上 下
8 / 73
Capitolo1…Cigno

8

しおりを挟む

「…あなた、お名前は?」

「ん…礼央れお

「レオくんね、私はシラトリ、白鳥って書いてシラトリ。ここの職員よ」

「へぇ…芸術系?」

「あー、うん…デザインモデリング学科。住空間とか街並みとかのデザインを考える所よ…バリアフリーの在り方とかユニバーサルデザインとかね。学科展示に顔出そうかと思ってたんだけど…まぁいいわ」

彼女は腕時計を確認して、どうやら参加を諦めたようだった。

 10畳ほどある室内は壁際に画材と見られる絵の具や作りかけの彫像や木材が雑然と並べられていて、粉っぽいというか木っ端の匂いなんかが学校の美術室を彷彿ほうふつとさせる。

 きちんとした学問なんだな、名前しか知らなかった学科の内容を頭に入れつつ汗を乾かそうとパタパタ背中に貼り付いた肌着を浮かせた。

「シラトリさん…ところでさ、保健室じゃなくてここに入れてくれたってことは、僕と遊んでくれるの?」

「…調子悪いんじゃないの?」

「平気、シラトリさんのお尻見てたらになっちゃった」

「まぁ、若いって良いわね」

シラトリさんは僕のシャツをくるくる巻いて軽く絞り、ロッカーからハンガーを出し掛けて日当たりの良さそうな窓際に吊るす。

 これは好感触だな。

 彼女がジャケットのボタンを外して袖から抜くとフェミニンなブラウスの襟がひらひら揺れて、虫を呼び寄せる花弁はなびらみたいで男の本能が起ち上がろうとする。


「シラトリさん…僕、女の人のsuitsスーツって好き」

「そう、作業中はジャージよ?」

「それも良いね…こっち来てよ、」

 作業机に頬杖をついて手招きすると、彼女は誘いには乗らず

「レオくん良い体してるから、実はモデルになってもらおうと思って連れ込んだのよ」

と僕の体をまじまじと観察し始めた。

「……modelモデル、」

「うん……あ、良いわね……ふむ……ねぇ、ポージングしてみてくれない?」

「…絵を描くの?」

「ラフね。作るのは彫像。あなた見てたら新しいアイデアが浮かんだのよ、体見せて欲しいわ」

「はぁ…それ、授業で使うの?」

「ううん、製作は副業…というか趣味ね。運良く売れたりすればラッキーだけど……脱げる?鍛えてるかしら」

「少しは…」

肌着の下から現れた腹筋は割れてる、背中だって余分な肉は付いてない。

 おまけに190近い身長だ、西洋彫刻みたいと言われたことはある。


「うんうん…あー、細マッチョね、ハーフ?」

「ううん、日本人の血は入ってない。まるきり外国人だよ」

「そう、やっぱり違うわね…そこに立って、もう少し右、そう…」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

処理中です...