「残念だけど、諦めて?」

いちのにか

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消えることのない呪縛

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◆ご注意ください◆
 義兄×義妹描写があります(最後までは致しません)!無理!って方はすっ飛ばしてください。次話の前書きに簡単なあらすじを記載しておきます。







 その日、デゼルに呼びつけられたアンリセラは兄の部屋の戸を叩いた。成績も良く身体の使い方も上手かったデゼルは、次の春に憲兵隊の見習いとして取り立てられることが決まっている。小さな田舎町に育った者としては快挙である。
 これから兄は寮付き憲兵学校に通いたくさんの訓練をこなすのだ。明日、旅立ちを迎える彼を盛大に送り出すべく、両親は隣町まで買い出しに出掛けたばかりだった。



 部屋に入ると、寝台に座ったデゼルがアンリセラを待ち構えていた。思えばこうして兄と話す機会もしばらくなくなってしまうな、そんなことを考えてしんみりするアンリセラに、デゼルはいつもと変わらない穏やかな調子で語りかける。

「アンリセラ、しばらくお別れだね。寂しくなるよ」
「私もです。兄さんはいつも鈍臭い私を助けてくれて……。立派な憲兵さんになれるよういつもお祈りしていますね」

 そう返したアンリセラはそっと未来へ思いを馳せる。空想上の未来の兄はピカピカのバッジをつけてカッコよく制服を着こなしている。うっとりとしたアンリセラの思考を打ち切ったのは、他ならぬ兄の声だった。

「アンは、僕がいなくなっても、あまり気落ちしないんだね」
「……え?」

 穏やかさが消えた不穏な声音に、アンリセラは顔を上げる。いつの間にか、すぐ近くにデゼルの姿があり驚きに身をすくませた。

 本来兄弟ではあり得ない距離の近さに、アンリセラは少しだけ違和感を覚える。ニコリともしない兄の表情に、小さかった違和感が急速に膨らみ、恐怖という感情になりかわった瞬間と、アンリセラの視界が反転するのはほぼ同時だった。

「っ」

 急に腰を引かれバランスを崩したアンリセラが倒れ込んだのは兄の寝台だった。いや、倒れ込まされた、と言っていい。愕然としたアンリセラの上にデゼルが乗り上げてくる。

 「……?」

アンリセラはガタガタと震え出す。まだ、何が起きているのか理解ができていない。先程まで穏やかに微笑んでいたはずの兄の姿はどこにもない。光のない瞳はドロリと濁り、口角は卑しく引き上げられていた。


「ずっと、ずっと。この時だけを待ってた。
 アンリセラ、あぁ、僕のアン、やっと。……嬉しいよ」


 そう言ったデゼルはアンリセラの首元に鼻をすり寄せてきた。ぞわり、と不快感が全身を襲う。恐怖と混乱の渦に叩き落とされたアンリセラは動けずに固まったままである。何とか言葉だけでも否を伝えようとして、震えながら唇を開いたその瞬間、

 れろり、と首筋を舐め上げられた。

「ッ」

 恐怖に喉が凍りつく。感じたことのない感覚。

 れろり、れろり、と首筋を這うそれはまるでアンリセラの頸動脈をなぞっているかのようで。生暖かい唾液を撫で付けながら這いずり回る舌はそっと下がっていく。ついには鎖骨まで降り立った。そうして、その、もっと下のささやかな膨らみへと
「にい、さん、……っそれ、嫌!……ダメです!」

 許されざる罪を犯そうとしている兄に気が付いたアンリセラはやっとのことで拒絶を表す。力の入らない手で兄の胸を押しながら、か細い悲鳴のような声で、否を唱えた、のに。

「……っ!?ひ、ア」

 突然鎖骨の出っ張りに歯を当てられ、あまりの痛みにアンリセラは悲鳴を上げた。恐怖と痛みでぶわりと涙が溢れ出す。顔を上げた兄は、アンリセラの顔を覗き込んだ。その表情は酷く愉しげだ。こんな表情など見たことない。卑しい笑みを浮かべた男は、アンリセラの鼻筋に自らの鼻をこすり合わせ、ニシャリと微笑む。

「アンリセラ、そんな我儘言ったら、お前のことになっちゃうよ?」

 呪いの言葉を吐いた。




「ふ、ぁ、…ん、……っくぅん、……っァ」



 それからは地獄のような時だった。呪いの言葉はいとも容易くアンリセラの身体と心を縛り付け、何を言うことも、身体で拒絶を示すことさえ出来なくなった。



 彼女ができることと言えば、唇を噛み締め、与えられる刺激に必死に耐えることのみだった。ボロボロと涙をこぼし、小さく作った拳を固く握り締め、身体を震わせて耐える。嫌われたくない一心で、ささやかな膨らみの頂を吸われようが、白い尻を撫で上げられようが、アンリセラは耐えに耐えた。絶え間なく与えられる刺激は不快でしかなく、何度せり上がる嘔吐感を噛み殺したろうか。

 舐められ、吸われ、しゃぶられ、撫で上げられたアンリセラは、余分な音を出さないよう、唇を噛み締めながら一刻も早く両親が戻ってくることだけを願い続け----

「……っ!? イっ、ぁあぁ」

られなかった。唐突に兄の指が彼女の淫芽を掠ったその一瞬で彼女の身体に異変が起きた。

「あぁ、アン!なんでかわいい声を上げるんだ!そんなに気持ちがよかったんだね?ここは女の人が喜ぶところなんだって」

 粘ついた声をかける兄への意識はもはやない。訳のわからない衝撃が彼女を襲っていた。アンリセラが上げた嬌声に気を良くしたデゼルはそっと彼女の恥部に自らの顔を落とした。

「や、やめっ、汚ぁ……っ!」

 訳もわからないまま必死で暴れ始めたアンリセラを他所に兄は恍惚とした表情を浮かべる。本来秘されるべきそこに、ふうと生温い息を吹きかけ、「っ!」大きく腰をびくつかせるアンリセラに笑いを噛み殺す。

「アンはどこも汚くないよ?ほら、早く股を開いて?アンリセラのココを舐めさせてくれないとキライになっちゃうよ?」

「ひ、アっ……っいやっやぁあ!にいさん!やめて!」

 にゅちにゅち♡と淫芽を、戯れに擦り上げられ、兄の言葉を耳に入れる余裕すら無くしたアンリセラは出来得る限りの力で太腿を閉じたまま、使い狂ったように暴れ始める。



 一瞬の間が開きそろそろと兄の手が離れていく。
 束の間の安寧を手に入れたアンリセラがほっと体の力を抜くのと、兄が深いため息を吐くのはほぼ同時だった。

「はあーーーー、」

これ見よがしに吐かれたため息は、ひどく長く、彼女の身体を硬直させる。

「ねえ?アン、」
 顔を上げた兄は鋭い眼光で彼女を睨みつけた。

「いいの?嫌いに、なっちゃうよ?」
「嫌われたらアンは幸せになれないよ?」
「みんなから嫌われてまた泣いちゃうんだよ?」

 哀れにもしゃくり上げるアンリセラに、しかしデゼルの責め立てる姿勢は決してブレることはなかった。

「本当に嫌です。なんだかわからないの……怖いのが来るから、いや……兄さん、ごめんなさい、……ゆるして……」

 恐怖に濡れた瞳で必死に許しを乞うアンリセラを見て溜飲を下げた形のデゼルは、視線を下げた。
 もう一度今度は軽くため息をついて、

「だめ、許さない」

 にゅぢちぃ♡ 

 臀部から回し入れた指でアンリセラのそこをつまみ上げた。
 星が飛ぶような刺激にアンリセラは悲鳴を上げた。

「ッ!!ぁあぁあぁ!」
「アンリセラ、僕は悲しいよ。ずーっと、ずーっと伝えてきたつもりなのに」

 にゅち♡ ちゅくちゅくちゅく♡

「ぃあぁっ、しゃわ、ないでぇっ、」

「その人が嫌がることをしたら嫌われるっていうのは当たり前のことだよね」
 きゅっ♡きゅっ♡きゅっ♡
「ぁ、ぁーーっ、やぁあぁっ、ぁあぁっ」
「ね、アン?僕はアンのこと嫌いになりたくないんだ。
それに、みんなに嫌われるような子になってほしくないんだよ」

 一頻り彼女の淫芽を弄んだデゼルはアンリセラを見下ろす。

「ふ、ぅっふぅぅうっ」
 咽び泣くような声を堪えきれないアンリセラに向けられた視線は冷え切っていた。



「わかったら、どうするのかな?」



 無情な一声を投げられたアンリセラに残された選択肢など一つきりだった。気を失いそうな羞恥心と恐怖を感じぶるぶると震えながら彼女はゆっくりと太腿を開いていく。
普段から体の線を隠す服を好む彼女の脚は、陽の光に晒される機会などほぼ無く、透けるような白さを放っていた。
こくり、と兄が喉を鳴らし、舐めつけるような視線を送る。

「そうそう、そうやって、ちゃーんと見えるように」

 下着は既に取り払われており、その全てを兄に晒す形だ。

 怖くて、悲しくて、苦しくて。

 でも、彼女はそうしなければいけなかった。


 ひきつけのように浅い呼吸を繰り返し、嗚咽を堪えながら、ようやっとアンリセラが、秘部を晒し終える。彼女の頭をそっと撫で上げているのは今や、悪魔であった。血走った目からは酷く興奮しているのが見てとれる。

「アンはいい子だね、頑張った子にはご褒美あげなきゃね」

卑しい微笑みをたたえた男はそう声をかけるや否や、待ちきれないといった様子で彼女の秘部に顔を落とした。ぎゅ、と目を瞑ったアンリセラを襲ったのは信じられないほどの刺激だった。

じゅ、ぢゅ、じゅるるるる♡

「!っふぅぁ、ひっぁ、やらやらやらっらめぇぇっ」

 生温い息が、本来ありえない位置に吹きかけられ、たと思った瞬間、湿った舌がアンリセラの無防備な部分を蹂躙していく。

「ごめんなさい、ごめんなさぃぃいっ、許してくださぃっいやぁっ、にぃ、さっ……ッヒぁっ、ぁあぁぁーーーっ!!」

 まるでアンリセラの耳をも犯すかのようにはしたない水音を部屋に響き渡らせた兄は、時間をかけて丁寧にアンリセラの秘部を愛撫した。何度も泣き喚き、それでもその姿勢を維持する健気な義妹に兄は満足げに告げた。

「恥ずかしいことを我慢して、可愛い泣き声を聞かせてくれる聞き分けの良いアンが大好きだよ」

 もはや翻弄されきったアンリセラにそんな言葉など届いていない。加えて、兄は決してその欲を解放させてくれるわけではなかった。中途半端に与えられる生温い快楽にアンリセラは身を捩らせつづけた。




 悍ましい時間は両親の帰宅を知らせる気配によって終わりを告げた。アンリセラにとって、唯一の救いは純潔を守れたことのみに尽きる。その後、兄はすぐにいつも通りの穏やかな笑みを戻した。「残念だけど、ここまでで終わりだね」そう呟くと、ぼんやりとするアンリセラの服を整え、額に軽いリップキスを落とし、部屋を出ていった。

 その日の夜も何事もなかったかのように振る舞った兄は翌日に家を出た。父母にハグをした兄は、順番のように両手を広げアンリセラを待った。おずおずと応じたアンリセラの引き寄せたデゼルは、その耳元に更なる呪縛を吹き込む。

は僕が戻ってからね。ちゃーんと僕を待ってるんだよ?アンを嫌いになりたくないんだ」

そんな呪縛を落とした兄は、硬直した義妹を残し、父母に惜しまれながら家を後にした。




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