わかりあえない、わかれたい・６

趣味が理解できない

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　さて、もうすぐ100人斬りということは、成人後から数えても年間で10人弱はお相手しているということだろうか。

　だとすれば１人あたりがごく短期間で終わっていると思われる。

　長く続かせる気がそもそも無いのか、だって目の前で記録を書かれたら皆幻滅するに決まっている。

「その…体だけ、ってことですか」

「それもあるよ。良ければその後も付き合う。君は可愛いし、部下だから仕事に影響出ないようにしようと思ってたけど…あんまりだったから、すぐ忘れそうでその場で書いちゃった」


　なるほど、惜しい相手なら即記録は諦めてイイ男を続ける訳だ。

　失っても惜しくない相手だとその場で手帳を使って、印象も気にせず別れ話にシフトするという訳だ…私のように。

　確かに、口説かれてホテルに行くまでが１週間だったから尚早だとは思ったけども。

　尻軽かなとか、でも彼の色香に痺れて流されちゃおうなんて自問自答したりしたけども。

　業務上は頼れる上司だったし、変なところも見えなかったしで交際に発展したが…私に非はあるのだろうか。

　この手の男は、きっとベッドインするまで上手に猫を被り続ける。

　私が堕ちなければ他を探すのだろうし、女１人あたりの重さを軽んじている。

　20代も半ばだし、結婚も視野に入れていたのだが…そう上手くはいかないものだ。