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ステージ13
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しおりを挟むさて、翌日。
遅番出勤すると事務所が騒然としていて、挨拶して入室すれば朝礼待ちの人並みが僕を避ける。
「(なんだ…?)」
着替えている間も背中に注がれる好奇の目。
資料を手にホワイトボードの前の定位置に立てば、板上には『宮前副店長はセクハラしています』とデカデカ書かれていた。
「は?セクハラ?」
昨日の今日だ、脳裏に茶頭さんとのやり取りがサアッと浮かぶ。
「宮前くん、ちょっといい?」
「店長…」
僕は店長から事情聴取という名の尋問を受け、売り場に出る頃にはくったりと心身が疲弊していた。
当然何もしていないのだからあったままを店長には伝えたが、こういった下の者からの告発は本社へ報告義務があるそうで、そちらからも改めて聞き取りが入るそうだ。
僕としてはあれを書いたのは邪険にされて恥をかかされた茶頭さんの嫌がらせだと思うのだけど確証も無い。
しかしカウンターで顔を合わせた時も彼女は「ふふん」とばかりに妙な笑みを浮かべていた。
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