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11月・嫉心のサキュバス

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 濡れた髪を拭きながら唯がリビングへ戻ると、パジャマの葉山は両脚を抱え小さくなっていた。

「どないした?」

「いえ、すごく恥ずかしいんです…着てるのに裸みたいで…」

「はぁ、あ、ローション塗っとこな、」

唯は引き返し、洗面台の鏡の裏から脱毛後のケア用ローションを持って戻ってくる。

「なにそれ…」

「警戒すんなって!脚、」

 体操座りのままパジャマの裾を捲り、ヒタヒタとローションを塗ってやると、葉山がいつもの様に唯の髪の毛束をくるくると指に取った。


「…ユイさんって、意外と独占欲強い?」

「んー?んー……そうかもわからんね、次、脇な。………うちの龍ちゃんやろ?」

「はい。ユイさんの龍ですよ。発情期の憂さ晴らしにはなりましたか?」

葉山は屈んで、スッキリとした顔の唯にキスをする。

「んっ♡どやろなぁ?うちの龍ちゃん、剃ったとこも塗ろうな、脱げる?立とうか」

「………ここでいいですか?はい…」

立ち上がり、葉山は本当に、心底恥ずかしそうにパジャマの腰を下げて股間を見せた。

「ふふ♡龍ちゃん…ええザマやな、ツルツルや」

「二度とごめんですよ……んっ、あ、ユイさんー、ア♡」

 唯は膝立ちでローションは付けずに手でソコに触れ、パジャマを腿までずり下げてから葉山の竿をしっかりと握る。

「ユイさ、ん、あ♡そういうこと…?は♡」

「おフェラしたろな、んっ♡」

彼女は小さな口で葉山を咥え、上目遣いでウインクして見せた。

「あ、あー、ユイさんからシてくれるの、久しぶり…は♡」

「んっ、ふふ」

 手を腰に当ててまさに仁王立ちになると青年は「させている」感に浸る。

 ここから彼女の頭に手をやると更にその感が増すのだが、果たして今夜は「される」「させる」どちらのスタンスで行くのが彼女の思惑だろうか、とも考えた。

「……ぅあっ、は、あ♡やばい♡」

 相当渇望しているのか、じゅぼじゅぼと湿った音を大きく立てて、先を丹念にねぶる。

 小さな口腔で歯を立てないように気を遣っているのだろう、顎の関節を大きく開き、えづきそうになりながらもたまに喉奥まで咥え込んでくれた。

「あ…、は…」

無様に鼻の下を伸ばした顔さえ彼女ならば愛らしく、葉山はクラクラしながら、このままこの温かい口内に射精できたらどんなに幸福だろうかと悦に入る。

「…ユイさん、もう、いいですから。もう充分です」

「んっ…は、はー♡はぁ、さよか、ほならおいで」

「ぎっ…!」

 唯は口を葉山のパジャマで拭った後、そのタマをぎうと握り、立ち上がって寝室へ先導した。

 葉山はパジャマのズボンを持ち上げ、小股でぴょこぴょこ移動するしかない。

「あ、やだ、離してっ、あ♡」

「あとはベッドでな、何発イける?」

「あ、2、くらいかなぁ?」

ベッドへ座らされ、股間を気にしながら答える。

「ほな4はイけるやろ、寝かさんよ」

「やだなぁ…セックスならそれだけできるけど…抜かれるだけってしんどいよ…」

「んー、手の平に出したりしてみるか?」

 有り難いご提案を受けて唯の手の中が大きく反応する。

 ただティッシュで受け止められたり、自分の腹に飛ばすよりも、自分の意思で狙いを定める感じが気持ち良さそうと思ったのだ。

「いいんですか?」

「うん、口は嫌やけど。苦いしな、」

「は、ちょっと待って、ユイさん、口…出された事あるの…?」

聞き捨てならない言葉を耳にして、ひゅんと葉山の元気がしぼんでいく。

「昔な、興味あったから、出して貰うたよ…ん?」

「出して『貰った』⁉︎ユイさんから頼んで…?あ、うわ…ダメだ…ユイさん、手離して………」

葉山はひどく落ち込み、自分の中での嫉妬と遺恨と欲望の折り合いに葛藤した。
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