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「……成昭さん」

「俺は体が動かなくなるまで、ミサを抱きたい。これはたぶん我慢出来ねぇ。情けないけど、子供を持って当たり前の家庭を作るよりも、そっちの方が大事なんだ。そのために必要なら、是非してくれ」

「う、ん…」

「あ、勘違いすんなよ、俺は子供が嫌いな訳じゃねぇ。俺らの間に必要じゃない、ってだけ…子供という生物は可愛いと思ってる」

「うん、ふふっ…私も、友達の子供は見てて可愛いと思う」

「うん…とにかく、妊娠してないことが確定するまではまだ安心しきれねぇな……ぁ、」

 セックスだ手術だが先行してしまったが、肝心なことをお願いするのを忘れていた。

 家族がどうだとか子供がどうだとか、慣習に捉われない形で良いと思っていたが…果たしてミサはこれも不要だと一蹴するだろうか。


「なに?成昭さん」

「…ミサ、その……ミサの体に責任持ちたい。け、結婚…しねぇか」

「……あ、うん」

あっさりと、ミサは承諾した。

「おい、よく考えろよ」

「考えなくても、今も結婚してるのと同じだし…うちの親には会わせないけど、良い?」

「良い。うちの方も…まぁ挨拶くらいはするだろうが…俺もうアラフォーだしな、喜ぶと思うぜ。式もしてもしなくても良いし」

「うん…もし、もしよ?入籍した途端に…子供欲しくなったりしたらどうしよう」

「そしたら手術を辞めりゃ良いだろ…たっぷり悩めよ」
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