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しおりを挟む食後、簡易的ではあるが拘束具の置いてある日野御用達のホテルへ車を着け、適当に部屋を選んで駐車した。
日野は河合…もといミサの腰を抱き、グイグイと押しながら階段を上がって突き飛ばすように彼女を部屋へ入れる。
「ふん…ビビらせやがって…なぁ、どんなんが好きなのよ?望みくらい聞いて……あッ」
荷物をソファーに置いて彼女へ振り返った途端、日野はその頬に熱い衝撃を感じて床へ崩れ落ちた。
「痛ッてェ……なにすッ…」
眼鏡が飛ばされてバチン、バチンと掌の鳴る音が続いて、日野はその口を噤み彼女へ恐れの眼差しを向ける。
「うるさいなぁ。黙って、おチビさん」
這いつくばる日野の腕にミサは革製の手錠をはめ、抵抗が見えると再度その頬を打った。
小さく縮こまった日野は視界の不安定な目を泳がせ震え、ミサは彼の足にも足錠を着けて体の自由を奪ってしまう。
「ふーん…バイブと、アナルプラグかぁ…手錠、ギャグ、ローションも持参かぁ、これを使うわけね」
「おい…お前、Mじゃねぇのかよっ」
大きな口を叩くが、ミサが手を振り上げればそのシルエットに日野はビクッとたじろぐ、上下関係は完全に出来上がっていた。
「Sだよぉ、あんたみたいなSを虐めるのが好きな…歪んだSだよぉ♡ふふっ…なんて呼ぼうか?ナリアキ?……役職名で呼ばれた方が情けなくって興奮するかな?ふふっ」
日野だって伊達にSを気取っている訳ではない、女にここまでコケにされて心底腹が立っているのだが、いかんせん体が恐怖を感じれば逃げる意欲とは裏腹にピクリとも動けない。
「は……何する気だよ…」
「何って…フロア長がいつもシてる事…シてあげるよぅ、フロア長…ソフトドリンクをすごく勧めてきたけど、あれはトイレ我慢させる為でしょう?ふふっ…フロア長、おしっこ我慢するのは貴方だよぉ、頑張ろうねぇ♡」
大変な女に目を付けられてしまった、日野の長い夜が始まる。
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