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11月・嫉心のサキュバス

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 その後は結局唯の自宅へ帰り、ひたすら暖かくして寝かされた。

 葉山は靴下を諦めて素足に革靴で運転してくれて、ベッドでは番犬の如く隣で横になり、会話をしながら少しでも唯が動くとピッと体を起こして御用聞きの体勢をとる。

 残念ながら用事は無かったので、見つめ合ってただいつもより密着して眠りについた。


 唯の生理はそう重くはない。

 動けない程痛むわけでもないのだが、やはり平常時より気分が落ち込んだり活動が鈍くなる。

 今はハイパー賢者タイムとでも言うべき落ち着きを持っており、無防備な葉山を見ても勿体ないほど「龍ちゃん虐めたいセンサー」が反応しない。


 翌朝になってもやはりそうで、青年の生理現象を腰で感知しても触ってやりたいとさえ思えなかった。

「おはようございます…ん…あ、すみません、」

自身が当たっていることに気付いた葉山は腰を退き、少し恥ずかしそうに何か他の事を考えようと目を閉じる。

「円周率でも数えてんの?」

「…いえ、心を無に……ユイさん、邪魔しないで…眉毛描いてきたらいいのに…」

 自分が横で寝ているのに無になれるはずないだろうと、唯は腹を突いたり乳首を撫でたり妨害をする。

「慣れたわ…龍ちゃん抜けばええやん、見といてあげるよ」

「…ユイさん、今興奮とかしないでしょう?」

「うん。せえへんけど、龍ちゃんの朝勃ちオナニー見てみたいよ」

「慎んでよ、もう…前はひとりエッチって言ってたじゃん」

とは言いながらも葉山はズボンとボクサーを下ろし、反り立つモノを見せつけた。

「女の子は、ね。男のはオナ……わぁお♡立派やで、龍ちゃん♡」

「はぁ…昨日みたいにユイさんにぶち込んでやりたいよ…」

眉間にシワを寄せ、膝立ちで唯に見えるように若者は自身を扱き出す。


「あと1週間待ってな、せや…跨ってもええよ…」

「はい、………見えます?」

「んー、胸で隠れて、先っぽだけ見える」

 爽やかで人懐っこくてひとりの女に一途なこの青年が、パジャマをだらしなくずらして局部だけ露出し、頬を赤らめてそこを扱く。

 唯はニマニマとその景色を「絶景かな」とありがたく拝んだ。


「……ユイさん、胸に挟んでみてもいいですか?」

「えぇ?初めてやな…ええよ」

「初めてですか、やった♡あ♡肉肉しい…これはいけませんね…おっぱい属性が付きそうです…」

 葉山はまた1つ唯の初めてを貰い嬉しがり、女性の象徴でもある胸をけがしている背徳感にゾクゾクと身を震わせる。

「えかったね」

「どうしよ、あ、どこに出したら…わぁ♡あ、あ、」

 唯は自ら胸を寄せ、

「オナサポ♡」

と優しく笑んでお姉さん風を吹かせる。


 たっぷりとした肉、普段より張っているのだろう硬めの弾力、胸に飲み込まれるような感覚に葉山は甘いため息を吐いた。

「痛く…ないですか?」

「平気…ん、元気やね」

「んッ…あ、あぁ♡ユイ、さんッ♡」

谷間を通過したモノの先が顎へ当たる、唯はレロっと舌を伸ばして舐めてやると、その感触と絵面に青年は親に叱られたような哀しげな表情を見せる。

「あ、いけないことを…させてる気分です…おっぱいごと…ユイさんを…あ、犯してる…」

「ええよ、しっかり抜いて、」

「顔にかけたい、ダメ?」

「それはあかんよ、パンツの中見せるよ」

「あ、萎えちゃう、いいです、おへそに、あ、あ、」


 数回抜き差ししてから葉山はスッと退き、静かに唯のヘソの上に注いでがっくしと頭を下げた。

「ハァ…なんか僕…最近ユイさんよりエロくなってる気がする…」

「うちのせいなん?ははは」

「そうでしょ……拭きますね…」


 葉山は唯の腹をきれいにしてやり、暖かくしてあげたかったのに冷やしてしまった自身への嫌悪感と闘っている。

「僕は…ダメな人間です…抑えが効かないし…ユイさんに酷いことばっかり…」

「龍ちゃん…賢者タイム?珍しいね。それとも龍子ちゃんも女の子の日?情緒不安定なんかな」

「もうそれでいいよ…」

力なく応えた葉山はズボンを直し、唯を抱き締めて二度寝の体勢に入る。


「可愛いなぁ、龍ちゃん」

 唯が腕を回して頭を撫でてやると、葉山は少し詰まった鼻をすすってから潤んだ眼を閉じた。



つづく

*『壮年賢者のひととき』・『嫁が可愛いので今夜は寝ない』の11月編にも怪文書騒動のエピソードがあります。葉山と嘉島の小競り合いも『壮年~』にて読めます。
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