二人の密会は、ゴシップの証明

茜琉ぴーたん

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「(嬉しいのか)」

 い奴め、といったところか。

 そんなに俺に悦ばれるのが嬉しいか。

 頬を染め、鼻の下を伸ばして、伏目になったり閉じたり。

 深く咥えて、ずずずと吐き出して。

 舌の根で抑えたり吸われたり、あらゆる技を食らった。


 正味10分もかからず、俺は達しそうになる。

 さすがに口に出すのは可哀想なので、

「もうイきそうだから、やめて」

と汗に濡れた眉を摩ってやる。

 ふぐふぐ唸る阿久津は了承したように見えたが、浅いところから再度奥へと竿を呑む。

「おい、阿久津、口に出したくないから、もぉ、」

「ムぐ」

「充分、気持ち良かった、サイコーだった、だからもう良い、」

「もゴ」

「おい、ッあー…出るから、阿久津、汚したくねぇって、あ、」

 無理に頭を剥がそうとするも、その手が反対に捕まってしまった。

 仰反る体を支えていた左手も、阿久津の右手に捕獲される。

 両手は恋人繋ぎで、まるで阿久津は降参みたいなポーズだ。

 でも俺の大事なものを人質みたいに押さえているから、どっちが囚われているのか分からない。

「ん、ん、」

「阿久津、なぁ、」

「んー」

「おあぁ」

 喉奥に刺さるディープな吸い込み、口内の皮膚がみちっとモノを包む。

 真空パックでコーティングされている感覚に、痺れて喘ぎ声が漏れる。

 そんなに仲良しでもないクラスメイトの家で、いきなりフェラチオされて。

 期待ゼロでもなかったが、格段に上回る距離の詰め方に引き気味で。

 これだけ気持ち良いことをしてもらえるなら今後のお付き合いも是非に、しかしここに恋愛感情はあるのか。

 俺のことを気にしてはくれていたようだが、それだけでここまでするのは尻軽というか節操がないというか。
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