自己評価低めの彼女は俺の自信を爆上げしてくれる。

茜琉ぴーたん

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3月

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 時は再び数日後、現在の知佳宅の二人に戻る。


「…不用意にムラムラしたりしません?違う、して欲しいんじゃなくて、男と女じゃ感覚が違うじゃないですか…私も一応女だし」

「一応どころかばり女やんか…ムラムラするけどさ、メリハリよ。昼間は絶対せぇへんし、事前に言わなチカちゃん準備でけへんやん」

「たしかにぃ…でも…その、こ、断る時はどうしたらいい?カレンダーでも共有します?」

排卵期や生理期、セックスができない日に誘われたら断るのも申し訳なく感じてしまう。

 最初にそのあたりのシステムを構築しておけば後々楽だろうかと、知佳は少々頑張って提案してみた。

「…それ事務的で嫌やなぁ…俺は『シてええか?』て絶対聞くよ。『嫌』も『アカン』も自由に言うてよ、断られたくらいで拗ねたりせぇへんし…ちゅーして寝るだけでも楽しいやんか」

「そ、う?うん……ならそう…しましょうか…」

 ホッとした様子で知佳がそう漏らせば、

「チカちゃん、まだ敬語出てんな、」

と千早はギョロ目でぐりんと彼女を睨む。

 セックスして以来なるべく自然な言葉で話そうと心掛けている知佳だが、年齢差もあるし癖ですぐに丁寧語が出てしまうのだ。

「あ、……仕方なくない?ですますは許してほしい…です、」

「よそよそしい感じが嫌やねん、次言うたら罰金な、1回につき100円、」

「えぇー…」

会社では敬語を使うから統一したいのに…その訴えもつい敬語で言ってしまいそうで、知佳は口を噤んでしまった。

「あと…案外広島弁は出てけぇへんのな、なんで?」

「あ、あれは同郷の人につられるからですよ、ミツキちゃんとでも毎回じゃないし…よっぽど気が抜けたりとか…こう、激昂したりしたときだけです、あ」

「罰金な、200円。ひひっ」

「……」

早速丁寧語が出てしまった知佳は笑う千早を膨れっ面で見つめ、財布が入った鞄に手をかけたところでその手首を掴まれる。

「嘘やん、要らんよ…ちゅーして、チカちゃんから。それで手打ちな、」

「え、あ……ん♡」

勝手に罰金制度を設けておいてこの暴君め、しかしそれくらいの強引さは嫌ではないので従って千早へちゅうと軽くキスをした。

「ん、もう1回な」

「は……目、閉じてください……ん、ン♡」

 目を見開いて待ち構える男を嗜めて、もう一度その首へ腕を絡めて口付ければ、互いにその体を離さず実に実に濃厚なキスとなり…千早は暴走しかける。

「決意が揺らぎそうや…おっぱいまではええか?ちんちん出してもええ?」

「良くないって…せめて夜まで待って…」

「チカちゃん♡ほな脱ぐのはアウト、その線引きにしよか…ん♡ちゅーは許して、イチャイチャな、ん♡」


 この後しばらく睦み合いは続き…「昼間は脱衣しないイチャつきまで」という明確なルールが決まる。

 その流れで知佳は「敬語が混じるのも仕方なし」という承認を勝ち取るのだった。
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