上 下
37 / 74
Capitolo7…Lettera

37

しおりを挟む

 さて、念願叶って華の大学生になった僕だが、その学生生活は至って地味なものだった。

 物珍しさにみんな声を掛けてくれるし行動を共にするグループみたいなのもできた。

 けれど潤いというか恋愛面はサッパリである。

 それなりに美人も居るし可愛らしい子も居るし、合コンなんてものも参加させられたりしたけど琴線に触れる女性は居なかった。

 やっぱり僕は年上の女性が魅力的に感じる性分なんだ。

 とはいえ道行くマダムを見ても体が反応しなくなっている。

 今のところ最推しは学校の食堂棟の1階で働いてるお姉さま、三角巾とマスク・割烹着かっぽうぎで隠れているけどあれは好みのボディーをしていると思う。

 もっともそのお姉さまも最近は裏方が多いみたいで、食器洗いや揚げ物担当とか音の大きな機械の近くで作業しているため声を掛けても手を振り返されるだけだ。


 清掃の業者にもいい感じのお姉さまが居たりするけどなかなかエンカウントしない。

 それとも少ししか会えないから理想の女性みたいに補正してたてまつっちゃってるのかも…それはシラトリさんも同じだ。

 なんせ本人が言った通りシラトリさんは入学式にちらっと見えただけ、休み中はともかく授業がある平日は混み合う食堂棟になんて全く顔を出さない。

 僕は目立つから事務棟をうろついてもすぐ不審がられるし駐車場への通路も守衛さんが居て張れない。

 そもそも自分の会社の方に出てるだろうから外部理事がこっちに居るのは会議の時だけなのかもしれない。

 こちらからの連絡手段も無いし彼女が僕を恋しがってくれるのを待つしかないのかな。

 淡々と過ごしていくうちに季節は巡って夏休み明け、学内専用アドレス宛に1通のメールが届いた。


『お久しぶり、シラトリこと鴨居かもい朱鷺子ときこです。学生生活には慣れたかしら?学内情報からアドレスを探させてもらったわよ。さて、甕倉カメクラ駅前の市立美術館に作品を展示させてもらえることになったの。もちろんレオくんをモデルにした像よ。特別展示の中のひとつだからあまり目立たないでしょうけど、一応お披露目会みたいのを開いてくれるみたいだから、良ければ参加してちょうだいね。次の土曜日よ、会えたら嬉しいわね。シラトリ』
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

処理中です...