27 / 73
Capitolo5…Miniere
27
しおりを挟む「…レオくんいいこと?熟女に限らずね、女が皆あなたみたいな若くてイケメンが好きって訳じゃないの。あなたは寂しい気持ちの熟女をサーチするのが得意みたいだけど、あなたはその気持ちにつけ込んでるだけ、愛されてるなんて思わないことね」
「そんなこと…分かってるよ。ただの暇つぶしだよ」
「ふん…あと、セックスが嫌いな女だっているのよ、覚えときなさい」
「…じゃあなんでここに僕をまた連れ込んだのさ」
「は?介抱するためじゃない。保健室でこんな話できないでしょ」
「…そう」
まぁ行き倒れをそのまま放置しておけないもんね、僕は彼女がそこまで悪人でなかったことに感謝する。
まだ頭はクラクラしていて目も渇き椅子にくったりもたれて立てそうにない。
「早く帰って」と畳みかけられたら這って帰らねばならないのが辛い。
物悲しさを読み取ってくれたのかシラトリさんは深いため息をゆっくり吐いて、
「あと…もう1回モデルしてもらおうかとも思ったのよ」
とこの間のスケッチブックを棚から取り出す。
「はぁ」
「このソファー、寝て良いわよ」
前は気付かなかったが、壁際の絵の具で汚れたビニールシートで覆われた大きな山は捲れば2人掛けのソファーで、古びてはいるがシートのおかげで埃などは積もってはいないようだった。
彼女がシートを取り払えば「横になれる」という誘惑に釣られてぽかぽかの脳が運動神経を操作し、僕は吸い込まれるように奥のソファーへところり寝転ぶ。
木っ端や油絵具の匂いはするけど嫌ではない。
頭が横になると心身が落ち着いて呼吸も楽になった。
「はー……らく…」
「で、どうする?また脱ぐ?」
「…僕に得はあるのかな」
「私をその気にさせたら、ワンチャンあるかもよ?まぁあなたは下品なババアは嫌いなんだっけ」
思い瞼を持ち上げて彼女を見上げれば細く整えた眉毛が意地悪そうに傾く。
けれどどうしてか美人だからか魅惑的で美味そうでいけない。
しかしこちらも交渉する知恵くらい付けてきた、
「…あのさ、あんた教員じゃないんだよね。せめて何か身分証明とか見せてくれない?チンコ見せ損とかマジ勘弁だよ」
とパンチを放てば
「あー、そうね…名刺でいい?……ハイ、どうぞ」
とシラトリさんはあっさり身分を明かしてくれた。
「…………鴨居朱鷺子………甕倉産業大学…外部理事、理事⁉︎」
顔写真も入ってない名刺だからこれが本当かは分からない。
けれど彼女の革の名刺入れには同じものがたくさん入っていたから本職の詐欺師でない限り本物なのだろう。
しかし理事とは驚いた、事務棟に顔パスで入れる訳だ…諸所の合点がいった。
「そう、外部理事のひとりよ。創立者の一族というか…元々が卒業生で、最初は事務してたの。施設とか設備デザイン関係の事務所を立ち上げて出て行った感じ…街の看板とか広告作ったり、保全事業なんかも。だからデザインモデリング学科はこっそりチェックしてるの。大学には用がある日しか来ないわね。常駐しない理事だから個室は無いのよ、この部屋は物置きを特別に使わせてもらってる趣味部屋ね。事務職やってた頃のコネというか…だから受付は顔パスよ」
「…はぁ…ハクチョウじゃなくてカモだったんだ」
「そう、名前、鳥ばっかでしょ?シラトリはインディーズの作家ネームみたいなもんよ、貴方みたいな面倒ごとに遭った時には咄嗟にそっちを名乗っちゃうの」
「ひっど」
「大人は汚いのよぉ、ふふっ…あなたも身元は名前しか言わないじゃない」
「別に言ったって良いよ、Russell・礼央、カメショーの3年だよ」
あの日も今日も制服を見れば分かるだろう、僕は暑さもあってワイシャツをさくさく脱いでピンクの乳首を早々と晒す。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる