上 下
43 / 74
Capitolo8…Leo

43

しおりを挟む

「専属なんでしょ?…そりゃ、呼んでくれるならするよ…」

そう応えて手でポジションを直しポーズをとった。

「なに、勃起した?」

「してない、見ないで」

「良いじゃない、勃ってるところも見せてよ」

「……え、作品にするの?」

「何かのアイデアにはなるかもしれないじゃない。血管の走り方とか質感とか」

 僕のコレからどんなインスピレーションが湧くのかな。

 前衛芸術って何でもありっぽいからここから別の形のモニュメントになったりするのかな…僕はカメラを手にワクワクしているシラトリさんに向き直る。

「…シラトリさん、何もしないから…何かしてくれない?」

「何を?」

「勃たせる材料が要るんだよ…触らないから」

「んー…モデルさんを無闇に挑発できないわ」

「…いじわる」


 僕は結局自力で目の前のシラトリさんを脱がす妄想にふけり、むくむく増大させて彼女を喜ばせた。

 「わー、すごいすごい」とはしゃぐ姿はやっぱり下品で、でもセックス中の台詞だと脳内変換して股間へ還元すればまたそのたけりに彼女は目を輝かせてくれる。

 モデル冥利に尽きるね、作家先生がこれだけ奮ってくれるんだから僕もこの体型をなるべく維持しようと意識も高まるってもんだ。


「うん、いい感じー……できた、ありがとねぇ、参考にさせてもらうわ」

「…シラトリさん、ゆくゆくは『射精するとこ見せて』とか言わないよね」

「あー、躍動やくどう感があって良いかもね!」

「嘘だよ、忘れて…」

スケッチブックの端にメモを取ろうとする彼女を止めて服を着る。

 事後でもないのに体がだるいのは寒さに強張っていたからか。

 また簡単に脱いじゃった、僕がどんなに心を入れ替えたって主張してもこんなだから信用されないんだろう。

 でも脱がなくなったらクビにされちゃうから言われた通りにしちゃう。

 僕ってダメ男にハマる女子みたいじゃん、なんて自虐も浮かぶ。


「さて…学内アドレスにまた連絡するわ、ばいばい」

「さよなら…ねぇシラトリさん、ガイジンっぽい挨拶のkissキスhugハグもダメ?」

「え、あなた文化レベルで日本人でしょう?そんなのしたこと無いじゃない」

「うん。滅多にしないけど挨拶なら良いかって思った…冗談だよ、また呼んでね」

 こんな手には引っ掛からないか。

 下心は全く消えた訳じゃないから厳しいな…でも受け入れられたらそれはそれで歯止めが掛からなくなって困るのかもしれない。

 でもキスして抱き締めて、「あれ、ドキドキしないや」なんて自覚したらもうシラトリさんから解放されるのかも。

 それも怖いし必要とされなくなるのも怖い。


「じゃあこれなら?…レオくん、またね♡」

 ほら投げキッスなんて卑怯だぞ、僕が手を出さないからって好き放題しやがって…手を出されたいのか出されたくないのかどっちなんだ。

 餌をチラつかせて食いつこうと構えたらヒョイとかわすんだもんな。

 分かってて楽しく遊べるのが大人の男なんだろうけど僕はまだまだその域まで達してない。

 強行できないなんて僕も歳を取ったとは思うんだけど、それを言ったらシラトリさんに怒られるだろうから言えない。


 ともあれ僕はこの日から定期的に彼女のモデルとして働くことになった。



つづく
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

ぽっちゃりOLが幼馴染みにマッサージと称してエロいことをされる話

よしゆき
恋愛
純粋にマッサージをしてくれていると思っているぽっちゃりOLが、下心しかない幼馴染みにマッサージをしてもらう話。

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

うちの娘と(Rー18)

量産型774
恋愛
完全に冷え切った夫婦関係。 だが、そんな関係とは反比例するように娘との関係が・・・ ・・・そして蠢くあのお方。 R18 近親相姦有 ファンタジー要素有

処理中です...