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しおりを挟む「あ、あ……春翔、出ちゃ…た…ぁ、」
「んゴっ…」
「抜こ、俺、ハンカチ…」
「ん、んー……あは、独特な味する…」
「え、飲んだのか⁉︎」
慌てて立ち上がれば、椅子の脚が持ち上がって落ちてカコンと大きく鳴る。
窓の外と廊下を気にしてあたふたして、脚の間の春翔に視線を戻すと意外と平気な顔をしていた。
「…ん、ごっくんしちゃった」
「おいおい…そこの水道で吐けよ、それか…あ、奢るから自販機で何か飲みもん買って来るわ」
春翔を立たせて、膝の埃を払ってやる。
定期的に掃除は入っているようだが、資料を含めてあまりまともに維持されていないらしい。
何らかの返事を待っていると、春翔は俺を見下す表情で
「…神、それだけ?」
と冷たく言い放つ。
「…は?」
「神のザーメン、飲んであげたんだよ?何か言うこと無いの?」
「…え、頼んでないけど…苦くない?」
「…やっぱ、配慮に欠ける奴だよな」
春翔は手で唇を拭い、リュックを背負ってフイと踵を返す。
そして鍵を開けガラガラと重い扉を動かして、
「窓閉めといて、あとソレ仕舞っときなよ」
とさらり言い捨てて廊下へと出て行った。
「っ…おいっ…あ、チャック…」
俺は半濡れ状態の股間をパンツに収めて、ファスナーを上げる。
窓を閉めて扉を閉め、もつれる脚で春翔を追いかけた。
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