枯れかけのサキュバス

12月・諦めのサキュバス

63

「承諾、して…くだされば、いいん…ですよ、ね、」

「あ、あ…♡わがッ…たァっ…♡ぁ、あ♡」

唯が堕ちた、葉山は舌舐めずりをしながら録画中だったスマートフォンを手に取り彼女の顔の近くへ置く。

「結婚、します」　

　葉山はやっと腰を止め、唯の濡れた目尻へキスをし、

「いいですね」

と真剣な顔で念を押した。

　唯は焦点の合わない目で

「は、い…」

と応えるほか無く、その口は再開された突き上げによる愉悦を葉山へ伝える為のスピーカーと成り下がる。

　強く深く早く、奥へ奥へ、いずれ子種を呑ませる予定の彼女の胎はらへ。

　葉山は確実にその存在感を示してから直前に引き抜いて、スキンも脱ぎパンストのウエスト部分へポタポタと噴いた。

「はー♡すごーい…達成感…征服感…ユイさん…ごめんなさい、レイプみたいになっちゃって…」

「あ…謝る気…無いやろ…」

「はい、すみません。ストッキング破っちゃった♡」

「お前…結構高いねんぞ…脱ぐの手伝え…」


　葉山は精液をティッシュで拭き取り、腰部分を広げてショーツごと脱がしてやる。

「替えを用意してますから、許して下さい♡ね、ユイさん、言質げんち取りましたからね、結婚…しますからね」

　そしてうつ伏せから仰向けにコロンと唯を転がし、うっとりと上気した顔で婚約者を見下ろした。

「…いつか、な、」

「はい…遂にユイさんが堕ちました、嬉しいです…」

「なぁ…結婚ってゴールなん？……付き合うてる方が楽しない？」

葉山はやけに結婚に拘る、それこそただの契約でしかないのに。

「なに言ってるんですか…貴女の人生に責任を負えるんですよ、配偶者として貴女を囲える…幸せですよ」

「なにその危険思想」

「普通の事ですよ、僕が世帯主、ユイさんがその配偶者。僕は貴女を扶養するかもしれない、僕に何かあれば貴女に全てを託せる…その逆もあります。夫婦２人３脚ってやつですよ、もちろんゆくゆくは子供も欲しいです」


　漠然とした理想、綺麗事の夢。

　しかしおそらく葉山は細かく計画を立てているのではないか…例えば自分が妊娠する時期であるとか、スパンであるとか。

　唯はうっすらそんな事を考え、ブラジャーを捲って乳首を弄る男の頭を撫でる。

「ユイさん…この前のベビードール、持ってきてるので着てくれます？あれすごく可愛くて…」

「うん、ええよ…」

「ギンギンになっちゃう…♡」

「お前、飲み過ぎちゃうか…」

「はぁ♡ユイさん…可愛い…♡ね、僕、治りそうにないんです…触って下さい…ね、ん♡」

　ちゅぱちゅぱと乳を吸って股間を触ってもらう、葉山にとってこの上ない幸福な時間を唯は「やれやれ」といった表情で見守った。

「うちも…龍ちゃんのご両親に挨拶せなね、」

「ん…既に顔は見てるみたいですよ？客として…あむ」

「は……やっぱり、シアターラック買うてくれた葉山様、お前の父親か！」

それは11月に唯が接客した案件で、どことなく葉山青年に面影が似ているナイスミドルのことである。

「らしいですよ、僕も後で聞きました…ふふ、こっそり偵察が葉山家の伝統です」

「は……あ、しやったらお母さんも来てへんかったか？割と背ぇ高めの……『息子に会わへんか』みたいなこと言われてん…あれお母さんやろ！」

「たぶんそうです…ふふ♡…まぁ発言までは知りませんでしたけど…なんて答えたんです？」

葉山は乳から顔を離し、わくわくと唯の顔を見下ろした。

「あー…『先約がある』って……いや、角が立たへんやろ？しやから……なんや」

「うれしい♡ あー、あと、まぁ兄は…会いましたよね、あんな感じ……あ、ユイさん、ベビードール着て、おフェラしてくれませんか？とことん虐め抜きたい気分です♡」

「なんでやねん」