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Capitolo8…Leo
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しおりを挟む「どう?良い出来でしょ」
不細工な表情で立ち尽くす僕を隣に呼び寄せて、シラトリさんは無邪気に笑う。
セレモニー終了後に客はそれぞれに好みの作品へと分散して写真を撮ったり作家さんにポイントを尋ねたりと自由に過ごし始めたので、僕も遠慮なく偉大なる先生様の隣へと侍らせてもらった。
「…服、着せるって言ってたよね」
「うん、でもそのままの肉体美を見せたくなっちゃって。どう?あの2回のデッサンと写真だけで作ったにしてはなかなかの再現度でしょ?筋肉は多少盛っちゃったけどペニスとかどう?」
「なかなかの再現度だよ」
「怒らないで、美しいから隠したくなかったのよ」
「……」
「うん?」と僕の顔を覗き込むその顔が年甲斐もなく可愛らしい。
久々に血が滾るような盛り上がりを感じたのだが、市役所の広報と名乗る人に割って入られて勢いはそのまま治ってしまう。
「(…interviewか…あんな裸像を市の広報に載せられるわけないだろ…てか載せないでくれ)」
「あの、そちらの方はこの像のモデルさんですか?」
お役人が僕をチラと見てシラトリさんにそう尋ねれば、彼女は
「えぇ。生のレオくん。私の専属モデルです」
とシワを蓄えた目尻を下げる。
「専属、ですか」
「そう、イケメンでしょ」
そんなこと言ってまた僕を翻弄する悪い人だな。
ほら色気たっぷりに含み笑いなんてするもんだからインタビュアーが僕を変な目で見ただろう。
きっと作家とモデルの関係を超えたただならぬ仲だと思われてるよ、まぁお互い独身だから問題は無いんだけど貴女はそれで良いのか。
「シラトリさん、僕、愛人みたいに見えてると思う」
「あは、芸術家にはよくある話よねぇ」
「何もさせてくれないくせに」
「モデルに手を出すのはご法度だもの♡」
結局僕は彼女のモデル兼愛玩ホストみたいな扱いで多くのカメラにツーショットを収められ…シラトリさんは「また連絡するわ」と期待を持たせて僕を先に帰し打ち上げへと出て行った。
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