あなたでお腹いっぱいです…能面イケメンは私のコレがお好きみたい

エピローグ…君のお口が大好きだ

71（最終話）＊

　細い肩を掴む手に力が篭る。

　どこまですれば彼女は嫌がるのか試したい、けれど嫌われたくない。

　俺の顔から笑みが消えれば美羽ちゃんは振動の中で俺の手首をぎゅっと握り、「ちょーだい」と舌舐めずりした。

「…ひ、ひひッ…うらッ♡美羽ァ♡」

「ひゃんッ♡ましゃき、しゃ、あ、あ、」

「出る、美羽、ごっくんな、下の、お口ッ…あ、飲めッ！美羽ァ‼︎」

「ひゃいッ」

　親指は鎖骨をぐいぐい押して美羽ちゃんの顔が苦痛に歪む、いかんとすぐ離して顔を見られぬよう倒れ込む。

　そして口付けてへこへこ腰を振って数秒、その時が来た。


「イぐ、ん、んーッッッ♡」

「あ、あ♡」


　まるで全身が彼女の中に取り込まれるような感覚がした。

　欲望や虚栄心や小さなプライドなんかが全部全部出て行って彼女が呑み込んでくれたような…そんな気がした。

「あ、出、てる、美羽、分かる？出てるッ♡」

「わ、がんな、ぁ、」

「ん、んー……あ、あー……ぬるっぬるだ、すげぇ…」

「ふぁい…」

「全部、こぼさないで、美羽ちゃん、」

「無理ですって…うわ、どろって出たぁ…」

　ぐしゃぐしゃになったシーツの上に俺の子種がとろんと垂れる。

　達成感と虚無感は後片付けのことを考える力をどこかへやってしまう。

　ティッシュを取ろうと起き上がる美羽ちゃんの腰を捕まえて組み伏せて、脚に精液が触れると彼女は「うわぁ」と唇を歪ませた。


「ぷふっ…どう、美味かった？」

「分かりませんって」

「ちょーだいって言ったじゃん」

「ソウデスケド」

「あー、満たされるわ…達成感が半端ない」

「そりゃ良かったれす…明日はこれ洗濯しなきゃ…」


　彼女には物干し竿にシーツを掛けるのは難しかろう、

「俺が汚した分は俺がやるから」

とマウントポジションを取れば美羽ちゃんはキョトン顔からみるみる赤面していく。


「２杯目な、」

「はやい、」

「大飯食らいだろ、いけるだろ？」

「ごへい、が、あるッ」

「お腹いっぱいになりたいだろ？美羽ァ♡」

「ひゃ、いィ」


　彼女のお腹がいっぱいになるまで、はさすがに無理だけど俺としては全てを送り込んで、シーツはもっとドロドロになって匂いを放って…やり切った感に自信をつける。

「お腹、いっぱい？」

「いっぱい、ですぅ」

そう言って摩さするお腹が早くもっとまん丸にならないものかと、期待する俺はしばらくの間こんな営みを続けるのだった。


　いっぱい食べる君が好きだ。

　もっともっと俺で君を満たしてあげたい。

　君がお腹いっぱいなら俺も同様だ、だから君に食べて欲しい。


　最高にチャーミングな君のお口が大好きだ、もっと食べて、俺を食べてくれ。

　俺みたいな細い体でも君の栄養になれるなら本望だよ、なんてね。

おしまい