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調査・皇路本店
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しおりを挟む「んー……ナンパ自慢は聞かされましたかね。角のラーメン屋さん、そこの店員さんに声掛けたとか何とか」
「へぇ」
「ご自由にって感じでしたけど、本命が居るのに良いのかなって思ったくらいですかね」
「え、本命が居るの⁉︎」
時系列が不明だがそれは娘のことだろうか、嘉島さんが知らなかっただけで復縁などしていたりするのだろうか。
本来なら至極プライベートなことを彼に尋ねるのもおかしなことだ、しかし葉山くんは
「出身地の九州に、彼女を残して来てるそうですよ」
と僕の期待を打ち砕いて哀しげに口角を上げる。
「そ、そうなんだ」
「中高の同級生だそうで…レジの嬉野さんもお付き合いされてたんですよね?娘さん」
「あ、うん…知ってたんだ」
「浜田さんから…あの人、女性をモノにすることを武勇伝みたいに語るんですよ。斡旋されかけたんでキッパリ断りましたが」
「そうか」
葉山くんもさっぱり塩顔のイケメンだが、意外や悪い女遊びはしない派らしい。
それもそのはず、彼はこの3月に結婚したばかりの新婚さんだ。
「葉山くんは奥さん一筋?」
「もちろんですよ。唯さん以外の女性は…正直イモですよ、イモ……僕は早々と運命の人に出逢えたので、それ以上に手を広げることに意味を感じません」
「キッパリしてるねぇ」
彼の奥さんもムラタ勤務、現在は西店にて働いている。
僕は将来の管理職候補として葉山くんにも目を付けているのだが、奥さんと離れるのが嫌だそうでのらりくらりかわされていた。
娘もイモ呼ばわりされたことが少々遺憾ではあるが、新たな情報を得たので良しとする。
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