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おまけ・10月
葉山くんと嘉島さん
しおりを挟む時は少々遡り、10月初旬の棚卸しお疲れ会兼ハロウィンパーティーの席。
そこには年齢・世代を越えて恋バナに花を咲かせる男たちがいた。
「新庄さん、似合ってる……うん…帰りは送って行くから、呑んでいいよ、楽しみなさい」
嘉島は制服姿の陽菜子へ声を掛け、この後の約束を取り付けた。
「お綺麗ですよ、ユイさん♡…あれ、首輪が着いてないですね、悪い子だなぁ…ふふっ♡会が終わったら…着けて差し上げますね」
葉山青年は隠れ恋人・笠置唯に近寄ると小声でその可愛らしさを称賛し、終会後のプレイを仄めかせば彼女は逃げて行った。
「あ、もう…笠置コーナー長は照れ屋だなぁ」
「葉山、笠置さんの服さぁ、あれって本人の趣味?」
オードブルを小盛りにした皿を持って席に着けば、隣の嘉島が尋ねてくる。
「いいえ?僕が選びましたよ。お似合いでしょう?」
「似合うっていうか…キャラクターが違うんじゃねェの?笠置さんこそ制服ギャルとかなんじゃ…」
「いえいえ…こういうのはいっそ非日常を楽しんだ方が良いんですよ、あの恥ずかしそうな顔…プププ…」
プロデュース作品の評価はまちまち、しかし本人の意思に関係なく「着せてやった」という事実が葉山青年の嗜虐心を満たした。
「お前らってさァ、付き合ってんの?」
「んー、ご想像にお任せしますよ」
葉山青年は上司・守谷に聞かれた時と同様に返すも、バレても問題ないくらいには嘉島の口の堅さに信用を置いている。
しかしながら葉山青年は正直、恋人に数回煙草の匂いを付けた嘉島のことを個人的には良く思っていない。
香りを付けられることはマーキングと同じだと考えている為である。
なので「笠置コーナー長には僕という主人がいる」と嘉島に知って貰っても良い、とそれなりに覚悟はしているのだ。
「へェ…」
余りに堂々と応えるものだからどちらともつかないが、
「お前ら…仲良いんだね」
と嘉島が返せば、葉山青年は少年のようにくしゃっと笑った。
「前の店舗からの仲ですから。尊敬してるんです…笠置コーナー長は僕の大切な先輩ですよ」
「そう…」
20以上も年下の青年の無邪気な笑顔に毒気を抜かれ、嘉島は「葉山から笠置への一方通行なのだろう」と推測してふふと笑う。
そして青年はあどけない笑顔の裏で、
「この後のホテルでぐちゃぐちゃにする予定ですけどね♡」
とほくそ笑むのだった。
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