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Capitolo3…Perdita di perdita

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「こんにちはー、あら」

「こんにちは」

「君、昨日も来てたね」

「はい、もっとじっくり見てみたくて」

「そう、ゆっくりして行ってね」

「どうもー♡」

 入校受付は昨日と同じ学生さんだった。

 おそらく実行委員とか当番があるのだろう。

「姉さん、はぐれないでね」

「失礼ね、あたし何度も来てるわよ」

「だから、私服が良いって言ったのに…学食の人にも姉さん覚えられてたよ」

「そうなの?やだぁ」

 あの情報通なお姉さまは今日も居るかな、めぼしいランチがあれば寄ってみようと思った。



 さて昨日と同じルートでクマさんの学科展示へ、上がっていけば係の学生さんや高校生たちの目は僕らへと集中する。

「なに、礼央、めっちゃ見られてる」

「ガイジンcoupleカップルが日本の制服で乗り込んできたらそりゃ目立つよ」

「そっか、やだ、心臓ばくばくしちゃった」

「慣れなよー…クマさんは?」

 わざとらしくニコニコと笑顔を作り辺りを見渡していると、パーテーションの奥から大きな体がずいと出てきて姉がすぐに反応した。

「あ、大輝たいきくん!」

真梨亜まりあさん⁉︎え、どうしたの、それ」

「昔の制服、どう?似合ってる?」

「似合う…けど…」

クマさんは言葉を濁しつつも姉を傷付けないよう奮闘していた。

 微笑ましいやら照れ臭いやらで見ていられない。

「ねぇ、後はhotelホテルでしなよ」

ほわほわ甘酸っぱい青春なんて趣味じゃない。

 きゃんきゃんわめく姉をクマさんに任せて僕は早々離脱し、シラトリさんの学科の展示室を探すことにした。
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