俺が不甲斐ないのは、彼氏がスパダリすぎるからだ！・1

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「スッキリしようね」

「うんー…んー…」

「やっぱ、違和感ある？」

「んー…でも、気持ちは良い…んー…」


　俺は自分がゲイだと自認したのも遅かったが、性行為…こと自慰行為に対する認識も遅い方だった。

　ムラムラする気分は分かるけど運動や食事で解消できていたし、それをしてスッキリできるなんて考えが理解できなかった。

　精通はもちろん経験したし、男に興奮するから性欲はある。

　でも、射精して発散するということにいまいち繋がらないのだ。

　触りはする、気持ちが良い。

　でも、達することは少ない。

　だから、真秋が頻繁に自慰行為をしてるのを知って、最初は驚いた。

　もの凄い性豪だと怯えたし、異端だと思って色々調べたりした。


「ここまでにしておこうか、ナツ」

「うん…なんか、俺おかしいな、男なのにな」

「充分、ナツは男の子だよ…美味しいものでも食べに行こうか」

「…うん」


　着替えて、俺たちは近所の中華屋へと歩いた。