上 下
30 / 85
4月

29

しおりを挟む

「ぎゃあっ!」

「そない驚くなて……なに、見してよ。口紅引いたんやろ?」

「い、いつからっ…?お風呂は、ちょっ……千早さんっ!」

 扉の隙間から覗いていた千早は意気揚々と部屋へ入ってくるもののその姿はバスタオル一丁、濡れた頭からはポタポタと水滴が落ちている。

「歌ってるあたりから見てた。ひひっ…早風呂よ、チカちゃん待たせるのも……ええやん、その化粧…」

 千早が座ればギシとベッドが軋んで、

「チカちゃんは色白ってほど白くないやん、程よく焼けて…うん、合うてるよ、キラキラして…キレイや」

そう言いキスするでもなくじぃと見つめられて、知佳は動けず固まってしまった。

「なんで裸で出てくるの…」

「着替え置かせてくれる?したら持ってくるよ、チカちゃんこそ、なんで服着てんねんな」

「待つんだから着るじゃん…やだ、濡れる」

 男の髪から水気とシャンプーの香りが知佳の服へ吸われて移る、彼女の不満げな顔を見た千早は「へいへい」と腰のバスタオルを解いてそれで頭を拭き始める。

「拭くよ、うん」

「も、やだっ…」

 茂みの中の肌色が視界に入れば知佳はふいと顔を逸らし、

「今さらやんか、なに?ワシのちんちん見たことあれへんかったっけ?」

と千早が前に立つものだから両手で目を覆った。

「は、恥ずかしいとか…思わない?」

「チカちゃんも脱げば…あ、そういうことかぁー…脱がして欲しかってんな?しやからわざわざ着たんやな、ふん」

「いや、パジャマもおかしいかなって、あの、」

いさかいの火種その1の鎖骨の見えるカットソー、温かい指がするすると裾から腹を伝い胸まで上がってくる。

「裸でのスタートしかしてへんもんな、うん、脱がすとこからも経験しとかなね、」

そして意外と初めて目の当たりにした着衣の乳房は千早の想像よりは小ぶりで…しかしその存在感とむあと湧き立つフェロモンに見事に当てられてしまった。

「ん…可愛いブラやんか♡サイズ合うてるやつ?ん、ちょい顔埋めてみてええか?」

「へんたい…」

「チカちゃんは着痩せやのうて…着ただけ順当に増えて見えんねんな。んー……ええな…肉感的…下は?パンツもお揃いやろ、見して、ん♡」

顔は胸元からヘソへ、手は袖口を掴んで知佳の腕を抜かせる。

 ゴムウエストが楽なワイドパンツの腰ゴムをぴっと引っ張ると、ブラジャーと揃いのピンクのショーツのリボンがチラと覗いた。

 するすると脚を抜けば下着姿とかたや丸裸、並んで座ると隠しもしないソレが知佳の横尻に当たる。

「くすぐったいな…」

「チューしよ、ん、」

「ん♡ん~~!」

「うん、かわいい、チカちゃん見て、もうギンギンよ」

「こんなので…?」

「当たり前やん、ロマンチックとか知らへんから、脱ご、ひひっ♡」

 爪先をちょんと揃えて千早の前の床に立ち、骨張った男の手にするすると脱衣を任せ…これで千早も知佳も一糸纏わぬ姿となった。



「確かに、バスローブからのスタートしか…ありませんでしたね」

「な、もったいない…乳吸うよ、膝に乗ってよ」

千早は口から知佳の胸を迎えに行き、ベッドに掛ける自身の太腿の上に彼女を跨がせる。

「対面座位も…したいなぁ、ん♡石鹸の匂いやな…チカちゃん、おっぱい美味しいで」

「馬鹿じゃないの……ギッ…な、」

ぬくぬくとした肉の先端を前歯で甘噛みする、知佳はその耐えられるギリギリの痛みに驚き悶絶した。

「…阿呆。学習せんなぁ…まぁこれもルーティーンってやつか?ひひっ…血ぃ出るほど噛みはせんから…安心してよ、」

「や、……ぁ、ッ……千早さんッ……こういうの…上手…」

「ん、そう?俺、上手?」

「うん…あんまり胸とか分かんない…けど、なんか……すごい…か、感度が上がってるっていうか…ムズムズして気持ち良くて…はい…」

「ひひっ…そらぁ…励みになるね、ム♡」

がじがじ、ぎゅう、噛んで潰して捻って、そこの感覚が鈍くなるほどに胸をまず虐める。

 そして知佳の茂みにぽんと乗せておいたソレはその間にむくむくと増大しており、「準備できてんで」と言わんばかりにぴくぴくと微動を繰り返していた。


「おーし…美味かった…ん、ほなチカちゃん、横になって。仰向けでもうつ伏せでもええよ」

「はい…」

部屋も明るいし何となく恥ずかしいし、知佳は千早の上から降りて自身の枕へ頬を付ける。

 前戯はあまりしないタイプと自分でも言っていた千早のことだから今日も即始まるだろうか…リップカラーが枕に付いては困ると唇を噛み込んだその時。

「……ひッ⁉︎あ、あ!」

ゴツゴツの指が知佳のナカへ、分け入ってはいってきた。

「ローションとか持ってへんから…ツバで悪いけど……ん、結構ナカは濡れてんね」

「うあ、アっ……ら、めッ…あ♡は、」

「やぁらけぇ…あー…チカちゃん、気持ちええか?ん?」

「は…やッ……ふッ…あ、あ、」

何故だろう男性器で突かれるよりも危機感を覚えるこのぞわぞわとした悪寒。

 要するところそれが快感なのだろうが…薄い肉を纏った硬い骨はナカをえぐり、太ももを切り拓き、知佳の涙腺を刺激する。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...