結果、少女は声にならない声を上げ、その精神は捕食者に冒されていく。
「ここはどこかしら?アタシはまた死んだってワケじゃなさそうだけど……」
「だってだって、以前と状況が全然違うもの。身体は動くし……ッ!?そうかッ!?」
少女は暗闇の世界に閉じ込められていた。「ソレ」からの攻撃に因って、少女の精神は冒され捕食者が創った監獄に囚われていた。
そしてそれが、アストラル体になってしまった少女の弱点だった。
「いい線いってたと思ったんだけどな。結局、どうすれば倒せるのかしら?ってかその前に、どうやってここから抜け出せばいいんだろう?」
「ヒヒヒ。やっと、堕ちたな。これから先は俺がキサマを喰うターンだッ!ぐふふ」
「なっ?!くぅ、離せ!後ろからなんて卑怯よッ!」
しゅるしゅる
ぬちゃぬちゃ
ぐちょぐちょ
「えっ!?う、嘘でしょ?イヤ、やめて!アタシの内に入ってこないでッ!だ、だめッ、ダメっ。イヤッいやあぁぁぁぁぁぁッ」
ぐちゃぐちゃ
ねちょねちょ
くちゃくちゃ
「ぐふふははははッ、これは美味ッ!これは美味いッ!これ程の美味であったとわッ。ぐふふふ。ワイにかつて「敗北」を与えた、このワイを押し留めた力がこれ程までに美味だったとはな。にひひひひ」
「ぬふふふふ。どれどれ、他の部位はどうかな?一片も残さず喰ろうてやるから、ほらほら曝け出せ。ぐふふふふ」
「や、やめれぇ。アタシを犯さないれぇ。食べらいれぇ。頭があたまが、おかしくなるぅ。らめぇらめなのぉ」
少女は後ろから近付いてきた「ソレ」の気配を察知出来なかった。「ソレ」は少女を後ろから羽交い締めにすると、蛭のように顎の触手で少女に吸い付いていく。
そしてその触手は、少女に吸い付くばかりか身体の穴という穴から体内へと侵入っていった。触手は耳に鼻に口に、股にお尻にと吸い付き犯していく。
少女は抵抗も出来ず、為すが儘に「ソレ」から嬲られ凌辱され蹂躙されていった。そして「ソレ」は絶世の美味とも言える、少女の全てに酔いしれていたのだった。
「ぬふふふふ。美味い美味い美味い!美味美味美味!ほら、もっと喰わせろ!もっとだもっとだ!腕も脚も胸も頭も脳髄も全て喰ろうてやる。ほら、もっと喘げ嫌がれ、もっと恐怖しろ。ワイにもっと美味を寄越せぇぇぇぇぇッ!」
「ホントにゲスね。見てて吐き気がするわ……。アタシはアタシの初めてをアンタにあげる気なんて、さらさら無いのよ」
ずっぷぷぷ……ぷしゅ……ばッ
「ぬあんだとッ……何故?何故?何故?ワイのエサがそこにいる?ワイは今まで何を食していたのだ?」
「残念ね。それはアタシを象ったマナの塊よ。ちょっとだけアタシのエッセンスを足しておいてあげたけどねッ。じゃあ、あとはそのまま死んでもらえるかしら?」
少女を貪り喰う「ソレ」の背後にいたのは少女だった。そして少女は冷ややかな目をしたまま、「ソレ」に対して大剣を突き刺していく。
ゆっくりとゆっくりと時間を掛けて貫いていく。魂すらも凍らせそうな程に、冷たい視線を向けたまま穿いていく。
自分を美味しそうに食べている「ソレ」が、少しでも長く苦しめるように……。
「はッ!な、なんとか、帰って来られた……わね。イチかバチかだったけど、あれで正真正銘ダメージは与えられたハズよ」
「そ、それにしても、写し身ってばあんなに乱れるなんて思ってなかったから、ソワソワしちゃったじゃない!金輪際あんな姿見るのはご免だわッ!アタシはあんなにはしたなくなんかないんだからッ!!ふんすっ」
「とは言っても、さっきのマムからの通話でだいぶカラクリが見えてきたからこれ以上時間は掛けられないわね」
少女はマムが「地上が大変なコトになっている」と言っていた事が、解答を見付けるきっかけになっていた。
それの問いはモチロンのコト、「いくら斬っても即時回復するのは何故なのか?」だ。
拠ってちまちまと時間をかけて、様子見していた自分に対して腹を立てながら次の一手の準備をしていった。
「回復する暇も作らせてやらない。だからッ!この一撃で完全に塵も残さずに消滅させてあげるッ!」
一方で「ソレ」は苦しんでいた。少女から穿かれた身体が本体だったからだ。
拠って惑星の直上に存在している「ソレ」は、分身体と言える。
地上にある膨大なエサから、エネルギーを吸い上げる為だけの装置として存在する分身体。吸い上げたエネルギーを自分の元へ運ぶだけの分身体。
拠って分身体が使える機能は少ない。
自らを守る機構とそこら辺のモノを投げるか、本体にエサを渡す為の精神汚染回路を繋げるかだけだ。
だから自分の思考も合わせてプログラムしてある。
何かが起こったら必ずそうなるようにだ。拠って全ては分身体任せなので本体はちゃんと隠してある。
誰にも見付からない場所に。
だが、どうにもおかしい。エサからは今も尚、エネルギーを分身体が吸い上げているハズなのに、刺し貫かれた傷が癒えないからだ。
「ぐぬぬ。一体、ワイの分身体に何が起きている?ぬぬぬぬ、これならば視覚共有もプログラムしておくべきだったか」
少女の力は臨界に達しようとしていた。少女は「ソレ」からの攻撃を躱しながら、内にある力を集めていた。
集められた力は、愛剣の中に全て注ぎ込まれていく。
「魔」と「神」の2つの相反する力は1つに混ざり合い、愛剣の造形すらをも変えていった。
愛剣は禍々しくも神々しい、それはそれは美しい白金色に輝く大剣として、変化を遂げる事になる。
少女は完成した大剣を自分の眼前に構えると、そのまま不敵に笑い続けている「ソレ」に向かって突撃していった。
「こおぉぉぉぉぉのおおぉぉぉぉぉッ!」
「くぅぅぅぅらぁぁぁぁぁえぇぇぇぇぇぇぇッ!」
ぎぃぃッぱぁんッ
ざんッ
「燼滅破竜ッ!」
じゅばばばばばばばばばばばばばッ
会心の一撃とも言える渾身の一撃は障壁をいとも容易く撃ち破り、「ソレ」の身体を真っ二つに斬り裂いていった。
そして更に半神半魔の力を吸い上げた「破竜の型」は、26本もの不可避の刃を放つに至る。
拠って縦横無尽に不可避の刃は斬り刻んでいく。
結果としてニタニタ笑っている「ソレ」の身体は、認識するのが困難になる程に粉微塵になっていった。
「獄焔魔境ッ!」
じゅッ
「ふぅ。これで終わったわね……。「ソレ」も完全に燃え尽きたし、復活もしてないわッ!虚無の禍殃と言ってもアタシの手に掛かればこんなモンよッ!!どうだッ、ぶいッV」
斬り刻まれ粉微塵になった「ソレ」の身体は、少女の魔術に因って完全に焼滅させられていった。
そして晴れて無事に終焉を迎えたと感じた少女は、ピースサインを眼下にある地球に向けていた。
だがこの時の少女は、未だ眼下の地球を覆い尽くしている「膜」が消えていない事に気が付いてはいなかった。
応援ありがとうございます!
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