枯れかけのサキュバス

茜琉ぴーたん

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1月・純化したサキュバス

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「死ぬなよ。うちをひとりにせんとって、ひひ」

「もちろんです…ユイさん、好きですよ、好き…た、大切にします」

「まだ結婚ちゃうよ、もう…あ♡あれ、ぬるぬる…」

膝を開いてスムーズに侵入してくる男の感触に初めてのものを感じ、唯は眉頭を上げて葉山のソコを目視で確認しようと試みる。

「新しい…やつ…あー♡…ゴム感ゼロみたいな……あ、きもちい……ゼリーがたくさん、付いてて……痛く、ないですか?」

「うん…あ♡…は…なんや、くすぐったいな…ぬるぬるや…わ…♡」

黒色になったモノはまこと干渉なく唯ヘ収まり、感度が上がる前からの異様な密着感に双方が「?」と驚きを隠せずにいた。

 そして温まりきった粘着質はよりナカを円滑に動き出し…段差に塗り込んでは抉り取って彼女の口をむにむにと波打たせる。

「あッ♡うヮ…んッ♡」

「ッは……きもちい♡ユイさん、たった、20日のッ…禁欲でも…キツかった、ですッ…は♡ユイさんッ♡きもちぃな、あー♡」

この夏までの空白期間に比べればなんてことない期間、それでも身近に働く恋人を目にしながら触れられないのは相当に堪えた。

 青年は言葉を失い吐息だけを、ぬちゃぬちゃと鳴る二人で奏でる淫音と共に彼女の耳へと届ける。

 唯の社宅アパートは車通りの多い県道沿いだったので、深夜以外はそれなりに何かしらの喧騒が常に聞こえていた。

 しかし国道沿いとはいえ少々奥まった住宅地のここはたまに通る車のエンジン音が聞こえるくらい、平日昼間の今現在は近所の子供も学校で留守である。

「あ♡ッ……龍ちゃ、ん、ひァ♡は、アっ♡」

初めての天井、初めてのシーツ、見慣れた恋人はいまだ泣き顔で自分を責め立てては悦に入って悶えている。

 愛しい、可愛い、離したくない、唯はそれを言葉ではなく体で青年へ伝えた。

「……ぁー…きもちぃ…」


 脚を担いで、片脚下げて、身体を半身横にして…顔だけは向き合うように見つめ合えるように、正常位の範囲で葉山はあらゆるパターンを試す。

 「まだイきたくないな」、そんな想いは見事に彼の表情に現れてはいたが腰もたかぶる感情も止められもせず…打ち始めて10分ほどで果てが見えた。

「ユイさん、ん、は……あ、イって、いい、ですかッ?」

「う、ん♡りゅう、ちゃ、ン♡おいで、ん♡」

唯は「注げ」と言わんばかりに短い脚で葉山の腰に縋り、しっかりと引き寄せて口付けをしたまま…

「ユイざ、ん♡……~~~♡♡♡ッ♡…ァ♡…ん、んー…は♡ッ♡」

その痙攣も脈動も情けなく流れる涙も全てを喰らう。

「ぷは……しっかり…出た?」

「出、ました……抜くから離して…ユイさん……なに、おかわりですか?」

「うん、龍ちゃんのちんちん、もう1本ちょうだい♡」

 男の濡れた頬を拭って笑う唯は歳より幼く見え、現在進行形で続いている温かい締め付けと言葉・顔の無邪気さがどうもミスマッチで。

 それなのにもう青年は再起動しかけていた。

「台無しだよもう……あ、ほんと…漏れちゃうから抜きますね、」

実は自力で唯を剥がせる葉山は彼女の脚を解いて身体を離し、予定よりも早く役目を終えたスキンを縛ってティッシュに包む。


「静かなセックスでしたね…おしゃべり無し」

「せやね…改めて話すこともあれへんし…普通はこうなんと違う?」

「それ倦怠けんたい期みたいで嫌だなぁ…」

「そんななんの?」

「なりません…集中しただけですよ…ユイさん、よしよしして、」

葉山は唯の胸に顔をうずめ、その後ろ頭を優しく撫でて貰った。
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