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いざ復讐・横浜
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しおりを挟む「あのね、僕は君の入社面接時の履歴書も閲覧できる権限を持ってる。つまりはご実家の住所と学歴・来歴も分かる。君は不誠実に遊ぶ割に、それを隠そうとしない。情報は素人でも集まったよ。本命彼女さんは中・高校の同級生らしいじゃないか…これでだいぶん絞れるね。興信所に頼めばすぐに身元も割れるだろう」
「…あの…?」
「君が転勤する度に各地で派手に遊んでいることを、彼女さんに教えてあげることも出来ると言ってるんだよ。もうご存知なら痛手は無いかもしれないが…両家ご両親はどうだろうね?例えばこの先、結婚とか良い話になった時に…君の女性遍歴を暴露して差し上げたら…ご両親は何をお感じになるだろうね?」
安い脅迫だが、浜田には効果覿面だったようだ。
プルプル震えて、その目に涙を浮かべる。
「す、すみません、それだけは」
「そんなに本命彼女さんが大切なら、どうして女遊びするかな…しかも堂々と」
「特に、理由は無くて」
「まぁ分かるよ、異性が好きなんだもんな、分かるよ…罪ではないよ…でもなぁ、僕は僕で、娘で遊ばれて腹が立ったんだよ…こうやって、個人的に神奈川まで来ちゃうくらいにはね。今後の遊び方は考えた方が良い。君は遊びでも、本気な子だっているんだから。君の遊ぶ子にだって、親がいるんだから」
「はい…」
「…すまないね、恫喝恐喝脅迫したことと胸倉を掴んだことは不問にして欲しい。マリアさんのお父さまの分も。自らの尊厳のために警察に言うならそれでも良いが…僕は君の地元店舗の管理職に君が地方でしていることを洗いざらい話すよ。転勤者はいずれ、ふるさと人事で地元に帰らされる。その時に困るのは君だ」
「……」
「もちろん、ムラタを辞めちゃえば関係無いけどね…君はここでは営業力を発揮してるみたいだから、それは頑張って欲しいと思ってる。職務上はそう思ってるよ、素行は直した方が良いがね」
「はい…」
「遊びはほどほどにね…脅してすまなかった。君もいつか、僕やマリアさんのお父さまの気持ちが理解できるように…なって欲しいと心から願ってるよ」
僕は名刺をポケットに収めて、浜田から離れる。
フロア長にも頭を下げて、宮前くんを連れ店を後にした。
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