枯れかけのサキュバス

12月・諦めのサキュバス

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　そうか、既に葉山の両親にも面通りをしていたのか…失礼は無かっただろうか、生意気に感じられなかっただろうか。

　相応ふさわしい相手だと思ってもらえただろうか…ピンクの薄布をゆらゆら揺らしつつ様々な想いが頭に巡り、視界にはうっすらと婚約者の毛の生えた腹が映る。

「ん…ふッ…あ…りゅーちゃ、あかん…おっきぃ…」

「顎あごが疲れちゃいます？ん♡ユイさん…最高の眺めです…ついにユイさんの婚約者にまで登り詰めましたよ……ふふ、…年末年始はできないでしょうから…たっぷりシておきましょうね、さぁ、どの体位にしましょうか♡」

「ん…対面座位♡」

　準備をしたら小さな体をひょいと腿ももへ乗せ、一緒になる悦びで唯が葉山へしなだれかかった。

「あ…んッ♡深ぁい…は…龍ちゃん…好き……って言うたらまた萎えるんやろか？」

「いえ…ユイさんを手に入れた僕はもう…あ…自信を付けましたから…は♡」

「せや、年末年始、禁欲期間にしよか。ひとりエッチも無しやで、そしたら同棲始めた初夜は燃えるんちゃう？」

「きついなぁ…まぁ心掛けますけど……意地悪なことばっかり……あー…あ、そうだ、よいしょ」

「うあッ⁉︎」

尻をしっかりと抱えて立ち上がれば神輿みこしの様に唯の体が浮く。

　そしてゆさゆさといつもより大きい上下運動で胎はらを派手に突かれて女が鳴く。

「ヒッ…あ、あ？なんッ…危ない、降ろしテ…龍ちゃ…ん、怖い、あ、ア♡」

「駅弁♡ユイさん…軽いから…余裕、絶対落とさないから…安心して下さい…、あ、ユイさんの重み♡はー♡掴まって、ね、」

「いやっあ、これッ…えろいッ♡ハ…りゅーちゃんッ♡あ、ア、」

葉山は意味もなくウロウロと、狭い室内を歩いて窓際でピタと止まり、カーテンを開けて駅前の夜景を見下ろした。

「綺麗ですね、キラキラして…」

「龍ちゃん、見えるって…嫌やッ…」

「地上12階ですよ？誰も見てませんって…まぁユイさんはそれ着てるし、下半身は下からは見えません、同じ高さのマンションから双眼鏡でも構えてれば話は別ですけど…いないでしょ、そんな人」

　そういう問題ではない、露出の趣味など無い。

　だらしない顔を晒すなどとても…唯は顔と体を隠すように葉山へしがみ付き振動に耐える。

「葉山ユイ、ふふ♡可愛い名前、たっぷり可愛がってあげますからね、これまで虐められた分ね、ふふ」

「やっあ、降ろし、て…」


　ギリ聖夜のホテルには甘く爛ただれた男女の鳴き声が響き、年末年始を乗り切るために、攻守交代しながら抱き溜めの如く二人は貪むさぼり合うのだった。



つづく