枯れかけのサキュバス

8月・復活のサキュバス

25

　翌日。

　朝10時、ホテルをチェックアウトして、唯の運転でアパートへ戻る。

　何か食事を買って帰ろうと提案したのだが、葉山の強い要望により自宅で作ることになった。

「僕、ユイさん家の梅干し好きなんです。あれだけで１杯いけます」

「京都のお取り寄せやからなー、美味いよなぁ…でもそれだけや足りんよ…ネバネバ系食うてる？精がつく言うやん…」


　結局二人はスーパーに立ち寄り、数日分の食材を買い込んだ。

　おそらく葉山は夕方あたりに頼み込んで自分を抱く、唯はそう踏んで、昼ごはん用に長芋・オクラ・めかぶをカゴに入れる。

「出汁だし醤油掛けて食べよ、はぁ…ぼちぼちオクラもシーズンオフやな」

「ユイさんはいいお嫁さんになりますよ」

「ん？男もできなあかんよ？……言うても、龍ちゃんは料理もできるし、龍ちゃんこそええお嫁さんになれるよ」

「お婿さんがええなぁ…ユイさんの♡」

「んー、うち、ちんちん付いてへんから…可愛がってはあげられへん」

「それはもういいからァ…いい加減慎んでよ…」

「ひゃはは、すまん」


　この後自宅でネバネバのぶっかけ飯を食べ、昼寝をし、夕方には別れを惜しんだ葉山に押し切られ抱かれる、唯の想定通りの堕落して充実した休日であった。



つづく