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7月・枯れかけのサキュバス
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しおりを挟む男は唯の膝を立てて開脚させ、痛む右手で膝裏を突っ張り、左手で秘所の中央に触れた。
「っ!」
そしてそこまで湿ってはいない窪みを、大胆に指で開く。
「ほら、くぱぁ♡」
「黙れよ、もう…」
「よく出来た効果音ですよね」
「……誰が考えてん、鳴るわけないやろ…」
青年はふふっと笑いその整った顔を太ももの間へ、秘所へ埋め、
「しつれい…」
と右手も太ももへ進めて、さらにその脚をぐいと外側へ倒した。
「お、い…?」
二人が交遊していた時は、何かにつけて唯が葉山をリードしていた。
毎回のセックスも、その行き帰りと食事だけのデートも、葉山のあらゆる初めては唯に捧げたし、何をするにしても彼女にお伺いを立てていた。
だから「任せて」と宣言して自分からぐいぐい来る今の葉山に、唯は正直面食らっている。
「‼︎」
そして粘着質な液体の音と同時に、指よりもっと温かい肉の塊が唯の窪みを濡らし…
「少しだけです、我慢して下さい」
脚の間から葉山の声がする。
「ひッ…」
唯は今まで関係した男たちに口淫はされなかったし、したがってもさせなかった。
なので初めての舌の感触に、ソコだけでなく背筋も腰も大騒ぎしている。
「あかん、汚い、ぁ、…それっ…ぃや…ゃぁ…」
発したことの無い、そして聞いたことの無い声がそれぞれ二人を昂らせた。
「…口でされるのイヤですか、それとも初めて?」
「……じめテ…」
唯は縛られた手を顔に乗せて表情を隠すが、口はワナワナと震えているのが彼には見える。
「そうですか…ユイさんの初めてを貰えたんですね。僕も初めてなので自信はありませんが、頑張ります。あと、汚くないですよ」
「~~っ、そこで喋んな!」
ぴちゃぴちゃと水音と温かい刺激が来れば、腰が振れる。
「(どんな顔して舐めてんの?味はすんの?どんな反応を返せばええの?)」
聞いてみたいことが頭の中でぐるぐると巡り、声を我慢する口からはハァハァと吐息が漏れるばかり。
「ん…」
葉山が左手中指のほんの少しだけ、窪みの真ん中へ侵入させると、
「っっあ!」
と乾いた異物の感触に驚き、背中を浮かせて声が上がった。
もどかしく、唯は更にその腰をよじる。
「…もう少ししときましょうね」
音を立て、葉山は指が刺さったその入り口を丁寧に、ほぐすように舐めていった。
「う、あ…はぁ…りゅーちゃ、ん、」
パートナーが跪いて脚の間に顔を埋める、なるほど男が女に口淫をさせたがるわけだ。
「させている」という支配感をびんびんに感じる。
指を動かすと、さっきより湿り気の増した音がした。
「あっ…ハァ、もぉいや…ゃ…」
その支配感とは裏腹に、明らかに今の唯は葉山に従えられている。
よくよく考えれば、今まで唯が主導権を握っていられたのは、葉山をはじめ過去の男たちが優しかったからなのだろう。
草食系、童貞、自分が上位に立てる相手を意図的に選んではいたが、組み伏せられたら腕力では絶対に勝てなかったはずだ。
あれだけ一見さんとセックスをしながら、大した危ない目に遭わなかったのは本当に幸運だった。
唯はそんなことを噛み締めていた。
「ぅあっ…♡」
指が更に奥へ入って、数年ぶりの感覚を味わう…唯はこの指を知っている。
葉山は顔を上げて可愛い声の主を確認し、
「いい声、すごいナカ締まってますよ♡」
そう言って指をクイクイしながら、上気した顔で微笑んだ。
「フ…あ…っ……も、ゃ…ゃ…」
「慣れない左手なんで、拙くてすみませんね」
「イっ!…ぅあ……!~っ…」
細いけど骨張って男らしい指が付け根までしっかり入りきり、ナカでクイと曲げると、イイ所に当たる。
「あ♡…あ、ぁ、は♡あ♡」
葉山は口のニヤニヤが止められず、
「お嫌いでしょうけど、もう少しだけここも」
と再度潜り込み、窪みの上、クリトリスを舌で刺激した。
唯は、以前からここを必要以上に触られるのを嫌がっていた。
体の奥は興奮しているのが分かるのだが、同時に不快感が、気持ち悪さが勝ってしまうらしい。
すると案の定、
「龍ちゃん、そこは…嫌やって!忘れたんか?…」
体と裏腹に、姫は不愉快になってしまった。
「すみません、でももう大丈夫でしょう。次からはローションを使いましょうね」
「つぎ…」
お互い上がった息を整え、葉山は指を抜き唯の脚を一旦伸ばし楽にさせ、少し静かになる。
「(…いよいよ…?)」
衣擦れの音、そしてスキンの巻きを解く音、パチンと根本まで収めた時の音がした。
唯はまだ顔を手で隠してそれを聞いていたが、葉山はその腕を下へ引いてお腹まで下げる。
「腕、しんどかったでしょう、すみません。顔見たいんで、正常位でいいですね?」
決定事項でも一応同意を貰おうと葉山は唯の顔に接近し、自分の下を舐めた口とキスするのは嫌がるかもしれない、そう判断して頬に口づけをした。
「ン………そっち?」
「はい?」
「ちゅう、は、こっちやろ…」
意外にも唯は上がった息を漏らしながら、濡れた唇を少し開き、「ここにキスしろ」と主張する。
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