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しおりを挟む「(…今ひとつだな)」
差し出された体は旨そうだが、歩夢嬢の馬鹿さに呆れて俺は勃ちあぐねている。
部屋に立ち込める香水の匂いでも興奮はするのだが、いい加減頭と体に慣れが来ているのかもしれない。
「失礼しますね」
「きゃっ」
長い髪を掻き分けて鼻先を首筋に差し込めば、当然だが彼女はびくんと背筋の伸ばして固まった。
くんくんすんすんと嗅げばそこに残るのはかの高梁くんの匂い。
「…高梁さんの匂いがするんです…私、人のものに手を出してることに興奮を覚える質なんですよ」
そう告げれば意外にも歩夢嬢は無言でヘナヘナと脱力してしまう。
「どうされました?歩夢さま」
「…改めて、いけないこと、してるなぁって…思って…」
「それに興奮してらっしゃったりして、」
「違うわ…」
おや機嫌を損ねたか、しかし俺は振り払われることもなく存分に高梁くんの残り香を吸うことができた。
おかげさまで準備は万端だ、「歩夢さま、お脱ぎ下さい」と局部だけ露出してもらいこちらもスキンを装備する。
「…高梁さんにされたように、手をつくなり寝そべるなりなさって下さい」
「うん…」
「………お可愛らしいですね」
まるで猫みたいな四つ脚体位に本人の頬は真っ赤に染まっていて、けれどやめないのは俺を欲しているからだ。
高梁くんはどんなプレイをするのだろう、俺は事細かに指示されなければ再現はできないからオリジナリティーを発揮してしまうことになる。
そうなると体位ばかり同じで比較になるもんかね、モノの大きさに自信はあるがただ歩夢嬢がそれぞれのセックスを愉しみたいだけなのではと勘繰ってしまう。
問い詰めても答えないだろうしどちらでも良いか。
「ご要望があれば、仰って下さいね、」
一応前置きをしてから挿し込んだ。
「あッ……橘ッ…♡」
「…随分とぬるぬるですね……用意が周到で」
「違う…わ…」
「あぁ、高梁さんに濡らされた名残りでしょうか」
「ちが、うッ…はァ♡」
骨抜きとはこの事だ。
しっかり根元まで俺を飲み込んだ歩夢嬢は手脚が震えて今にも倒れそうになっている。
けれど俺と繋がっている尻だけは頑なに高さをキープして、むしろ向こうから追い立てるように吸い付き離れない。
「いかがですか…ふー…高梁さんと、違いは、」
「アの、奥、にッ…攻めらレっ…怖く、なっちゃう、」
「怖いですか、やめますか?」
「やめ、らいれェ…きもちいの、橘ァ♡」
生意気な令嬢が使用人の巨根で即堕ちセックス漬けか、ベタなロマンポルノみたいだ。
少なくとも俺は嫌われてはないのだろうが、この先どうなるなんて考えてないからズルズル続けるのも問題だと思う。
歩夢嬢に請われての行動だから闘っても負けはしないと思うが、こんな関係に明るい未来があるのだろうか。
「あゆ、む、さまッ…あー…」
「橘ッ♡大っきくてッ…気持ち良いッ…も、あ、あ、」
理性は段々と性欲に蝕まれて考えることができなくなって、40分ほど経過し…歩夢嬢が絶頂に到達したと同時に俺も果ててしまった。
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