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しおりを挟む「ど、どしたんだよ、くすぐったい…噛むなよ?」
「噛まないよ、馬鹿」
「なんだよ、続きスんの?もう充分だって、お前のフェラテクは分かったから、」
「違う、」
「へ?」
俺から目線を外した阿久津は、
「…噂は嘘だよ、フェラなんてしたことない。今回が初めて」
とそのぷりぷりのモノの先端を唇で捕まえる。
「…え?そーなの?めっちゃ上手いのに?」
「芝塚だって初めてなんだろ?何と比べてんだよ」
「そりゃ、自分の右手よ」
「だろーね、見よう見まねだよ、想像、こんなかなーって、芝塚は経験ありそうに言うから、いつバレるかヒヤヒヤしてた。でも悦んでくれて、すげー嬉しかった」
「めっちゃ気持ち良いぞ、お前テクニシャンだぞ」
「ドーテーが何言ってんだよ」
「お前こそ…いや、他の経験はあんのか」
俺が「フェラは初めて」と詐称したように、阿久津もフェラ以外は経験済みだったりして。
だって学校からここまで余裕綽々だったし、実際のリードっぷりったら未経験とは思えない。
しかし阿久津は舌をべえっと大きく伸ばして、
「無い、超ドーテーだよ」
とその先を先っちょにぐりぐり挿しやがる。
「おあッ…俺と同じステージかよ、偉ぶりやがって」
「芝塚だって、経験豊富みたいに言ったじゃんか、何が2人くらい、だよ!」
「うるせ、お前こそヤリチンぶりやがって……そっか、俺ら、お互いに初めてだったのか」
不安がすとんと腹に落ちる感じ、昇天してもないのに妙なスッキリ感がある。
俺はどこか阿久津より上に立ちたい気持ちがあって、それはタチとかネコとかの話ではなかった。
同級生の同じ男子として、先んじられていることに嫉妬心があったのだろう。
意味なんて無い、運動会の徒競走だって人より速くゴールすることが目的だ。
平均値より僅かに抜きん出ているだけでも、劣等感を抱かずに済む。
だから今回も、阿久津は澄ましているが俺と同じ立ち位置に居るということが分かってホッとした。
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