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Capitolo3…Perdita di perdita
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しおりを挟むデザインモデリング学科の展示はそれらしい作品が美術館のように壁一面に飾られて、実際に街中で使用されている手すりだとか使い易いスプーンだとかそういった写真も展開してある。
どうやら係の中にシラトリさんは居ない様子、学生さんに
「すみません、シラトリ先生はいらっしゃいますか?」
と尋ねると
「シラトリ…?すみません、そういった先生はここにはおりませんが」
と思いもよらない答えが返って来た。
「……え?」
名前を聞き間違えたか?でも『白鳥って書いてシラトリ』と言っていたから合っているはずだ。
「ここの先生、なんですけど…なら…似たような語感の名前の方とか…」
「んー……いえ…」
「あの、女優さんみたいな美人で、細くて…えっと…」
顔形の整った人ほど似顔絵にし難いとか聞くけれど、残念ながら僕は彼女の容姿を表現できるだけの語彙力が足りていなかった。
「うちに常駐してる講師は教授を含めても全員男性で…他の学部とかと間違えてませんか?」
「いや、えっと……すみません、出直して来ます…」
あの可憐な熟女は幻だった?そんなはずはない。
洗ってもらったシャツに香るシャボンの香りとか彼女の手で扇いでもらった団扇の風の感覚とか、具合の良さそうなヒップラインだってありありと思い出せるのに。
デザインをモデリングしてるって言ったじゃないか、僕を丸裸にするくらい製作に熱中してたじゃないか。
全部全部嘘だったのか。
「そうだ、事務棟…」
ならば教職員の個室が集まる事務棟に居るのかも、しかしエレベーター前で待っているとカウンターの職員から声を掛けられて「外部生ひとりでは入れませんよ」と回れ右させられた。
防犯的な意味合いで教員側から申告された来客以外は通れないらしい。
昨日入れたのは職員であるシラトリさん同伴だったからか、しかしこの人たちがたまたま昨日見逃しただけの可能性もある。
試しにここでもシラトリさんを知らないか尋ねてはみたものの、僕の足りない説明ではやはり分かってもらえなかった。
僕が昨日入ったあの9階の部屋も学科の教員の物置兼アトリエにしているだけで、やはり特定の職員の個室ではないらしい。
「……シラトリさん…?」
作品にするって言ったじゃないか、見に来てって言ったじゃないか。
あんたはどこに居るんだ。
別に1回体を重ねてそれっきりのお姉さまばかりだから、抱いてもないシラトリさんなんて気にする以前の問題で何てことないさ。
なのに何だこのモヤモヤとする感情は。
脱出ゲームみたいなミステリー性にワクワクしてるんだ、夏の怪談的な好奇心みたいなもんだ。
ガキだからって馬鹿にされて腹が立ってるのもある、さすが年の功だね、簡単にあしらわれて終わりだ…だからこそ会って、彼女にこの悔しさをぶつけたい。
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