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プロローグ・鬼嫁ちゃんと僕

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「リカちゃん、今日の昼の…あの件ね、あぁの言い方って無いんじゃない?」

「……」

「聞いてる?うちの可愛い部下が萎縮しちゃってたじゃん」

家に帰って妻が用意してくれた食事を摂って、子供部屋の様子を確認して…僕は昼間よりはくだけた言葉で彼女を

「ちゃんとッ…決まりは守っ、て、ゔあぁ♡」

後背位で僕に串刺しにされた泉さん…もとい里香りかちゃんは強気だ。

 それでいて耳を真っ赤にしてシーツの上の拳をぎうと握って振動に耐える。

「それも大切だけどさぁ、言い方だよ、嫌われちゃうよ?」

「そんなのッ、構わな、ンん♡」

「あー…小売業の花形の営業くんだよぉ?優しくしてあげなって、」

 打ちつけを弱めて話に本腰を入れようかとすれば、

「だから、店を回してるのは事務の私たち、ルールを守れないなら会計処理も全部自分で」

と強情なので一層激しく奥まで突いてやる。

「あァそうッ」

「やっ…ア、ひん…やら、あ‼︎」

「じゃあ君たちが売り上げ作れんの?んん?僕たちが売ってるからお給料が貰えてんでしょうが」

「やることをッ…ちゃんと、あ、あ、」

「ヤることヤってんでしょう、んん?」

「会社の、決まり、ッゔ、わ、あ♡」

「いつも言ってんでしょう、ルールも大切だけど社員同士の和も大切にしなきゃ…ねぇ、泉コーナー長、」

ツンケンした『泉コーナー長』と家で僕にやり込められている『里香ちゃん』のその落差、役職で呼んでそれを思い知らせてやればナカは正直に反応した。

「やッ…あ、あ、」

「鬼嫁って言われてたよ?ふふっ…どうやって子供作ったんだろうって、」

「ひッ…あ、ふァ、」

「こうやって作ったじゃんねぇ、泉コーナー長♡」

「ヒあ、あぁ♡」

「ん、向き合おう………厳しい泉コーナー長がこんな顔で鳴いてるの、みんなに見せてやりたいねぇ?んん?」

「いッ…や、ぁ、」

「僕の可愛い鬼嫁ちゃん♡……おら、正常位で鳴きなさい、」


 表では鬼嫁とされている彼女が家ではよだれを垂らして亭主に抱かれている。

 そのギャップに僕はとんでもなく興奮する。

「ひィ♡ッッゔ、らめ、あ、あ♡♡♡」

「明日は同じ早番だね、ん、この前プレゼントした、Tバック穿いて行きなさい、いいね、」

「やッ…だぁ…」

「穿きなさい、それともノーパンで仕事しますか?」

 同級生なのに丁寧語で上からものを言う、そのよそよそしさに彼女がキュンとしているのも知っている。

 だから僕は行為中にあえて仕事の話を持ち出したりするのだ。

「やらッ、穿き、ます、」

「うん、上も揃いのブラね、隣で見てますから、しっかりと仕事なさい」

「は、イっ…あ、あぁ♡」

「イく?どう?」

「あ、イっちゃ、う、あ♡」

「どう言うんです?泉コーナー長、」

 12年も連れ添った夫婦なのに他人行儀に、まるで倫理に反しているかのように妻を抱く。

 僕たちだからこそできる淫猥いんわいな遊戯、これは誰にも責められるものではない。

「み、やまえ、店ちょおッ…イ、かせてッくだ、さ、イ、」

 なんせ反抗しながらも彼女だって律儀に敬語を使うのだ。

 このごっこ遊びは彼女も納得した上で行われてきている。

「はい、いいですよ、上司のペニスで存分にイきなさい」

「ひギっ、ら、あ、あア♡♡♡」

「んー、きもちい、まだ、できるでしょう?」

「らめ、あッ♡もぉ、イき、やらッ♡」

「上司がまだなんですから、部下は我慢なさい」

「ひゥ♡やらッ…ごわれッ…ぢゃゔ、」

「キレイだよ、リカちゃん」

「あ♡…岳美たけみ、く、ンん♡」

呼称を変えるのが場面転換の合図、わざわざ説明すれば興醒めだがこれは何回かスるうちに決まった二人のルールだ。

「しっかり締めて、リカちゃん♡」

「ふぁい、ん、ん、」

「あぁ、イく、イくよ、んッ♡んー…んー……ん、あー…最高だね、鬼嫁ちゃんのま◯こは」

「……ひどい…」

「褒めてるのに」


 息が上がった胸をぺろんと撫でてその手を紅潮した頬へ、じんわり滲んだ汗で張り付いた髪の毛を剥がして口付けて、

「リカちゃん、愛してるよ」

と告げて僕は隣へ寝転んだ。
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