枯れかけのサキュバス

茜琉ぴーたん

文字の大きさ
上 下
56 / 100
11月・嫉心のサキュバス

54

しおりを挟む

「ふっ…あ、ァ、りゅ…う…ぅあぁ」

『…ねぇ葉山くん、チーフは彼女にデレデレだから、浮気は絶対無いよ。あとユイちゃんも……葉山くんにデレデレで惚気のろけてたから、安心していいと思うよ、ふふ』

「…そうですか、ありがとうございます、夜分に失礼しました」

『はーい』

「…ふぅ、んッ!」

 青年は通話を切り、床に這いつくばる唯にもう一度覆い被さってゴリゴリと良い所を抉っていく。


「ふゥッ…あ、あ♡龍ちゃんっ、あほぉ、ヒナコにっ、聞かれ、たぁ…」

「でしょうね、浮気の線は消えましたけど、タバコを入れられた隙を見せたのはいただけないな…あと、僕がユイさんを虐めるだろうって想像されてるのも癪だなぁ」

 少し思案した葉山は唯の耳に唇を付け、突き上げながら

「このままナカに出していいですか?」

と囁く。

 危機感でびくんと首筋に電気が走り、唯は反射的に

「いややっ!」

と葉山を振り払い叫んだ。

 おそらく明日生理になる、葉山もそれは承知の上で中出しを打診しているのだろうことは分かる。

 しかしそれは本当の子作りの時や、お互い気持ちを許し合い、高め合った時の為に取っておきたかった。

 こんな、可能性は低くとも孕む危険性がある行為を、自分を虐めるためにサディスティックに行使することは許されない。

 唯が剥き身で素股をするのでさえ本気で嫌がったこの男が。
 
 それほどに怒りで見境が無くなっているのか、それほどにあの煙草は罪深いのか。


「ひっ、あ、ア♡龍、ちゃんっ、やだっ、あ、」

「…………」

「ね、えっ、龍ちゃんっ!ダメっ、だめぇっ…やっ♡」

良いポイントに上手く当たったようで、最低限の腰の振りで唯が崩れてほどけていく。

「気持ち、いいか、良くない、か、どっち?」

「ひあっ♡あ、…きもぢ、いイッ…ア♡ひィ♡もぉ、やっ、おねが…っっ抜いてぇっ!りゅーちゃんっ」

「いやや」

「あ、あ♡やだっ♡や、あ、あ、いやっだめっだめっ!」

「(あ、)」

ナカがぎゅうぎゅうに締まり、唯の足先がくるんと内側に丸まって葉山の脚と触れ合う。

「(きた!)」

「りゅ、ぅ、~~~っくっ♡ぁ、あ、あ♡ヤっ、ああ♡♡♡」

オーガズムに達したユイは床に押し付けていた顔を大きくのけ反らせ、声と涙に後押しされた感情が流れ出した。


「アっ、ああ!もぉ!ヌいっでぇ!龍!ぢゃンっ!おがじぐっ、なる、」

必死にもがき頭を左右に振り乱し、葉山の腹を引っ掻こうとして遂には腕も捕まり、治まらない享楽の波の中で絶望にも似た表情を浮かべる。

「ねぇ、ナカに、ナカに出して、いいっ?」

「イっや、やぁっ、だめ、あ」

「出せなきゃ、終われ、ない、」

「あ、あ、」

「ユイ、」

「出し、てぇっ…もぉっ…ナカ、ナカにッ…出し…て…」

「ん、んっ~~~~~~、っあ、っあー、はー♡あ♡」

唯が言い終わるより先に、葉山は色情の群れを奥へ奥へ注ぎ込んでいた。

「ぁ…ぁ…」


 さて、殴られる準備でもしようかと己を引き抜いて確認すれば、

「いっぱい…出た……はぁ……んっ…ん…⁉︎うワァ⁉︎」

葉山はなかなかに叫んだ。

「………あら…」

 確かに途中から、引きつるような摩擦を感じてはいたが、まさか自分のムスコが赤黒い血…経血まみれで出てくるとは想像もしていなかったのだ。

「あ、お風呂…ユイさん、脱がしますよ」

 葉山は唯の脚に留まったままのズボンとショーツ、靴下を引っぱり脱がせ、腹を抱えて浴室の床に立たせる。

 自身はワイシャツに靴下という情けない姿で、湯を張りシャワーを調節して甲斐甲斐しくユイの体を清めようと動いた。

「シャワーしてて…床見てくるから、」

いつになく慌てる葉山はびしゃびしゃになった靴下を脱ぎながら指示を出し、ベッドルームのカーペットを確認しに戻って行く。

 唯は鞄の中身を思い浮かべながら、生理用品の持ち合わせはあるが奴に買いに走らせようかなどと画策し、恥ずかしがる葉山の顔を想像した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...