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ピンク
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しおりを挟む「うん…美化活動だね、垣内…拾わせて」
「あァ、」
主人からのGOサインを貰い、その身を屈ませた金髪はメイン通りをフラフラと走る自転車を追い始める。
その目は殺気を宿し、ちょうど対面に回ってきた和久にもハッキリと狙う対象物が分かる程に鋭く男を捉えていた。
事情は分からぬが和久は長い両手を広げて自転車男の進路を塞ぎ、慌てて止まりかけた男のその背中に
「うらァっ‼︎」
と垣内の革靴の踵が勢いよくヒットした。
何か武道など嗜んだわけではない、これはただの喧嘩の飛び蹴りである。
「うおおっ⁉︎」
通りに響く大きな音と共に自転車男と巻き添えの和久は倒れ、
「おい、せめて横からとかにせぇや!コイツが何してん」
と、やれやれといった表情で理由を問うた。
「お嬢に向かってタバコ吐きよってん、おぅ、起きやコラ。拾ってかんかい」
「ほぉ…タバコを」
聞いた和久は丸い目を薄くして舌打ちをして、倒れた男の首根っこを掴みクレープ屋の方向へ引っ張って歩かせた。
「アンタええ度胸してんなぁ、街はキレイにせな。真面目な喫煙者の権利が迫害されてまうやろ?ほら、歩け」
そしてクレープを注文している雅の傍、落ちた煙草を目掛けて男を振り投げた。
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