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調査・皇路本店
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しおりを挟む「は、い、ご本人に聞くのが一番だと思うんですけど」
「聞けないよ…あ、ごめん、乱暴だった……知ってる範囲でいい、教えて」
「はぁ…とある他県から転勤して来た男性社員がいまして、葵ちゃんに声掛けて交際してたらしいんです。けどその人はまた他県に転勤してしまって…そしたら店内の他の女性スタッフが『私も交際してた』ことが判明して、葵ちゃんは当然ショックを受けて…」
「……そんなことが…」
話を聞くだけで僕はその男が誰なのかは検討がついていた。
転勤して来た時も送り出した時も面談を受け持ったのは自分だったからだ。
「…それは皆知ってる感じ?」
「葵ちゃんじゃないもうひとりの方が愚痴をこぼして徐々に広まりました。そして『私の方が本命だった』って葵ちゃんに直接宣言したんです。まぁ、どっちも置いて行かれた訳ですが…その方はもう辞めてしまったので、モヤモヤした状態の葵ちゃんだけが残された形で…ぎ、業務に直接の関連が無いことなので、ご報告するかどうかも躊躇われて…すみません」
「いや、分かるよ…言えないよな…ん、ありがとう。まぁその…当たり障りなく優しくしてやってよ」
「はい、もちろんです」
「あとさっき肩を掴んでごめん。訴えないで下さい」
「あはは、しませんって」
さぁ何となく分かってきた、娘は失恋により気を落としていたのか…そもそも彼氏が居たことも知らなかった僕は突如大量に流れ込んだ情報とそれぞれへの感想・感情に顔色を失う。
バックヤードの長い廊下で黙って佇み、さてどうしたものかと考えた。
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