枯れかけのサキュバス

茜琉ぴーたん

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1月・純化したサキュバス

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 階段で2階の葉山の部屋へ、ドアを開ければカーテンの青が爽やかで印象的に目に映る。

 ベッドと机だけのシンプルな部屋、しかしよく見れば枕カバーもシーツも唯の物と色違いで揃えられていた。

「キレイにして…お揃いやんね…あ、これベッド…大きい?」

「はい、セミダブル…ユイさんと寝たいから」

 家具屋では別会計だったから大きさまでは気付かなかった。

 更にその日に付いたポイントでシーツ類を買おうと彼に買い物を任せたので唯は小物の柄も知らなかった。

 付いたポイントが使えるのは翌日以降、すぐの使用でもないので不都合は無かったのである。

「可愛いことしよるなぁ、龍ちゃんは…ええよ、任せて…ん、バンザイして。ちゃんと食うてたか?痩せたんと違う?」

「ん…どうしても疲れた日は食べずに寝たり…してました…」

「あかんな、これからは協力し合おな…ん♡」

青年をベッドに掛けさせて裸にしながら、唯ははむはむとキスをした。

「なぁ、うちも裸になってええ?着てないとやっぱ勃たんかな?」

「いえ…お好きに、あ、エロい…僕、ユイさんのリード好きです…ドキドキする…」


 1枚、1枚と服を脱ぎ落として丸裸に、着衣好きの葉山に配慮して真っ裸になることが無かったが進展があるかもと唯は試してみる。

「龍ちゃん、舐めるよ?何分つやろか?」

「すぐだと思います…ぅゎ、あ、」

両手で脚を広げてその隙間の元気なイチモツへ…わざと鼻から声を漏らしてしんどそうに唯がねぶれば、青年は辛そうに笑って口元を押さえた。

「ん、フ…ん?♡」

「ハ…ユイさ、ん…」

見上げて目を合わせ、身長差よりもずっと長いその距離を近づけようと葉山は背中を丸めて頭に手を掛ける。

「ユイ、さんッ♡」

 3年の空白の間だって唯を想ってひとり行為に励んでいた。

 再会してからだって同様だった。

 「アイカラーを変えたユイさん」「クレーム対応で苦々しい表情のユイさん」「届かないと言い出せなくて脚立をこっそり運ぶユイさん」。

 トレーディングカードのように日々収集する彼女のあらゆる姿を持ち帰っては消費する日々。


「ユイさんッ…あ、僕、我慢したんですよッ…20日ッ…」

「ン、ん♡」

スッポンの如く咥え込んで、ちゅうちゅうと吸引して、歯を当てぬよう加減をしながら出し入れをして。

 自分から奉仕するその健気な姿勢にぐんぐんと興奮が高まり、葉山はその時を迎えた。

「あ、ユイさんッ、イきそう、あ、イぐ、あ、」

「ん、んむ♡」

 葉山は唯の頭から手を離し自由にしてやったのに、彼女はその手を捕まえて再度後ろ頭を抱かせ、

「あかん、え、あ、あッ…あ、………ッ♡♡♡」

慌てふためく男の声を聴きながら、少し浅い所でぴゅうぴゅうと吹く情熱を受け止めてやった。

「んふ…ん…」

「あ…ユイさん…やば…ハ…」

抜かずに直接口内射精をしたのは初めてで、青年は胸が弾けそうな罪悪感と同量の多幸感に襲われる。

 20日抜かなかったからと言っても当時の精子がそこにある訳ではない、一定時間が経てば分解されて体に吸収されていくのだ。

 しかして彼は20日前の、聖夜から持ち越したままの気持ちを排出したように感じており、しかも愛しの恋人の小さな口の中へ溢れさせたとあってえもいわれぬ気持ちを顔と言葉に表した。

「あ、ユイさん…♡上手…気持ちいい…はー……あ、ティッシュ…あ、あ!」

「ん♡うえ…」

口を開けて舌を出せばトロリと白濁液が垂れて受けた小さな手に落ちる。

 葉山は慌ててティッシュで口元を拭いて手も拭ってやった。

「ありがとうございます…すごい良かった…」

「んー…さすがに呑まれへんかった…ごめんな、」

「いえ、美味しいものじゃないですから…は…ユイさんエッチ…好きです、裸もキレイです…」

小さな身体に大きな膨らみ、着衣でなくとも興奮できた青年はそれを多大な自信とした。


 そして次は自分の番だとスキンを手に取り、唯をベッドへと寝かせてやる。

「ん、慣れてな。ちんちくりんやけど…龍ちゃんの女やからな、」

「あ、どうしよ…僕、死期が迫ってるのかな…幸せ…」

少し手でしごいて完全に勃たせて、葉山は新商品のスキンをぴっちりと纏って恋人の上へ覆いかぶさった。
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