「残念だけど、諦めて?」

いちのにか

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残念だけど、諦めて。——かの魔法士の秘事②——

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 刻印を植え付けられた娘が、意識を戻したのは一刻ほど経った後。目を瞬かせながらも未だ微睡んでいる彼女の髪をそっと撫でつけたセテンスは柔らかく語りかける。

「リセ、私はとても寂しかった」

 しわがれた声に白い背がひく、と動いた。男の声は、きちんと届いているらしい。それを見てとった男は穏やかな表情で語り続けた。

「全然戻らないから、きっともう、見捨てられてしまったのかと思ったんだ。……君からの好意を受け取らず、剰え背を向けた私など。見捨てられて当然だと」
「そ、そんなこと」

 重ねられた言葉に今度こそ覚醒したらしい娘は、慌てて上体を起こす。先程男を受け入れたばかりの身体はまだ本調子ではないだろうに。そんな彼女を安心させるようにセテンスはゆったりとその背を撫で上げる。

「……っ」

 触れそうでいて柔らかく皮膚を滑るような軽い撫で付けは彼女の中に妖しい感覚を呼び戻す。途端に頰を染め上げ何かを堪えるように唇を噛み締めた彼女に、セテンスは尚も言葉を続けた。

「無論、君がそんな無体なことをするはずがないと思った。けれど、」

 不意に言葉を打ち切る。顔を上げた娘に小さく微笑みかけたセテンスは耳元でこそりと呟いた。

「あの老夫婦と君はひどく楽しげで子どものようにあどけなく微笑んでいたね?」
「? そ、それはどう」

 なんて無垢な娘。自らが視られていたことなど知らず、セテンスのことなど欠片も疑っていないのだろう。そして、これから施されることなど考えも及ばないに違いない。

——あぁ、なんて愚かで、愛おしい。


「こうして想いを受け入れてもらえただけでも幸運なのに。君は何故、と思うのだろうね。なんて身勝手なのだと、早々に愛想をつかれてしまうかもしれない」

 切なげな表情が歪められ、口の端のみを持ち上げた彼は冷たく微笑んだ。

「……しかし、自分で思うよりももっと、ずっと、私は我儘らしい」

 言葉を打ち切った彼は、指先で彼女の頬を撫でた。すぐにその指も離れていってしまう。名残惜しそうにその指を見つめる娘に気がついているだろうに、男は優しく微笑み、再度口を開いた。

「手を離したのは私なのに、君が他の男と共にいるのを見ただけで、ああして我を無くしてしまう。不安が募って、君は、私だけのものだと、確認したくなる。情けないことに、ね」

 自嘲の笑みを浮かべた男は、だから、と彼女に視線を戻した。

「さあ、リセ、夜は長い。
 もう少しだけ、付き合ってはくれまいか」

 自らに差し出された手は、やはり透けるように白かった。アンリセラは、闇に魅入られたように無意識に己の掌を重ねた。

 それが自分の意思によるものかどうか。
 彼女が確認する術など、既に存在しない。






 ゆるりと後方に倒された彼女は、まるで今から捕食されるかのような錯覚を覚える。胸の中、少しの恐怖と少しの期待が渦巻いていた。彼女を見下ろす男の色素の薄い瞳はどこまでも穏やかに凪いでいるのに、もう決して逃れることなどできない、と直感で理解させられる。

「リセ、あの卑劣な男に身体を触れられたのは初めてではないね。……無論、責めているわけではない。可哀想に。ひどく怖い思いをしたんだろう?」

 既に生まれたままの姿であるアンリセラの秘部を眺める。
 以前、「セテンスに嫌われないように」と彼女が晒したのは本来秘するべき場所だった。それを投げ打った彼女が当時感じた恐怖はどれほどのものだったろう。刻印の影響か、それとも先程までの情事の名残か。既にしとどに湿っているそこは、男の舐めるような視線だけで快感を生むようだった。

 名残惜しい気持ちを抑え、顔を上げた男は彼女の胸の頂に指を伸ばす。小ぶりであるが形の良い胸は男の手に吸い付くように馴染んだ。少しだけ汗で湿ったそこからはトクトクと彼女の鼓動が感じ取れた。少しだけ早い鼓動は、彼女が彼の目の前で生を繋いでいる証である。指に伝わるその響きを心底愛しく思いながら口を開く。

「この胸、可愛らしいこの胸は何人の男を誘ったんだろう?ここは?あの下劣な男に愛られた?」
「そこは一回も、ぁぁっ」

 きゅ、と蕾を握り込まれ、アンリセラは急な刺激に腰を跳ねさせた。

「知ってる。ここからは臭わない。あぁ、可哀想に。
 この、可愛らしい薄桃色の乳輪も」
 にゅく♡ つつつ♡
「ふ、っぁ、♡」

「ピンと張っているこの乳首にゅうしゅも。
 誰にも愛でてもらえなかったんだね」
「ひ、ぁ♡ ぁ、ぁ、ぁあ♡」


「たくさんたくさん愛てあげなくてはね」

 きゅっ♡ きゅっ♡ きゅうぅぅ♡
「あぁあ♡ それ、へんっ♡♡ びりびり、しちゃ、♡ 」

「こうやってたくさん撫で上げたり、摘んだり……、そうだな、舐め上げたり、ふふ、歯を当てたりしたら?」

 小さな耳から吹き込まれた低い声は、鼓膜を通して身体全体全体に響き渡り、彼女の脳内までも犯した。

「赤子にされるように、ちゅうちゅう♡って吸い上げて、そのあとガリって噛んでしまったら?……痛いって泣いてしまうのかな?」
「そんなこと、……な、っ♡」
「それとも、……たくさん虐められて、子猫のように愛らしい鳴き声を聞かせてくれる?」

 ぢゅちゅちゅ♡ れろろ♡ ちぅ♡ ……カリッ♡♡♡
「ふぁあぁっ♡ へんなの、きた、きちゃう♡ ぁ♡♡♡」

 ヒクククッ♡
 大きく身体を弓形に反らし達した彼女の頭を後は優しく撫で上げた。

「胸への刺激と言葉だけで甘イキできたね?リセは利口だ。……でも、」

 不意に声が低くなり、アンリセラは身を震わせる。
「……っ、」
「ちゃんとイくって言えなかったのは、良くない、な」
「ご、ごめんなさ、っ、」

 彼女が顔色を無くした時には、既に手遅れだった。
 彼にしては粗雑に腰を抱えられ、勢いよく剛直を突き入れられる。

ずちぅぅぅぅっ♡♡♡
「ぁあぁーーーっ♡♡♡」

 まるで謀られたかのように、弱いところを強く擦り上げられたアンリセラはあっけなく達してしまう。

 ぷしっ♡ぷししっ♡
「あぁ、また。報告が抜けてしまったな」
「♡♡♡」

 虚な目をして気をやりかけた娘が許されることなどなかった。容赦のない甘い責め苦に立て続けに翻弄される。

「リセ、ちゃんと伝えたはずだ。こうして気をやる時は、きちんと報告するように、と」

 ごちぅぅうっ♡ ずんっ♡ ずんっ♡ 
「ぁ゛っ♡ は、っ♡ いま、ら、めぇ♡ ひぁあっ♡」

「もしかして、もっとお仕置きしてほしいから?わざと?」
「ちがぁ♡ やめっ♡ ごめなさぁぁっ♡ぁっ♡ぁっ♡ぁっ♡ そこぉっ、ちゅこちゅこってするの、だめぇぇ♡♡♡」

「リセは言われたこと、すぐに忘れてしまう悪い子なのか?」
「ごめ、さぁ♡♡ ちがっ、ぁあぁっ♡」

「じゃあ、こうやって、浅いところほじられて、散々焦らされた後で、こうやって奥、ずん♡ってされたら何て言うんだ?」
「ひ、ぁあぁぁ♡♡♡ イくの、きたぁっ、イきましぅ♡セテンス様ぁ♡♡ ぁっ、らめぇっ♡♡♡ィっちゃぁぁぁ♡ーーーっ♡♡♡ 」

 幾度も宙に浮かされるような感覚に、アンリセラは悲鳴を上げた。自制の効かない自らの身体は、まるで全身が性感帯になってしまったような錯覚すら覚える。ひたすらに快楽を追い求める浅ましい身体。今となっては、拒絶の言葉を呟きながらも、自ら腰を押し当てていることにすら気がつかない。

「ィったからぁっ♡ ちゃんと、いきま、ひたぁぁっ」
「信用できない、な」
「ぉ゛っ♡♡♡ イっ、ぁあぁぁぁ♡♡♡ ーーーーっ!!!」

 涙と汗とそして飲み込みきれなかった唾液が口から漏れ出る。余裕などない。そのはずなのに熱に浮かされて頭の隅では、どこまで醜い自分を見せようが、セテンスであれば受け入れてくれる気がした。

「ゆ、ひてくらさ、♡ もう、やぁっ♡おかしくな、ぅ♡♡」

 何度目かの拒絶に、セテンスはふ、と微笑んだ。
「ふふ、もっと、イこうか。リセが、おかしくなってしまうと、とても嬉しい」
「っ、♡」

 薄い唇を持ち上げたセテンスが見せた無防備な笑みに、アンリセラは息を詰める。

——まるで、この、が、一番に愛されているかのような。

 そんな浅ましい錯覚が胸の中で弾けて消える。

 そんなわけない。でも、そうだったら嬉しい。
 好き、大好き。だめ、もっと好きになる。

 きゅぅう、と中がヒクついた。
「~~ッ♡ それ、ずる、ぃっ♡」

 動揺が口をついた。慌てて唇を噛み締める。
 酷く醜い気持ちまでも漏れ出しそうになったためだ。

 この人の子どもが欲しい。そんなことまで考えてしまった。
 決して口になどできない。出来るはずなどない。こんな一時の思いつきを口にして、もし彼が頷いてしまったら、

 

 

 

 あまりの快楽に我を失い余計なことを口走る前に、なんとか逃げだそうとしたアンリセラは、抵抗虚しくその腰を掴まれ引き戻された。絶望する彼女に、地の底を這うような低い声が落とされる。

「また、私から逃げるの?」
 ごぢゅうぅう♡
「あ、ぁあぁあっ♡ ーーーっ♡」
「リセ、ちゃんと私を受け入れてくれないとダメだろう?もう、私専用になったのだから」
「ぁ、ぁ、ぁ、イ♡ っまたぁっ♡ ーーーっ、イっちゃ♡♡♡」
 ぷしっ♡ ぷしゃぁっ♡

 男に突き上げれる度に後から後から漏れ出る愛液は、まるで粗相のそれであった。すぐに快楽に支配され目を蕩けさせる娘を眺め、セテンスは口の端を持ち上げる。

「リセはこうやって叱られるのがイイのか」
「悪い子。叱られてお漏らししちゃうなんて、ほんとに悪い子だ」
「リーセ、ほら尻を上げて。じゃないと、こうやって、」
 ずんっっっ♡♡♡
「ひぁあぁあーーーっ♡♡♡」

 ぬぢぢぢ♡ ぬぢゅぅ♡

「奥まで一息に築き上げられな、い」

 ずんっ♡♡♡

「っ!ーーー♡」

 掠れた声が辺りに響き渡り、ヒクヒクとナカが収縮を始める。そろそろ終わりが近いことを察した男はアンリセラの耳元に形の良い唇を寄せた。優しく優しく語りかける。

「ほら、きゅんきゅん♡て、膣が震えてる。リセ、こういう時、何ていうんだ?」
「ーーーっ♡♡♡ 」
「ほら、ちゃんと」
「ぁ、あぁあーーっ♡♡ い、今ぁ、イ、っ、きま、しぅ♡♡♡」
「なぜ?」
「せて、すしゃ、ぁに、ずん、ずんって、奥まで、虐められて、奥がせつ、なぁっ♡♡ く、てぇっ、」

 可愛らしい唇が、淫猥な言葉を漏らす様は、男をひどく興奮させた。

「ちゃんと、教えて」

 もっともっと、と虐めたくなる。彼女を急かすように決定打に届かないような浅い位置をぐちょぐちょとかき回した。

「やらぁ、浅いのら、めぇっ♡ う、っ♡ もっと、ちゃんと……っ、」
「良い子のリセはおねだり、しっかりできるかな」

「……っ♡ たくしゃん、お漏らししたいで、ぅ!セテンス様の、おちんちんで、奥ゴシゴシされてっ、おしお、たくさぁ♡ ン ♡♡♡ お漏らしっ♡ させてくださいぃっ」
「あぁ、ちゃんと、言えたな」
 満足そうに頭を撫でられたアンリセラは甘えながらその腰を押しつける。ドロドロに溶けた表情が、悩ましい腰つきが、全体でセテンスを求めていた。

「リセ、ご褒美だ。たくさん漏らすといい」
「ぁ゛っ♡ しょ、ん、なの、っ♡ すぼ、ずぼ、♡ ひゃぁらあぁあっ♡♡♡」

 律動を早めたセテンスから待ち望んでいた刺激以上の凶悪な快楽を与えられ、アンリセラは目を見開く。まるでモノのようにピストンされている、のに。

「ぁっ♡ ……っ、やぁぁっ、見な、でぇっ♡♡♡ひぁあぁっイ、ましゆぅうぅう!♡♡♡ っーーーーっ♡♡♡」

 ぷししっしょぁあぁあぁ♡♡♡
「っ♡♡♡」

 咽び泣きながら快楽に乱れる娘を眺め、セテンスは歓喜に打ち震えた。

 ようやっと。
 唯一が自分のものになったことを実感したのだ。

 あとは、心身共に全てを喰らい尽くすのみだ。狂気を孕んだ瞳は、自らが組み敷いた娘に向けられ——

 瞬く間に蒸散した。

 ひぅ、ひぅというか細い呼吸音をさせた娘は、ぐったりと寝台に身を預けていた。肩で呼吸をするのがやっとという状態に加え、度重なる責め苦は明らかに彼女の身体を消耗させているはずだ。この調子では明日だけでなく、それ以降数日ほどは寝台から起き上がることさえ不可能であろう。自らの状態など把握してすらいないのだろう。大腿を痙攣させた彼女は、それでも欲に濡れた目を向け続ける。

「セテ、スさぁ♡ もっと、リセに、下さい♡」

 甘くとろけた声に視線を合わせると、完全に気をやった彼女の笑みに迎えられた。

「ぁぁ。望み通りに」
 これ以上したら、壊してしまうのは確実だった。ほんの少しだけ口惜しさを感じつつ、彼は一つ瞬きをする。瞬間、淫紋の効果が蒸散する。脱力した娘を抱きとめたセテンスは小さな頭にそっと口付けた。欲を解放しきれなかった無念さは残るが、腹の中は幸福で満たされていた。

 あぁ、なんて。浅ましい血なのだろう。
 幼少期から彼を苦しめるそれは、時に。こうして、彼を歓喜させる多くの可能性を秘めた呪いでもあるのだ。

 欲に支配された彼が狂ってしまうのが先か、
 それとも幸せを噛み締めながら寿命を全う出来るのか。
 先のことなど分かりはしない。

 しかし。どのような未来が待ち受けていようと、ただ一つだけ変わらないことがある。

 彼と唯一アンリセラは共に在る。それが。
 それだけが、永遠に変わらない事実であった。



——リセ、この独占欲だけは。

 残念だけど、諦めてくれ。


 そう告げた男の声など、既に彼女には届かなかった。

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