僕たちが幸せを知るのに

茜琉ぴーたん

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Capitolo6…Ammissione

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「…私も少し過去を話したから…レオくん、差し支えなければ…熟女好きな理由、教えてくれる?キッカケみたいなものは?あったんでしょう?」

「……引かない?」

「内容によるけど」

 この辺はさすが年の功の厚かましさかな、極めてパーソナルな過去をどの程度明かすべきか。

 ある意味トラウマになっている僕の体験を出来るだけポップに表現しなきゃな、頭を働かせたけどありのままを伝えようと息を呑む。


「あの…中学の時に…電車で痴漢に遭ったんだ、痴女だったんだけど」

「まぁ、けしからん」

「僕はその頃普通の…別に今ほど傲慢ごうまんじゃなくて大人しい少年でね。横浜に遊びに行ってね、その帰り…そこそこ混んでて一緒に乗った友達とも離れちゃってね、ボーッとつり革に掴まってたら後ろから下半身を触られて……振り返って見たら40代くらいのキレイな人で…気持ち悪かったんだ、最初は。でも『やめて』って言えなくて。しつこく触られて…その、い、イっちゃったんだ、電車の中で…」

「ありゃ」

 引くだろ、多いに引いてくれよ、そしてこのエピソードを供養させて欲しい。

「気持ち悪かった、次の駅に着いたら人を掻き分けてすぐ降りて逃げたんだ。服の中もべとべとして気持ち悪くて…吐きそうで…警察どころか友達にも家族にも言えなくて」

それが僕の性の目覚め、ばくばくと心臓がうるさくて声も上げられず情けなく敗走した。

 あの降車駅は以来一度も使ってないし、構内もトイレの風景しか覚えていない。

 恥ずかしくて家族にも友人にも言えなかった。

 痴漢行為されて興奮してたなんて自分のことを変態だと思いしばらく下を向いて過ごしていた。

「うん…」

「…1週間くらい毎日夢に見た。でも起きたら…毎朝すごく興奮してて…朝勃ちね、してて…あの手の感触を思い出してはその…」

「オナって?」

「…そう、して…気付いたら似たようなお姉さまに興奮する体になっちゃって……もっと…こう、知りたくなって…学校が早く終わった日に横浜まで出て…お洒落なお姉さまに声掛けて…童貞を捨てた」

「早熟ねぇ」

「震えながら買ったskinスキンね、着けようとしたら『生理上がってるからナマで出して良いわよ』って言われて…意味は分かんなかった、でも…すっごく気持ち良くて…世界がひっくり返った、まだ十数年の短い人生だどね、女性を知った気になった」
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