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Capitolo11…Vecchiaia
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しおりを挟む「これまでありがとうね、よく頑張ってくれたわ」
「…?まだこれからじゃないですか、なんですか?呑んでるからって変な…サヨナラみたいなこと言わないで下さい」
「…レオくん…あなたはまだ若いわ。仕事も出来るし気も利くし商才もある。この前お会いした画廊のオーナーの方覚えてる?あのハゲたアゴひげの人。今度規模を拡張するんだけどあなたにそこの管理を任せたいって言って下さったのよ、受けてみない?」
確かにそれは憶えている。
先生の作品を高値で取引して下さるお得意様でもあるし僕単体でも何度か出向いて話をさせてもらっている。
世間話程度に「わしの所へ来ないか」なんて口説かれもしたけど社交辞令と思い適当にかわした。
帰り際に尻を触られて気色悪かったから特に憶えていた。
「あの、ありがたい話ですけど、その…あの人…」
「男色家で有名ね」
「ですよね、いや、それを分かってて言ってるんですか」
「さすがに断ったわ、あの人手腕は見事だけど…以前個人的に原型が欲しいって言うから譲ったじゃない?あれ、ベッドに置いてるらしいわよ」
「……は?あれって…」
「3作目の顔とお尻」
原型は先生の思い入れがあるものは保管しているがそれ以外は雑多に倉庫に転がしている。
作品の一部として買ってもらうこともあるし箱ごと運んだのも僕だから朧げながら把握はしている。
しかし学生時代に制作した3作目は裸で開脚座りのポーズだった。
ただただ卑猥なあのパーツと寝所を共にして何をしようと…いや、分かるけど認めたくはない。
「……え、僕で致してるんですか?」
「用途は分かんないわよ、でも添い寝してるって言ってらしたわよ。あと『改造しても構いませんか』って聞かれたの、『差し上げたものだからご自由に』って返したけど」
「え、完全に犯されてるじゃん、やばぁ…もうまともに顔見れない」
しかし硬い粘土製のアナルで僕を奪ったつもりになれるなんて想像力の匠だな。
顔なんかぶちゅぶちゅキスされてるのかななんて考えると今後の付き合いにもバッチリ影響が出そうだ。
お姉さまからの人気は分かってたことだけどお兄さまからも好かれてたなんて知らなかった。
これきりで契約を切ろうとは思わないけれど何となく疎遠にしていった方が安全なのかもしれない。
「まぁそこは割り切ってよ。…でも大切なレオくんが不本意に新しい道を開拓されちゃうのは避けなきゃね…」
「絶対御免です、僕はそっちの趣味はありませんので」
デッサンも撮影もする様子が無いので一旦体を起こせば、先生は少しだけ笑んで
「でもね、あの人以外にも『うちでどうか』って言って下さる方、いるのよ?あなたさえ望むなら、もっと広い世界に出てみるのも良いかもよ」
と膝を台に頬杖をついて小首を傾げた。
「…先生から離れるってことですか?…嫌ですよ、僕は先生だからこれまで頑張って来たんです、知らないことも勉強したし仕事だって楽しくなってきて…先生と一緒じゃなきゃ、ここまで出来てない」
勢いよく立ち上がれば剥き身の股間がぶらんと揺れる。
先生の目線はそれと同じにつられて、僕の目へと戻って来る。
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