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3月
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しおりを挟むコンビニから1分の散歩でホテルへ着き、光る案内板の中から良さそうな部屋を見繕って「ここにしよ」と入室する。
「……うわ、予想よりキレイ」
田舎にあるからといっても田舎の人間が経営しているわけではない。
知佳は毎日目にする生活圏内のホテルにはどうしても地元イメージが付いてしまい、中身も田舎なりの適当な管理がされているのではないかと疑っていた。
「そら、ちゃんとした会社が管理してるよ…ここは……あった、ミニスカポリスやん、着る?」
「…」
「ジョーダンよ、でもその気になったら着てな…よし、風呂入ってくるわ。弁当食べてて、」
「はーい…」
壁に掛かったのは安っぽいテカテカ艶のある布地で作られた婦人警察官の制服、
「どこの世界にあんなミニスカで仕事する警察がいるの…」
と知佳は当たり前のつまらない感想を述べて弁当を摘む。
・
「上がったよー…よし、食お、チカちゃん風呂入っといでな」
しばらくすると、化粧水でテカテカの千早がベッドルームへ帰って来た。
「はい、では…」
早風呂の千早のことだからすぐに上がってくると踏んで早食いをした知佳は、最後のひと巻きのフォークを口に入れたまま立ち上がる。
「あ、チカちゃん、」
ビニール袋へ空き容器を入れて振り返った彼女へ、バスローブの千早は
「出てきたらすぐ襲うから、しっかり解しときや、前戯せんから。な、」
とだいぶんあからさまに雄らしさを打ち出して彼女を唖然とさせた。
「は」
「ほい、行ってき、」
「……はいぃ…」
自分で?柔らかく?恐いことするの?詳細が気になるものの聞けない知佳はそそくさと風呂場へ逃げ込み浴室へと入る。
「(解す…?毛とか…剃る?すぐ挿れ…ちゃうの?何かで濡らしとかなきゃ……ぁ、)」
体を洗ってソコも綺麗に…と泡を纏わせた手でさわさわと軽い擦り洗いをすれば、やっと千早の意図するものに理解が追い付いて耳まで真っ赤になった。
「(ほぐし…いや、そんな濡れないって…)」
壁1枚隔てた向こう側には竜田揚げを頬張る男が居て、その男の残り香が僅かに匂うこの風呂場で自身を清め慰める。
知佳は一旦泡を流して、爪の長さを確認してから中指だけを1本、ソコへつるつると伝わせる。
「(…うわ…はず…)」
自慰行為を全くした事が無いと言えば嘘になる。
しかし自分の指で直接触れるなんてことは洗体目的以外ではしたことがない。
仄かに漂う煙草の匂い、さっきまでここに居た彼も同じように自身を綺麗に洗ったのだろう。
それを想像すると胎がきゅんと疼いて指の作業が捗った。
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