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しおりを挟む「くそっ…」
家庭教師から本当に執事になっちまうのか。
まさか言霊になったのか、不用意な行動をしなけりゃ良かった。
「…随分と前から…計画はされてたんだな…」
そうだ社長は事前準備を重ねていたんだ。
きっと入試の合否に関わらず俺の行く末は決まっていたんだ。
取締役への出世が確約されたのは有り難いが歩夢嬢ありきの未来だ。
彼女が立派な経営者にならなければもろとも切り捨てられてしまうかもしれない。
嫁にも行かず世間知らずなオールドミスと彼女に侍る口の悪い執事…それが経営に口を挟むのだから会社にとって不必要な老害となること間違いない。
「どうやっても…育て上げなきゃな……っと、レイを外すのか」
よくよく見れば壁のレイは最初の頃より色褪せて、ハイビスカスの赤色も白けて薄くなってしまった。
もうギャルのブームも下火だし、歩夢嬢も落ち着いた路線へと走るのだろうか。
数本のレイを胸に抱き鼻を寄せれば埃と芳しい歩夢嬢の香り。
一時代の終焉の切なさに興奮を載せて、性懲りも無く自慰行為に耽った。
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