58 / 100
11月・嫉心のサキュバス
56
しおりを挟むその後は結局唯の自宅へ帰り、ひたすら暖かくして寝かされた。
葉山は靴下を諦めて素足に革靴で運転してくれて、ベッドでは番犬の如く隣で横になり、会話をしながら少しでも唯が動くとピッと体を起こして御用聞きの体勢をとる。
残念ながら用事は無かったので、見つめ合ってただいつもより密着して眠りについた。
唯の生理はそう重くはない。
動けない程痛むわけでもないのだが、やはり平常時より気分が落ち込んだり活動が鈍くなる。
今はハイパー賢者タイムとでも言うべき落ち着きを持っており、無防備な葉山を見ても勿体ないほど「龍ちゃん虐めたいセンサー」が反応しない。
翌朝になってもやはりそうで、青年の生理現象を腰で感知しても触ってやりたいとさえ思えなかった。
「おはようございます…ん…あ、すみません、」
自身が当たっていることに気付いた葉山は腰を退き、少し恥ずかしそうに何か他の事を考えようと目を閉じる。
「円周率でも数えてんの?」
「…いえ、心を無に……ユイさん、邪魔しないで…眉毛描いてきたらいいのに…」
自分が横で寝ているのに無になれるはずないだろうと、唯は腹を突いたり乳首を撫でたり妨害をする。
「慣れたわ…龍ちゃん抜けばええやん、見といてあげるよ」
「…ユイさん、今興奮とかしないでしょう?」
「うん。せえへんけど、龍ちゃんの朝勃ちオナニー見てみたいよ」
「慎んでよ、もう…前はひとりエッチって言ってたじゃん」
とは言いながらも葉山はズボンとボクサーを下ろし、反り立つモノを見せつけた。
「女の子は、ね。男のはオナ……わぁお♡立派やで、龍ちゃん♡」
「はぁ…昨日みたいにユイさんにぶち込んでやりたいよ…」
眉間にシワを寄せ、膝立ちで唯に見えるように若者は自身を扱き出す。
「あと1週間待ってな、せや…跨ってもええよ…」
「はい、………見えます?」
「んー、胸で隠れて、先っぽだけ見える」
爽やかで人懐っこくてひとりの女に一途なこの青年が、パジャマをだらしなくずらして局部だけ露出し、頬を赤らめてそこを扱く。
唯はニマニマとその景色を「絶景かな」とありがたく拝んだ。
「……ユイさん、胸に挟んでみてもいいですか?」
「えぇ?初めてやな…ええよ」
「初めてですか、やった♡あ♡肉肉しい…これはいけませんね…おっぱい属性が付きそうです…」
葉山はまた1つ唯の初めてを貰い嬉しがり、女性の象徴でもある胸を穢している背徳感にゾクゾクと身を震わせる。
「えかったね」
「どうしよ、あ、どこに出したら…わぁ♡あ、あ、」
唯は自ら胸を寄せ、
「オナサポ♡」
と優しく笑んでお姉さん風を吹かせる。
たっぷりとした肉、普段より張っているのだろう硬めの弾力、胸に飲み込まれるような感覚に葉山は甘いため息を吐いた。
「痛く…ないですか?」
「平気…ん、元気やね」
「んッ…あ、あぁ♡ユイ、さんッ♡」
谷間を通過したモノの先が顎へ当たる、唯はレロっと舌を伸ばして舐めてやると、その感触と絵面に青年は親に叱られたような哀しげな表情を見せる。
「あ、いけないことを…させてる気分です…おっぱいごと…ユイさんを…あ、犯してる…」
「ええよ、しっかり抜いて、」
「顔にかけたい、ダメ?」
「それはあかんよ、パンツの中見せるよ」
「あ、萎えちゃう、いいです、おへそに、あ、あ、」
数回抜き差ししてから葉山はスッと退き、静かに唯のヘソの上に注いでがっくしと頭を下げた。
「ハァ…なんか僕…最近ユイさんよりエロくなってる気がする…」
「うちのせいなん?ははは」
「そうでしょ……拭きますね…」
葉山は唯の腹をきれいにしてやり、暖かくしてあげたかったのに冷やしてしまった自身への嫌悪感と闘っている。
「僕は…ダメな人間です…抑えが効かないし…ユイさんに酷いことばっかり…」
「龍ちゃん…賢者タイム?珍しいね。それとも龍子ちゃんも女の子の日?情緒不安定なんかな」
「もうそれでいいよ…」
力なく応えた葉山はズボンを直し、唯を抱き締めて二度寝の体勢に入る。
「可愛いなぁ、龍ちゃん」
唯が腕を回して頭を撫でてやると、葉山は少し詰まった鼻を啜ってから潤んだ眼を閉じた。
つづく
*『壮年賢者のひととき』・『嫁が可愛いので今夜は寝ない』の11月編にも怪文書騒動のエピソードがあります。葉山と嘉島の小競り合いも『壮年~』にて読めます。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
Home, Sweet Home
茜色
恋愛
OL生活7年目の庄野鞠子(しょうのまりこ)は、5つ年上の上司、藤堂達矢(とうどうたつや)に密かにあこがれている。あるアクシデントのせいで自宅マンションに戻れなくなった藤堂のために、鞠子は自分が暮らす一軒家に藤堂を泊まらせ、そのまま期間限定で同居することを提案する。
亡き祖母から受け継いだ古い家での共同生活は、かつて封印したはずの恋心を密かに蘇らせることになり・・・。
☆ 全19話です。オフィスラブと謳っていますが、オフィスのシーンは少なめです 。「ムーンライトノベルズ」様に投稿済のものを一部改稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる