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生理的な嫌悪感には勝てん

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 穏便に済ませて、解散したらすぐに相談所に継続不可の連絡をしよう、そう考えていたその時。

 目を逸らす私に感じるものがあったのか、ソノダさんは

「食べないんなら貰いますね」

と私の皿のテリーヌに勝手にフォークを突き立てた。

「えっ」

 ひょいパク、ひょいパク、そして合間にクッチャクッチャ。

 鈍く光るフォークの動きを目で追って、しかし音を発する口は視界に入れられず。

 あわあわと戸惑っているうちに、私の前菜の皿はあっという間に空になった。


「ふー…まだまだ足りませんね。次が楽しみです」

「…ははは…」

 同意もしてないのに人の皿に手を出すとは何事か。

 私は同性の友人とも料理のシェアはしないタイプで、食事会ではいつもそれぞれに食べたい物を頼んで楽しんでいる。

 どれにしようかメニューを睨んで固まった時などは気を利かせておかずを交換したりもするが、もちろん平等に分けている。

 一方が多く食べるなんてことは絶対にしないし、大勢で分ける前提の居酒屋などでも満遍なく行き渡るよう気を回している。

「(友達とは割り勘だから分けて当たり前……あ、もしかして奢ってくれるのかな)」

 そうか、もしソノダさんが食事代を出してくれるのなら多めに食べてもギリ許せる。

 それならサービス料くらいに思って寄付しても良いかな、本当は迷惑料を貰いたいくらいなのだけど。
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