上 下
47 / 100
おまけ・10月

葉山くんと嘉島さん

しおりを挟む

 時は少々遡り、10月初旬の棚卸しお疲れ会兼ハロウィンパーティーの席。

 そこには年齢・世代を越えて恋バナに花を咲かせる男たちがいた。


新庄しんじょうさん、似合ってる……うん…帰りは送って行くから、呑んでいいよ、楽しみなさい」

嘉島かしまは制服姿の陽菜子ひなこへ声を掛け、この後の約束を取り付けた。


「お綺麗ですよ、ユイさん♡…あれ、首輪が着いてないですね、悪い子だなぁ…ふふっ♡会が終わったら…着けて差し上げますね」

葉山はやま青年は隠れ恋人・笠置かさぎゆいに近寄ると小声でその可愛らしさを称賛し、終会後のプレイを仄めかせば彼女は逃げて行った。

「あ、もう…笠置コーナー長は照れ屋だなぁ」

「葉山、笠置さんの服さぁ、あれって本人の趣味?」

オードブルを小盛りにした皿を持って席に着けば、隣の嘉島が尋ねてくる。

「いいえ?僕が選びましたよ。お似合いでしょう?」

「似合うっていうか…キャラクターが違うんじゃねェの?笠置さんこそ制服ギャルとかなんじゃ…」

「いえいえ…こういうのはいっそ非日常を楽しんだ方が良いんですよ、あの恥ずかしそうな顔…プププ…」

プロデュース作品の評価はまちまち、しかし本人の意思に関係なく「着せてやった」という事実が葉山青年の嗜虐心を満たした。

「お前らってさァ、付き合ってんの?」

「んー、ご想像にお任せしますよ」

葉山青年は上司・守谷もりやに聞かれた時と同様に返すも、バレても問題ないくらいには嘉島の口の堅さに信用を置いている。

 しかしながら葉山青年は正直、恋人に数回煙草の匂いを付けた嘉島のことを個人的には良く思っていない。

 香りを付けられることはマーキングと同じだと考えている為である。

 なので「笠置コーナー長には僕という主人がいる」と嘉島に知って貰っても良い、とそれなりに覚悟はしているのだ。


「へェ…」

 余りに堂々と応えるものだからどちらともつかないが、

「お前ら…仲良いんだね」

と嘉島が返せば、葉山青年は少年のようにくしゃっと笑った。

「前の店舗からの仲ですから。尊敬してるんです…笠置コーナー長は僕の大切な先輩ですよ」

「そう…」

20以上も年下の青年の無邪気な笑顔に毒気を抜かれ、嘉島は「葉山から笠置への一方通行なのだろう」と推測してふふと笑う。


 そして青年はあどけない笑顔の裏で、

「この後のホテルでぐちゃぐちゃにする予定ですけどね♡」

とほくそ笑むのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【R18】隣のデスクの歳下後輩君にオカズに使われているらしいので、望み通りにシてあげました。

雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向け33位、人気ランキング146位達成※隣のデスクに座る陰キャの歳下後輩君から、ある日私の卑猥なアイコラ画像を誤送信されてしまい!?彼にオカズに使われていると知り満更でもない私は彼を部屋に招き入れてお望み通りの行為をする事に…。強気な先輩ちゃん×弱気な後輩くん。でもエッチな下着を身に付けて恥ずかしくなった私は、彼に攻められてすっかり形成逆転されてしまう。 ——全話ほぼ濡れ場で小難しいストーリーの設定などが無いのでストレス無く集中できます(はしがき・あとがきは含まない) ※完結直後のものです。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

【R18 大人女性向け】会社の飲み会帰りに年下イケメンにお持ち帰りされちゃいました

utsugi
恋愛
職場のイケメン後輩に飲み会帰りにお持ち帰りされちゃうお話です。 がっつりR18です。18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

処理中です...