うちの嫁さんは世界一可愛い、異論はあろうが知らねぇよ。

茜琉ぴーたん

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2010…母親学級バトル

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「それ、どうやって聞いたの」

「え?」

「先生に、どういう風に聞いたんだ?美晴」

「あ、えーっと…お、怒ってる?」

 こんな時に不機嫌面は損だ。

 俺的には詰問がてら焦らしているつもりなのだが美晴には怒っているように見えるみたいだ。

 医者にどんなエッチな文言を吐いたのかな、そこが気になったから掘り下げてみたいだけなのだが。

「怒ってない、質問に答えろ」

「えあ、あの、先生、い、いつからエッチして良いですか?って聞いたんだけど…ダメだったかな…」

「アウトだな」

「ご、ごめんなさい…私…あの、次の診察の人も待ってたし『何か気になることは?』って言われて、それ儀礼的な文句だと思って本当に質問するのもなぁなんて思ったんだけど、でもそろそろ浩史くんとエッチしたくて気になってて、もっと言い回しを工夫すれば良かったんだろうけど、あとエッチの公的な言い方が分かんなくて…ごめんなさい…」

 公的ってなんだよ、いちいち美晴の物言いは可笑しくてツボにはまる。

 彼女が通っていた高校の偏差値はけっして低くなく神奈川県下では有数の進学校だ。

 語彙ごいや知識は俺より蓄えているしニュースなんかの難しい話題も理解している。

 ただそれを繰り出す量やタイミングが掴めないのだ。

 それが天然っぽくて可愛くはあるのだが。

「なら工夫して言ってみて」

「え、えーと……いつから、夫と……んー、営み?」

「リピート アフター ミー。おちんちんを、」

「お、おちんちんを、」

「ハメても、」

「はめても」

「良いですか?だろ」

 彼女は俺を信用し過ぎなのだ。

 俺は学力はそう高くもない学校出身だが、何もかも受け止めた俺の言うことをまるっと疑いもしないところがあって危なっかしい。

 セックスを和語に変換するなら『性交』だろうが美晴はきっと同音異義語の存在を加味して迷っているのだ。

 前後の文脈から産科医はんでくれるだろうが彼女なりに相手のことを考えて空回っているらしい。

「…本当?」

「嘘だよ」

「もうっ!浩史くん、私、信じちゃうじゃん!馬鹿なんだから!」

 顔を真っ赤にして両手を振り上げる妻はまったく純で清々しい。

 しかしそれを『馬鹿』と称するのは良くない癖である。

 これまでも散々言われてきたから自虐みたいに繰り出すことがある、そこまで重い意味合いでなくとも美晴には刺さるのだ。

 毎度止めるのも恒例行事だ。

「美晴は馬鹿じゃねぇよ、ちょっと注意が足りないだけ」

と正直に述べれば、励ましてもらえると期待していた美晴は

「ぶー」

と頬を膨らませた。


「ふはっ……なぁ、俺を先生だと思ってもう一回言ってみろよ」

「……先生、あの、いつ…旦那さんの、おちんちんを、ハメても良いでしょうか?」

「(可愛い…)」

 こんな若奥さんは反則だなぁ、俺がこのシチュエーションで医者ならその場で襲っている。

 やれやれAVに毒され過ぎだろうか。

 寝室の長男も気になるが俺の盛り上がってきたのケアもしてやらねばなるまい。

 ふはと笑いつつキッチンへ移動して薬箱の隣の私物入れを探る。

 ここにストックがあることを知らない美晴はキョトンと俺の動きを目で追う。

「浩史くん…?」

「これからな…津久井さん、コレなーんだ?」

「あ、こんどーむ…」

「どこに着けるものか知ってるか?」

「…おちんちん……もう、冗談ばっかり…揶揄からかっちゃやだ…」

「本気だよ」


 今宵はリビングのソファーにて、久々のセックスに夫婦で奮った。

 愛情確認とかコミニュケーションとか後付けの理由なんてどうでも良い。

 ただ目の前に居る嫁が可愛くて俺を欲しているから抱く、それだけのことだ。
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